あしながおじさん (光文社古典新訳文庫)

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  • 光文社 (2015年7月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753139

あしながおじさん (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なんとなく内容は知っているけど・・・。という本だったので一度手にとってみたかった作品。
    想像以上に、ジュディが前向きでユーモアがあって逞しくて。とにかくかわいらしい女性で、自分もこんな風になれたらなぁ。と思わせるような女性。
    作中に、ジャーヴィスの名前と、ジュディ目線でのジャーヴィスはよく登場するけど実ジャーヴィスの登場は以外と少ない気がします。もっと彼の詳細があってもよかったかな。

  • あしながおじさん!

    子供のときにだいすきだった本。
    年齢としては大人になった今、15年前を思い出しながら読んでみました。

    昔は、素敵なジャーヴィー坊ちゃんと幸せになるシンデレララブストーリーにうっとりしてました。
    あと、キャンパスライフの甘美な描写!
    「ブルーのモスリンのドレス」「ファッジ」「糖蜜キャンディ」「イブニングドレス」「シルクのストッキング」
    こんな言葉の響きにどきどきしながら、めいっぱいの想像力を働かせていたもの。

    でも今読むと、それだけじゃなくて。
    ジュディの生き生きとした魅力がわかるようになりました。

    強さ、賢さ、明るさ、お茶目さ。

    しんどい過去や逆境に負けないところ。
    卑屈にならずに言いたいことを言うところ。
    色んなことをユーモアに変えちゃう愛嬌と素直さ。
    現状にあぐらをかかない自立心。
    物欲の甘美な誘惑は素敵だけど、それより大事なものを見出して選べるところ。

    ジャーヴィー坊ちゃんがどうしてジュディを好きになったのか
    よーくわかるようになった気がします。
    色褪せない小説です。

  • 図書館

    あんまりにも有名な本すぎて、長い事読む機会がなかった本の一つ。
    お金持ちのおじさん(主人公同様年寄りのおじいさんだと思ってた...)が援助してくれるという漠然としたことしか知らなかった本。
    読んでみると想像してた内容と良い意味で違って、面白かった。冒頭以外ラストまでずっと日記形式の文章なんだ。
    結末は何も知らない主人公と同じように私も素直にびっくり。
    あしながおじさんの正体を知ると、また最初からじっくりあしながおじさんの目線で読み返したいなと思った。
    所々になんとも言えないイラストが差し込まれているけれど、これはこの本オリジナルのイラストなのかしら?
    手元に置いておくならもう少し凝ったつくりの本が欲しいところだし、違う人の訳でもこの物語を堪能してみたい。

  • うーん。くらもちふさこ。
    ラブコメ...うん、ラブコメですね。悪くない。

    なんですが、僕はくらもちふさこさんのマンガは、結構好きです。
    そんなに読んでいませんが。「いつもポケットにショパン」「東京のカサノバ」「いろはにこんぺいとう」「A-Girl」「海の天辺」「千花ちゃんちはふつう」「百年の恋も覚めてしまう」…まあその辺りくらいです。
    あとは「Kiss+πr2」はまあ、別格に佳作だと思いますし、「天然コケッコー」はもう、脱帽するしかない傑作ですね。「駅から5分」あたりも、もうその語り口のめくるめく有り様だけでも、豊饒な酒に目が眩むような味わい。だと思います。
    ...まあ、そんなにくらもちふさこさんを読んでいる訳ではないので、強くは言えませんが。

    「あしながおじさん」。1912年にアメリカで発表された小説です。ジーン・ウェブスターさんという女性作家さん。
    僕は光文社の古典新訳文庫で読みました。(古典新訳文庫であったから、読んだんですけれど)
    解説がなかなか面白く、そこで言及されていましたが、1912年当時のアメリカというと、第一次世界大戦前夜なんですが、そこそこに資本主義経済、消費生活が充実してきていました。
    小説を女性も購読して楽しむということも定着していました。
    恐らく、生活の近代化、都市化から、都市で暮らす主婦層(の中の、それなりの富裕層)を中心に、女性参政権の運動なども出てきていたんですね。
    そこで、くらもちふさこじゃないですけれど、女性向けの娯楽としての小説、というものが勃興。
    「あしながおじさん」だけではなく、「孤児の女の子がかわいそうだけどガンバル物語」というのが、既に「売れ線」だったそうです。
    ちなみに、日本で言うと夏目漱石さんが「彼岸過迄」とか「行人」を朝日新聞に連載していたころですね。
    (日本も、1904年日露戦争、1910年韓国併合。アジアで唯一帝国主義の勝ち組に入って、無理していたなりに都会の市民生活は消費膨張していたころですね)。

    孤児院出身のジュディは、顔も名前もしらない「あしながおじさん」からのお金で、大学に進んで陽の当たる人生を迎える。
    そして、ジャービスという、富裕層の知的で進歩的な青年と恋に落ちる。

    まあ、というお話なんです。皆まで書くのは野暮なんで以下省略。

    これが、全編、「あしながおじさんに向けてジュディが書く手紙」という形式になっています。
    一人称小説っていう形式ですね。

    シンデレラストーリー、と言ってしまえばそれまでよ、なんですが。
    ジュディが決して文部省特選なタイプの良い子ではない、というのがまあ、魅力ですね。(「文部省特選」という文句が既に昭和な香りですね)
    それも、ちょいとワルだったり、ということではなくて。
    孤児院出身という背景の中で、「哀れまれる不愉快さ」「慈善という行為が必然的に含む偽善」「孤児院という施設の特徴自体の不愉快さ」などなどを、炙り出しているところが面白い。
    (たまたま最近、松本大洋さんの孤児院モノ漫画、「SUNNY」を読んだので、なおの事。)
    そこの温度というか角度っていうのは、実は極めて、時代を超えて説得力のあるものでした。

    そして、まあ、「何を語っているか」ということよりも、「どう語っているか」というトコロの魅力が大きいですね。
    このお話を普通に三人称で描かれても、恐らくドッチラケ。
    一人称という、語り手の心理に寄り添う形。言ってみれば主人公の顔のアップで押していく話法。
    結局、恋愛物語っていうのはそういう手法が相性が良いのかも知れませんね。

    ただまあ、十代の男性のブンガク青年とかが読んでも、鼻でふんって感じでしょうね(笑)。
    でもねえ、映画で言えば、北野武もヨーロッパの名作も良いですが、「男はつらいよ」だって傑作なんですよねえ。
    そういうことで言って、けっこうわくわくして楽しい読書。薄いのも魅力ですね。

    しかし、くらもちふさこさんの、物語を描く人としての語り口の超絶的な上手さ。
    絵の好き嫌いは人によりますが、とにかくマンガという形式の中で、素敵に自由で奔放で。そして、直截ではなく、間接的なぶんだけ味わい深い。そういう語り口。そういう意味で言うと、とってもお洒落。
    これは本当に、すごいなあ、と思います。多くのその後のマンガに影響を与えている気がします。
    くらもちふさこさん研究会については、また別途。

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