虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)

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著者 : 作者未詳
制作 : 蜂飼 耳 
  • 光文社 (2015年9月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753184

虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  「源氏物語」の良さがわからない無粋な私ではありますが、この薄さで現代語ならば平安物も久しぶりだし…と手にしてみる。
     光源氏の女性に対してのだらしなさ(というか変態的身勝手)に我慢ならないのですが、この物語集に出てくる平安貴族の男君達も似たり寄ったりで、当時の常識であるとはいえ女君達の無力さにも歯痒さと哀れさを感じます。
     そんな中で「あたしは虫が好き(虫めづる姫君)」は現代に通じるハッキリとした意思ある一人の女性として姫君が感じられ一服の清涼剤のようでした。「花のごとき女たち(はなだの女御)」は吉屋信子さんの「花物語」を髣髴とさせる一編で興味深い。
     柔らかさを感じる訳と丁寧な解説や注訳、図版も入っていて古典に対するハードルを下げようという心意気を感じる良いシリーズ。

  • 「虫めづる姫君」を含む十編と断章からなります。
    かなり砕けた現代語訳で書かれており、読みやすくはあるが古典の雰囲気は消えているのが残念です。内容とは関係ありませんが挿絵が怖いです。
    表題の「虫めづる姫君」を読みたくて手に取りましたが、その他の話も笑い話もありしみじみする話もあり面白かったです。
    虫めづる姫君の考え方は確かに正しいかもしれませんが、親の庇護を受けている姫君の言葉だと思うと屁理屈にも聞こえます。

  • いつの時代も人は物語を求めるのだなと感じた。

    訳は読みやすく平易な文章だが詩情があり、古典への入り口に適していると思う。

  • 詩は古文で読まないとニュアンスが微妙

  • 今もありそうな人間模様。

    現代語で読めるって、いいよな、と思いつつ、時代の特徴とかは学んでいた方がよいわけで。有名なのは圧倒的に「あたしは虫が好き(虫めづる姫君)」ですが、他も結構面白いので、ぜひ多くの人に手に取ってもらいたい。

    「あたしは虫が好き(虫めづる姫君)」あれ、最後ってこんなto be continued...になっているんだっけ? ここからの物語を考えるとか、楽しそうだ。でも、姫君はよくあるお姫様になんか、なってほしくない。右馬佐は「あれ、なんであいつのことがあんなに気になるんだ……?」をやってほしいし、中将もいい感じのアシストキャラで、そんな続きを考えてしまう。

    「貝あわせ(貝あはせ)」女の子たちの無邪気な感じと、ニコニコしている少将がいい。競争相手の姫君が分かりやすい悪役すぎて、ああ、昔からこういうパターンはあるんだ、と。ここから何かに発展しても面白いし、きっと数年後に姫君が成長して、本編(?)が始まるのかもしれない、と思うと、わくわくする。

  • 2016年10月29日読了

  • 短編集なんだけど、どうして、なかなかおもしろかった。個性派の粒ぞろい。

    どの物語も情景を想像すると美しく、1つの話を覗いては、最後はどうなったんだか?という処終わりを迎え、結果をはっきりとは描いていないので、可愛そうな話も少しオブラートに包まれる優しい短編集。

    花桜折る中将
    月の光を朝日と勘違いして、女性の家を後にした中将。数寄屋を発見し、覗き見る。かわいらしい姫君を見染め、手引きを求めるが、心配した侍女の告げ口のため、姫の代わりに、年寄りの女性が部屋にいたのを間違えてさらってしまう。
    まぬけぶりが、ちょっと憎めない。

    このつゐで
    天皇の御渡りの頻度が最近下がっている女御さまとその兄、侍女たち、ちょっと切なかったり、しんみりきたりする話を春雨の中披露して楽しんでいる。そこへ、久々に帝がおいでになるシーンで終わり。

    虫めづる姫君
    現代でも十分、自分のしたいことを大切に思う女子には共感できる元祖マイペースガールの話。鉄漿は汚いから嫌だとしなかったり、蝶は愛でるのにその前の毛虫の状態を厭うのはおかしいとおもったり、いちいち納得するような理論が彼女の意見にはある。
    終わり方も面白く、彼女に興味を持った公達が覗きにくる。実際の姫は健康的で、それも悪くないのではないかと文を送るが、姫の返事がつれないので、最終的にはバカにしたような文が送られてくる。しかし、この後、続きは第二章にあるはずです。この結末はどうなったんでしょうね?という優しい終わり方をしている。

    ほどほどの懸想
    これは、意外に深い。ある恵まれない境遇の姫と思いを通じ合うようになった頭の中将。でも、うまくいたらいったで、自分を頼りにする姫に対して、自分の心が永遠と約束できないのではないだろうかなど、人の心や行動の頼りなさに思いをはせ始める。

    逢坂越えぬ権中納言
    これは、平安時代の恋愛のイメージからは少し異なる純粋な話。ずっと思いをかけている姫がいる中納言。容姿端麗で、たいていの恋はうまくいく。しかし、彼女は返事にはなしのつぶて。とうとう、姫君の家を訪れ、さらには侍女の隙をついて姫君の部屋にまで入り込むが、何を無理強いするでもなく、そのまま朝までそばで過ごす。

    貝あはせ
    正妻の娘から、貝あわせを挑まれる側室の娘。貝を探して奔走してくれる見方は弟のみ。それを覗き見た蔵人の少将がこっそり貝あはせを贈り、それに喜ぶ彼女達を覗き見るほんわかした話。

    思わぬ方にとまりする少将
    これ、唯一えぐい。手紙などの行き違いで、姉妹とその恋人が入れ替わって一夜を過ごしてしまう物語。姉妹が可愛そうだし、こういう生々しさは好かないな。

    はなだの女御
    実際にプレイボーイが忍び込んだ屋敷で聞いた話らしいとの書きだし。侍女たちが自らの仕える女主人を頓知や愛情を利かせ、花にたとえる華やかな話。

    はいずみ
    若く、新しい女性と関係を結んでしまった男。あれよあれよといううちに、その彼女や家族に押し切られ、他に身よりもほとんどない糟糠の妻を追い出してしまう。恨みごと一つ言わず立ち去る妻を、やはり手放せないと思いなおした男は、新しい女性の下に断りをいれにやっていく。あわてた彼女は暗闇で、おしろいの代わりに灰を塗ってしまい、その不気味さに男は去ってしまう。
    また、他の話と同じで、結論が書かれていない。

    よしなしごと
    ある僧侶の妻となった女に、贅沢をさせすぎないように?などと釘を刺す師匠からの手紙。ユーモラスに、責めることなく反省を促す。

    断章
    1ページにも満たない量の文章が綴られ、文の途中で終了している。

  • 2015年11月23日購入。

  • 訳がライト過ぎて、あまり平安朝の雰囲気が楽しめなかった。ジュニア向けかな? 

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