カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)

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著者 : ワイルド
制作 : 南條 竹則 
  • 光文社 (2015年11月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753214

カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  この頃のイギリス文学を読むと、人々は友情と愛情に厚く、人がちょっと怪我したり、何か事件が起こると、次々と人は「うあああああ」と号泣しぶっ倒れる印象がある。愛について語る時も、キラッキラしている。表現が全身で行われていると思う。
     アーサー・サヴィル卿の犯罪は、皮肉が聞いたホラー。手相で大騒ぎしている恋人や婦人達を馬鹿にしたように見ていたものの、いざ主人公は手相で恐ろしい予言をされる。その予言を、恋人にしてしまうことを避けるために完全犯罪を行うのだが、とうとうどうしようもなくなる。すると、手相の男がちょうど橋のところにいたので突き落とす。これでほっとしていると、このまえきゃーきゃー手相で大騒ぎしていた女たちが「あなた本当にそんなこと信じていたの? ばかじゃねーの」といって笑う。主人公は強がってかマジなのか「ええ、手相を信じたおかげでこんなハッピーエンドを得られたのですから」と言って終わり。
     カンタヴィルの幽霊も、イギリスの幽霊VSアメリカの一家で、ギャグが面白い。歴戦の幽霊もアメリカ一家の前ではまるで敵わない。でも、娘がいなくなることでアメリカの一家が焦燥してしまう場面もちゃんと書かれていて、物語としてとても良い。そしてこれも実にハッピーエンド。あと、イギリス貴族への皮肉に容赦がない。
     もっとも文学的で哀愁があったのが、秘密のないスフィンクス。名短編だと思う。謎でありたい女の、誰もいない部屋で主人公となること。素晴らしい。
     模範的億万長者はタイトルのまんまだが、これもほっこりするハッピーエンドだ。
     ワイルドの短編は、幸福な王子のときもそうだけれども、なんだか泣けて、そして幸せで、暖かい。なんていいお兄さんなんだ!と思えるのが作品から出てきている。
     ただ、秘密のないスフィンクスだけは、何か、妙なリアルというか、作者自身の影を感じさせるような、寂しいものがあった。そして、とても良かった。

  • ワイルドの小説、詩と彼の友人であったエイダ・レヴァーソンの作品を収めた本。
    過去数百年、館に滞在するイギリス人を怖がらせてきた幽霊が館を買ったアメリカ人一家には相手にされずに苦戦する滑稽な表題作『カンタヴィルの幽霊』が面白かったです。お国柄の違いでしょうか、現実的なアメリカ人相手に頑張り甲斐の無い幽霊が段々と哀れに思えてきます。
    後半のエイダの作品群内の醜聞当時のワイルドの姿が書かれた『回想』は当時身近にいた人物の評として彼をリアルに感じることができました。

  • 東雅夫氏がブログにて映画『クリムゾン・ピーク』を観る前に「カンタヴィルの幽霊」を読んでおくと吉と書かれていたので手に取りましたが、これがものすごく個人的にはアタリ本でした。表題作はもちろんのこと、ワイルドの友人であるエイダ・レヴァーソンの回想や作品も付録で載っており、これもまたかなり惹きこまれ、こんな本を出された南條竹則氏と光文社はホントすごいです!「スフィンクス」については、まだまだ知識の足らない私には難解でしたが、また時期を置いて読み直してみたいと思います。

  • オスカー・ワイルドらしいちょっと怖いショートストーリー。
    表題作は、ちょっとユーモラスで悲哀を感じる幽霊。
    良いですね!!

  • ほんと面白い、爆笑幽霊譚

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