- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334761349
感想・レビュー・書評
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カドフェル・シリーズ、第6作です。
今回は傷ついた修道士の治療のために、ブロムフィールドを訪れたカドフェルが、失踪した姉弟の探索、氷の中で死んでいた若い女性の発見、近隣の農園を襲う無法者たちの退治に関わることになるお話でした。
今回は推理色は薄くて、アクションがメインでしたが、最後にはカドフェル自身に関わるある出来事も明らかになり、最後まで楽しく読むことができました。 -
我儘で向こう見ずな領主の娘が引っ掻き回したのに、命を落としたのは善良な修道女という理不尽さ
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戦争が激しくなってきたさなかに起きた事件は、もはや定番とも言えるカドフェルと若者たちの関わりを軸としているが、今回は「おやおや、こんな人物が…!」と思わずうほっと叫んでしまった(笑)。事件の真相にはやや無理を感じなくはなかったが、輝かしい未来を感じさせる若さが眩しい1冊だった。
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わがまま娘にちょっとむっと来たけれど、さわやかでエキゾティックな騎士の登場でチャラにしましょう。それにしても中世イングランドの冬は寒い!
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修道士カドフェル・シリーズ6冊目
中盤からの怒涛の展開にハラハラでした。
ラストはカドフェルに嬉しいサプライズがありましたね。 -
犯人はカナリ後までわからなかった。被害者と全然繋がりがなかったから、意外な犯人というやつ。このお話、タイトルが先に出来たんじゃないかな…? 場面としてはドラマチックで美しいけれど、なにも氷漬けにする意味はない(その辺に放っときゃいい)。このシリーズに慣れてきてたら、修道女が話題に上った時点でそういうことか、ってピンとこなくちゃいけないな。私はこなかったけど(笑)。修道士というのは、案外探偵役に相応しいのだなと思った。彼らは(原則的には)正直で、誠実で、ひとを騙さず私利私欲に走らない。なにより重要なのは、人々は修道士を信用して何でも話す。『名探偵コナン』観てると、初対面の小学生に大の大人が深刻な打ち明け話していて、すごく不自然なんだけど、相手が修道士様ならアリってカンジがするもんね。中世欧州人のメンタリティはわかんないけどさ。(2009-07-31L)
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庶民が生き生きと躍動する中世ばかりではない。戦いに明け暮れ、人々が苦しみ、惑う中世がここにはある。そして、カドフェルの心も、ある人物の出現により、今までにない動揺と喜びとで揺れに揺れる。
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第6作では、小康状態を得ていた王権争いが激しくなる予兆を見せ、女帝による攻撃が始まります。
その戦中で貴族の姉弟が修道女と伴に行方不明になり、カドフェルは捜索にでるのですが、弟を保護した帰途、凍りついた川で陵辱された少女の遺体を発見します。彼女は消えた姉か?そのころ、地域には夜盗団が出没し、あちこちで農家が襲われ焼き払われます。彼女を殺したのは、夜盗団か?
やがて夜盗団の隠れ家を発見したカドフェルは執行副長官とともに、そこを攻撃する・・・・
この作品でも又、隠された愛の形見が、事件の解決に大きく働きます。
随所に、戦いの中にあった自分や、かつての恋人たちを回想するカドフェルは、その過去ゆえに、若い恋人たちの成長を気長く待つすべを知っています。
5作目では、恋人のために自分を犠牲にしようとする少女が、6作目では、我侭で勝気な貴族の娘が、それぞれ試練の中で成長し、愛を勝ち得るのです。
そして、また、描かれている大人の女たちも又大変魅力的。