四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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制作 : 日暮 雅通 
  • 光文社 (2007年1月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761776

四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • シャーロック・ホームズの第2作。
    好みの、「光文社の新訳」で。
    翻訳は面白いし、中身も気軽に楽しめました。

    お話のあらすじは。

    事件は依頼人が持ち込みます。とある若い美女。
    その人の父親(だったかな?叔父だったか?)に異変が、と。
    で、ホームズとワトソンが訪れると、当然ながらそこには死体が。さあ始まります。
    謎の「四つの署名」(というか、印?)が現場に。わくわくしますねえ。
    様々な証拠から、ホームズの名推理。義足の男というキーワード。
    根本には、殺された男の父がかつてインドから持ち帰った、謎の宝物。文字通り、宝石王冠の類。
    それが盗まれている。
    どうやら過去が、その父という人のインド時代の何か。恨みか。

    現場の痕跡から、犯人は船で逃げるようだ。
    ホームズが捜索して、船を突き止める。警察の船で張り込み、そして追跡劇。
    この川の追跡劇が、原文なのか翻訳なのか、なかなか活き活きと描写。どうせ追いつくと分かっていても手に汗、の感。お見事。
    で、追いついて、逮捕。

    「緋色の研究」と一緒で、ここから最終章は、犯人の告白。
    インド時代に、その例の死んだ男に騙された。自分のものだった財宝奪われた。
    この辺、セポイの反乱が背景。なかなか社会派。混乱と戦争の時代、人が死んで価値観が混乱した戦乱状態がちゃんと描かれている。

    で、ワトソンは、依頼者の美女と恋愛、告白、結婚宣言。

    というお話です。短いし。面白かった。

    「緋色の研究」と共通してて、へえええ、と思ったことがいくつか。

    ①面白いのは、金田一シリーズもそうだけど、殺人というおどろどろしいムードはまずちゃんと描けていて、それだけで多少面白い。
    ②金田一シリーズもそうだけど、どれだけおどろおどろになっても、主人公のホームズが超越している感じなので、読後感としては爽やか。
    ③金田一もそうだけど、本筋の殺意や恐怖と無関係に、主人公の性格や癖、が興味深く感じられるように書かれている。ソコと本筋とは無関係な分だけ、②の特徴になる。
    ④どっちも、犯人は、「悪人」じゃない。アメリカやインドといった、当時の第三世界での経験、恨み、がベースにある。だから、ある意味殺意は正当だったりする。勧善懲悪じゃない。
    ⑤その殺意の背景が興味深いドラマ。イギリスの植民地支配が背景にあったり、結構社会派。別にイギリスを否定もしてないけど、肯定もしてない。ただ、現実世界の裏側というか、ヒトの業というか、そういうのを感じさせるんですね。割にブンガクっていうか、人間を描いている。
    ⑥もともと、ホームズ自体が正義の味方じゃないのがいちばんトンガッテて面白いんですよね。彼はただ、ヒマで能力を持て余しているから、犯罪を解決するのが、子供がおもちゃをいじるように好きなだけなんですよね。

    ※ちなみに本文中の金田一シリーズっていうのは、実は読んだことは一冊もなくて、全部市川崑/石坂浩二シリーズの映画の印象です。

    この「四つの署名」は、やっぱりワトソンさんが、コンビとしての存在感を強く出してきたお話、という意味も大きいですね。

    このシリーズ、この翻訳なら、ストレスなく読めて楽しめます。
    ゆるゆる、息抜き楽しみに読んでいこうと思います。

  • この作品は1890年に書かれたようである。
    つまり、著者コナン・ドイル、31歳位の時の作品になる。

    175ページにセポイの反乱が出てきたので、確認しておく。

    セポイの反乱は、1857~59年。
    コナン・ドイルは、1859年生まれなので、セポイの反乱が収束した頃に生まれたことになる。

  • ワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
    「ロマンチックが過ぎる」
    ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!

    エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?

    ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
    ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。

    細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
    「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
    とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!

    シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもんね~。その地位も、うらやましい。

    ちなみにそんな「論争テーマのひとつ」に、なっていたのは、ワトスンが負傷したのは肩なのか脚なのかとかホームズが振る舞った料理はどんなやったかとか!

    あと、終盤でモースタン嬢との恋愛について報告したワトスンに対してのホームズの回答が

    「ぅわああお!」

    と、にやつく骨頂のものやったんやけど、何やろうホームズとワトスンって仲良しやねんな!?

    (今更?)

    そこに注釈はなかったけれど(笑。ないのか!)そのぶん解説で掘り下げられていた。
    「(ホームズとワトスンに)恋愛関係的なものをくみとる人もいるようですが」
    と、いいきってた!

    (逆説で終わっているとおり、恋愛関係的なものは皆無っちゅう解説なんやけどね)


    イヤイヤイヤもう、ホームズどんなけツンデレやねんっちゅう話でした。

    こういう目線で読んだらあかんし、読むシリーズではないのはわかってるつもりやねんけど、そこはそれ・・・。
    いきなり前触れもなく放り込まれたからね・・・。
    なんちゅうか、腐ィルターっていうの? 昔でいうところのBLスイッチね、そういうのがオンにもオフにもなってなかった(どういう状態よ)もので、余計びっくりしたわ・・・。


    まあそんな調子で、ホームズは事件そっちのけでツンデレる、ワトスンは事件そっちのけでモースタン嬢にデレる、と、意外とデレデレな話で御座いました・・・。

    (絶対違う)


    話はもちろん面白かった。
    財宝を手にする権利がある、と、いうところからここまで過去を掘り下げていくとは・・・。
    そら、ロマンチックな色付けもしたくなるで、ただの猟奇的な殺人でもないんやもの。
    (だからって犯罪を犯していいわけではないけど)

    財宝かー・・・。しかもその秘密を共有することを誓った四人のサインなあ・・・。
    そら、その四人から裏切者が出て、その制裁を加えて、ちゅうようなわかりやすい筋を、当時の社会情勢も盛り込んだお話になってるんやもの。

    面白かった。

    謎解きものやけど、なかなかバックグラウンドが深いよなあ。それが、ホームズの味なんかな。
    そう考えると講談社系の謎解きものって、系統はホームズものに似てるかも・・・。やっぱり、謎解き小説のパイオニアなんやなあ。

    あと、前回同様、犯人が真相を語るときには水が必要不可欠なのかと思った。
    イギリスって乾燥しやすいんかしら? ああそういう感じかな?

    (2016.10.29)

  • ページ数も短いのでだいぶ楽に読むことができた。
    シャーロックホームズの名推理に脱帽!

  • 時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。

  •  今回はいわゆる密室殺人もの。手がかりは出されているが、それだけで読者も推理できるのだろうか。私は全然見当もつかないので、読み進めるだけだったのだが。「緋色の研究」と同様に、事件の背景も練りこまれていて、前半と後半で違った楽しみが味わえる。
     「シャーロック・ホームズの冒険」から読んでいたのでワトスンのロマンスの結末は予想できたが、めでたしでよかった。あの展開から当時の恋愛、結婚事情などが窺える。

  • タイトルから密室殺人だとかを連想したけど、そういうイメージではなかった。
    この時代や場所といった文化圏のことをあまり理解していないのでピンと来ないんだが、ロンドンあまりに狭すぎるし人気すぎやしないか。
    まぁ物語なんて得てしてそんなものか。

    あまり面白いとは思えず。やっぱりヒューマンドラマ。

  • この本は読みやすいし短いので、感想も短めに。
    「裏切りは怖いね」

  • シャーロック・ホームズなどのキャラクターに重点を置いていない自分にとって、全体を通して壮大なストーリーだった第一作ほどは楽しめなかった。

  • ホームズ・シリーズ第2作です。新訳なので、とっても読みやすかったです。
    今回は、ホームズとワトソンがメアリ・モースタン嬢から持ち込まれた不思議な贈り物の謎に挑みます。その過程で2人は、さらなる事件に遭遇することになるのでした。
    事件の最後に、ワトソンが宝を得るのが印象的な作品ですね。

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