バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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制作 : Arthur Conan Doyle  日暮 雅通 
  • 光文社 (2007年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761806

バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • シャーロック・ホームズ・シリーズは、光文社の新訳文庫版で言うと、コナン・ドイルさんの執筆順に並べると以下のようになります。
    ①緋色の研究(長編)
    ②四つの署名(長編)
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)
    ④シャーロック・ホームズの回想(短編集)
    ⑤バスカヴィル家の犬(長編)
    ⑥シャーロック・ホームズの帰還(短編集)
    ⑦恐怖の谷(長編)
    ⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)
    ⑨シャーロック・ホームズの事件簿(短編集)

    で、これは⑤。
    光文社新訳シリーズは、もともと盲信してる上に、ホームズ・シリーズの面白さに開眼してしまいました。多分、このまま全て制覇すると思われます。

    さて、シャーロック・ホームズ・シリーズは、もう、ルパン三世みたいなもの、と思います。ホームズとワトソンのキャラクター、まあ特にホームズですが、で楽しめちゃいます。別に卑下ではなく、ヒーローモノなんで。まあ、それが乱暴すぎるとすれば、加えて、結構ダークで無秩序な、犯人たちの欲望の世界だとか。1900年前後のロンドン、イングランドの風俗的描写だとか。ホームズが最後に全てを持っていく前提で、お決まりでも難事件感を盛り上げる娯楽的な構成とか。あと、何より、一応は正義の味方だけど、人情派ではないし、どこか、虚無的でドライで、全くニンゲン的にブれず、ある種、即物的な主人公の在り方ですね。これは、ほとんどゴルゴ13みたいなものです。また、ブラック・ジャック的ですね。
     手塚治虫さんは、三つ目がとおる、でもっとわかりやすくホームズシリーズを取り込んでますけど。でもブラック・ジャックとピノコ、も、ホームズとワトソンなんですね。
    (ちなみに、短編のほうが多いこととか、ヒーローが解決できなかった挿話も多い事。そういうのも、ホームズとブラック・ジャックの共通点です。
     さすが手塚治虫さん、とも言えるし、シャーロック・ホームズ・シリーズが、いかに物語を娯楽的に語るか、ミステリーや探偵モノの黄金率を作ってしまったスゴイ作品、とも言えますね)

     バスカヴィル家の犬。再読です。
    以下、ネタバレします。



     お話のタネは、金持ちの遺産目的の殺人事件。
     イングランドの田舎町の、魔の犬の伝説に便乗して、燐で恐怖演出した獰猛な犬で人殺しをする。それが、動機も手口も犯人も、かなり後半まで隠して進みます。
     毎度おなじみ植民地帰りの金持ち。
    怪しい兄妹が実は夫婦だったり。
    偶然絡む別線の事件。
    殺人犯の逃亡者、が実は弟。匿う姉。

     いろいろありまして豊穣なミステリーですが、何と言っても舞台となる地域の描写が白眉ですね。 ブロンテの「嵐が丘」そのものみたいな、田舎の荒野ですね。沼や林。映画「007スカイフォール」を観た人は、あれを想像するといいですね。

     その風景描写が恐怖演出とか、不安なワトソンの心理描写になります。面白いです。

     また、今回シリーズを通読してみて、ドイルさんなんか、新訳なのか、冒険活劇アクション部分の描写も、上手いんですよね。エンターテイメントとしても、客は全員、ホームズとワトソンが死ぬことはない、勝つに決まってる、と、分かっていても、手に汗握らせちゃう。ここんとこ、力量というか、解ってるなあ、と思います。

     ホームズでいちばん、金田一耕助っぽい話だと思いますね。もちろん、横溝正史さんは、ゼッタイにホームズ・シリーズは意識してると思うので、母胎という意味でもホームズ・シリーズは計り知れない価値と影響力があるんですね。

     考えたら、シャーロキアンとかベイカー街クラブみたいなお遊びも、つまりはオタクや非リア充(言葉の使い方有ってるか不安ですが)な楽しみの原型ですよね。
     資本主義、都会のアノミー、救いきれない主人公、田舎町の恐怖。キャラ魅力に細部の楽しみ方。。。
     いや、ほんと、奥の深い楽しみ方ができますねえ。ゼッタイこれ、子供向きじゃないですね。大人向け、それも多分、基本は男性向けかなあ。。。いや、ホームズをイケメンと考えて、ワトソンとの擬似ボーイズラブと考えれば、女性も楽しめるのか?ただ、主役は一切、ラブしないからなあ。。。
     でも、見方によっては、シャーロック・ホームズ・シリーズの延長線上に、確実に池井戸潤さんも、「半沢直樹」も、あるんですよね。


     電子書籍、スマートフォンで読了。合間で読めるから便利でしたが、唯一、ちょっと寂しかったのは、電子書籍だと、挿絵は見れないんですね。。。

  • この作品は、1901年に発表。
    即ち、著者が42歳の頃に書かれた作品である。

  • 最も有名であるという一冊を読破。面白かったw

  •  シャーロック・ホームズシリーズ制覇への一歩。長編に分類されるが、起承転結はすっきりしていて読みやすかった。途中ホームズが登場しなくなるが、意外な形で捜査をしており、最後の解決は流石。ムアというクローズドサークルの先駆けのような舞台装置も面白い。

  • ここに来てホームズ作品を面白いと思った。
    今までのレビューでも書いているが、どうもドラマ的で説得力に欠ける傾向があったが、この作品はそこら辺のバランスが良かった。

    と思ったら純粋にドイルの作品という訳でもないらしく、ホームズを捨てたドイルが友人の作品を出版社に仲介したときにその作品をホームズシリーズでリメイクすることになったとか。
    なのでもしかしたらかなりの部分が他の人の作品で、そりゃ雰囲気が違うのも当然か。

    解説によるとここから先少し雰囲気が変わるらしく、次巻以降に期待。

  • 小学生以来のシャーロックホームズ、とっても楽しめました。

  • ホームズの長編三作目。
    『緋色の研究』『四つの署名』も好きですが、長編ではこれが一番面白く読めました。
    冒険色が強くなってハラハラ感が増し、登場人物も以前より多く謎も多かった気がします。

    ワトスンが一人で調査すると聞いていたので、ホームズがいなくても楽しめるのかな…と不安でしたがスラスラ読めました。
    お互いにお互いを信頼してる姿が良かったです。
    ホームズに褒められて嬉しくなるワトスンがなんだか可愛らしい。

    巻末に島田氏のエッセイが載ってたことにびっくり。
    相変わらずホームズへの皮肉もありながらやっぱり好きなんだなぁという感じがしました。


    次は『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』読もう。

  • 長編の三作目。
    たしか前読んだときは途中で断念した記憶がある。
    とはいえ、読みやすい新訳、ホームズシリーズを読むと決めた意志、久しぶりの長編と燃料はたくさんあった。

    今回の舞台はダートムア、そこで語られているバスカヴィル家の魔犬伝説。ホームズとワトスンはその謎に挑む!
    こういう設定が好きだからとても楽しく読むことができた。

    ワトソン君の成長が著しい!!
    伊達にホームズと長い間一緒にいるわけではないのだ。

    次は短編集だが、燃料が多すぎて燃え尽きてしまったのでほかの小説に手を出すかも。

  • 文句無しに面白かった!!!
    あっという間に読み終わった。

  • 軽いこの長編は、好きです。と言うと、なぜか、ホームズファンからは怒られることも多いですが。
    今は、「四つの署名」が1番なんですが、昔は、コレが1番好きでした。

    ドキドキするじゃないですか。
    映画化するなら、絶対このエピソードだと思いません?

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バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)の作品紹介

急死したサー・チャールズ・バスカヴィルの死体のそばには、巨大な犬の足跡があった。ダートムアのバスカヴィル家に伝わる魔犬伝説は、ほんとうなのか?遺産相続人サー・ヘンリーの依頼で、ホームズは捜査を開始する。はたして、先に現地に乗りこんだワトスンを待ち受けていたものは?これまで何度も映画化された、最も有名で人気のある長編。

バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)のKindle版

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