恐怖の谷 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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制作 : 日暮 雅通 
  • 光文社 (2008年1月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334761844

恐怖の谷 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ドイル自身の正典、60話のシャーロック・ホームズ・シリーズのうち、4つしか書かれなかった長編。
    その長編の中で最後の作品となったのが、今作『恐怖の谷』です。

    今回は、(いや、今回も、だけど。)すごく、すごく面白かった。

    前半のホームズの推理が活躍する、第1部の最後のどんでん返しは、
    現代のミステリーをいろいろと読んでいると、ほんのり予想できなくもなかったかな。
    なんとなく、それに気づく仄めかしがあったおかげだと思うけど…。
    でも、現在多様されてる、「あのトリック」は、100年以上前から使われていたとは…

    そして、第2部。
    これには驚かされました。
    ある秘密結社をとりまく騒動が、まさかあんな結末でピリオドを打つことになるなんて…
    作者のドイル自身、読者を驚かせる自信があったみたいだけれど、
    完全に、いい意味での不意打ちを喰らいました…

    そして、この話に出てくる秘密結社と若き探偵に、実在のモデルがいたことにもびっくりです。

    この若き探偵エドワーズが、めちゃめちゃかっこいい。

  • これでようやく終了。長かったホームズモノもここでやっと終わるのか。

  • 事件の推理は全編で終わり、後半は事件の背景が紹介される。しかし、この後半にも大きな推理要素があるところがさすがといったところ。

  • ホームズ最後の長編らしい。
    前後半で結構はっきり分かれていて、前半で今の事件は終わり。後半は背景となる過去の話。

    前半の事件は取り立ててセンセーショナルという感じで演出していないが、後半の伏線にもなっていて、種別的にも近代のミステリっぽさがあって今までと毛色が違う感じ。

  • 映画「ダークナイト」。その面白さがココにはあります。
    1917年にイギリスで書かれた小説に、これだけ面白いと思えるのは、読書の快楽そのものですね。

    シャーロック・ホームズ・シリーズは、僕が読んでいる光文社の新訳シリーズに則って言いますと。

    ①緋色の研究(長編)-1887
    ②四つの署名(長編)-1890
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
    ④シャーロック・ホームズの回想(短編集)-1894
    ⑤パスカヴィル家の犬(長編)-1902
    ⑥シャーロック・ホームズの生還(短編集)-1905
    ⑦恐怖の谷(長編)-1915
    ⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)-1917
    ⑨シャーロック・ホームズの事件簿(短編集)-1927

    という計9冊の本になります。
    振り返ると、2013年の3月から、もう2年近くに渡って①~⑥まで愉しみました。
    そして、⑦を飛ばして⑧まで読んじゃって、この度、無事⑦を読みました。

    相変わらず、やはり面白い。
    というか、実は地味ながら「恐怖の谷」、かなり面白いのでは?
    ディクスン・カーという推理小説家さんは、高く評価しているそうですね。

    なんというか、実に無駄がない。
    事件と感情と謎。無駄な装飾が少ない、研ぎ澄まされた、ハードボイルドとまで言って良い気がしました。

    お話は、「緋色の研究」「四つの署名」の構成と似ています。
    前半は、いつものワトソン一人称で、現在形で事件が語られますが、動機の部分で謎が残ります。
    それが後半で、一気に昔話として怒涛に語られる。なので、後半、ホームズは出ないんです(笑)。

    イギリスの地方で起こった謎めいたおどろおどろしい殺人事件。
    (ところでこういう郊外な雰囲気のホームズものって、実に金田一耕助に影響を与えていると思いますね)
    密室殺人に見えた事件は、実は、死んだと思われた中年男は生きていた。その中年男を殺しに来た殺し屋が殺されたんですね。
    さて、どうして殺し屋が来たのか。それが後半。

    舞台はアメリカ。中年男が若かった頃…。
    とある峡谷の炭鉱町。そこは、地元の結社が組織暴力団化して、暴力と暗殺で街を支配しているんですね。
    その、田舎町の絶望的な「恐怖の谷」な感じの描写が実に生々しくて、力強い。
    そして、その恐怖の谷の暴力組織を、ある男が1人で瓦解させていく。
    その男は、その街で可憐な娘と恋愛もしてしまう。逃げ延びれるのか。
    その成り行きとスリル、どんでん返しも含めて実になんというか、ハッキリ輪郭が描けています。(これは、実話に基づいているのが理由らしいですね)

    …でも、最終的に恐怖の暴力の手は、やっぱり衰えないんですね。
    その世界観すら、実に21世紀の日本にも通じるものがあります。
    そういうダークな世界観があるから、面白い。歯ごたえがあります。
    なんだけど、それだけだと、後味が良くない。食べにくい。そこで、全体をホームズとワトソンという、ほんわかした安定した勧善懲悪感がパイ包みしているんですね。
    この作り、実に豊穣、実に愉しい読書でした。
    …と、つまり、これは映画「ダークナイト」の世界観なんだよなあ…って。
    ホームズ恐るべし。
    どれだけエンターテイメントな小説世界の根源を作り上げちゃってんだろう…。

    さあ、あと一冊。
    すぐ読むか…ゆっくり読むか…。愉しみです。

  • 最後の長編。
    個人的には長編ではやはり『バスカヴィル家の犬』が一番好きでしたが、こちらもなかなか面白かったです。

    一部ではホームズが事件の謎を解き、二部では過去『恐怖の谷』で何が起きたのかが書かれている。
    二部ではホームズが全く出てこないが、ハラハラするハードボイルド的な展開とどんでん返しのミステリ要素もあってこれはこれで面白い。
    それにしても本当に恐ろしくて嫌な谷だ。

    最後は少し切ないですが、モリアーティ教授の恐ろしさがわかるようになってていいですね。
    これを読んでからまたライヘンバッハを読んでみたい。

  • シャーロックホームズは出てこないけど、面白かった。
    最後までどんでん返し!そうだったのかー!!って。

  • 『ホームズシリーズ』の長編の四作目であり、最後の長編でもある。これも今までの長編と同じように二部構成になっている。
    前半はこれまでと同じように、ホームズが主役で密室殺人を扱っているのだが、後半の部では実際にあった事件をモデルにしており、ホームズとは別の探偵が活躍する。

    『回想』で突然現れた「モリアーティ教授」に対する因縁もきっちり書かれており「モリアーティ教授」の恐ろしさが伝わってくる。
    個人的には、後半の部が今までの『ホームズ物』とテイストが完全に違っていて(推理というよりハードボイルド的)、すごく熱中して読めた。

    次はいよいよ最後の短編、『事件簿』を読む。

  • 鉄アレイの存在と、その意義。日常でも、思い込みから視野を狭め、人の意見や大事な情報から目を背けていることがあるなと反省。

  • シャーロック・ホームズシリーズ最後の長編。
    他の長編もそうであるように二部構成で、第一部は暗号解読にはじまり、密室殺人事件の捜査といかにもミステリっぽい。
    第二部は舞台をアメリカに移して、殺人事件の原因となった犯罪組織が巣食う“恐怖の谷”の話。
    第二部の舞台がアメリカで第一部の事件のいきさつが語られる点では『緋色の研究』と同じだけれど、第一部のラストのどんでん返しに負けぬ意外な結末が、第二部にも用意されている。

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