花束に謎のリボン (光文社文庫 ま 12-5)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 272
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334763633

作品紹介・あらすじ

私、桜井智花が働く花屋には、時々不思議なお客様がやってきます。渋い色合いの花束にまるでそぐわない派手なリボンを選ぶ男性。アマリリスの歌の歌詞をたずねにきた男の子…。そんな小さな謎を一緒に暮らす小説家の嘉信さんに話すと、彼は意外な推理を語り始めるのです。それが、素直にうなずけない話ばかりで-。ほろ苦くて、でも温かい、連作恋愛ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • カテゴリとしては≪日常の謎≫になるのかもしれないけれど
    謎というほどの謎じゃないし、解決するものもしないものもあるし。
    (巻末の解説によると、解決しないのもまた作者の意図であるようだが)
    ただ、謎そのものも、それにまつわる話も、そして主要人物であるはずの男女二人にも、どれひとつとして魅力を感じなかった。

  • 謎解きというより想像か妄想に近いけど、そんな話をしながらの微妙な心の交錯が儚げに描かれる。その機微はあまりに繊細で、きっと素直 (あるいは純真) な気持ちになって読まないと、折角のフィナーレが台無しになってしまうと思う。

  • 智花が働く花屋に来るお客の謎を「一緒に暮らす小説家の嘉信さんに話すと、彼は意外な推理を語り始めるのです。それが、素直にうなずけない話ばかりで-。ほろ苦くて、でも温かい、連作恋愛ミステリー」って、推理というより勝手な作り話ばかりで全く納得できる部分がなかったんですけど?
    「大人になって花屋になりたいという子は体育が苦手で引っ込み思案」「そういう子は思い込みが強く根に持つタイプ」とか、よくまあそんなに決めつけられるな。
    智花と嘉信が魅力的なキャラクターだったらまだ我慢できたけど、嘉信なんてネガティブなことしか言わない。
    どこがほろ苦くて温かいのが教えてもらいたいです。

  • 嘉信さんが語る謎に対するネガティブな推理と、
    嘉信さんの語らない幼い頃に起因するであろう歪んだ理由。
    ラストシーンを含めて語らない、想像させる余韻があった。
    最初は楽しくネガティブな推理に付き合っている智花の心の変化、その変化に伴う嘉信さんの思考が面白かった。
    嘉信さんがかっこよかった。

  • 同棲している花屋の店員の女性と小説家の男性。
    女性が出会う日常の謎に男性が色々推理をめぐらすものの、その内容は結構ネガティブなもの。
    積極的に真相を探るわけではないので、たまたま真相がわかる場合もあれば、真相は謎のままに終わることもあります。
    女性側の言うとおり、男性の推理がいつもネガティブなのでちょっとうんざりするかも。
    ハートブレイクレストランの作家なので期待したんだけど、ちょっとなぁ。。。

  • てぃーぬオススメ本
    時間をかけて、ようやく読み終えました。
    ちゃんと読んでみると、一緒に暮らしてある程度経った男女ならこんな感じもありそうかなと思いました。
    後半にちょこっと出てくる轟さんが思いの外良いことを言うなあと言う感じ。
    ふわふわとしつつ、最後はほっこりしたかな?

  • 日常で起こる少し不自然なできごとから妄想を膨らませて会話を楽しんでいる1組のカップルの会話が楽しい。できごとが解決したり、妄想のままで終わったり、、というのがリアルな感じでよかった。

  • 街中で見かけた不思議なことを作家の彼が推理します。
    いろいろ推理しますが、実は正解がわかりません。
    ちょっと見かけただけの出来事のその後が
    わかることの方が少ないとは思うけど、
    正解がわからないままなのは若干もやもやします。

  • 花屋に勤める彼女が小説家の彼氏に今日の気になる出来事を話し、その真相を推理する日常系ミステリ
    ただ、通常の日常系ミステリとも違って、その推理が正しいかどうかは不明

    う~ん、何とも消化不良な小説だなぁ
    推理の妥当性がどうも怪しい
    「確かに!」と思える証拠もないし、推論に推論を重ねてるのでどうも納得できないんだよなぁ

    あと、彼女も気にしているように、人の悪意の推理してるのは気分のよいものではないよね
    それと、その悪意だけど、そもそも花を贈ろうとしている時点で悪意を持ってる人ってかなり確率が低くなると思うし
    そもそも、花に意味を込めるとかって今どきの人はあまりやらないんじゃないかなぁ~と

    ま、いいけどね

  • 花屋で働く女性と、そこそこの小説家との謎と空想のやりとりの恋愛小説。書評で、ビタースイートと記載があったが、まさにそんな感じ。

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著者プロフィール

一九六〇年、石川県生まれ。会社勤務を経て作家になる。八九年『異次元カフェテラス』を刊行。九一年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選。主な著書に「ニャン氏の事件簿」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『九月の恋と出会うまで』『嵐の湯へようこそ!』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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