- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334764043
作品紹介・あらすじ
「妃」と呼ばれ、若い男たちに囲まれ暮らしていた魅惑的な女性・妃沙子には、不幸な事件がつきまとった。友人の夫が車ごと海に転落、取り巻きの一人は射殺された。妃沙子が所有する、三つの願いをかなえてくれる猿の手は、厄災をももたらすという。事件は祈りを捧げた報いなのだろうか。哀歌の調べに乗せ、臨床犯罪学者・火村英生が背後に渦巻く「欲望」をあぶり出す。
感想・レビュー・書評
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連作中編2作品収録
ふたつの事件ともトリックが凝ってるなと感じました
謎解きとしては難しいなと感じて読んでました
火村英生、有栖川有栖の説明で事件の謎は理解できました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同じ人物が登場する2つの中編作。
もちろんひとつずつでも読めるように独立した推理物として書かれている。
一作目はとても計画的な犯行で火村先生もなかなか糸口が見つからない程苦戦していた。
いつも迷推理のアリスが意外なヒントをもたらしてくれて無事解決!
だけどなかなか歯痒い結末でもあった。
二作目はコマチさんが初登場。
はっきりした性格で好きだなぁ。
今回はイレギュラーがあったからこそ犯人が特定できたけれど、犯人の機転がきく頭の良さには感服する。
最後猿の手でまとめるのところも好き。 -
有栖川作品
2作品独立しているが 続きもの
猿の手 と言う呪いがキーワードでした。
さらっと読めるが 有栖川さんの 推理は余り出てこない。 -
『赤ん坊だって地震は容赦しないからな。この国は、残酷な揺り籠みたいなもんだ。』
「地震」でここまで考えられるのが面白い。
日テレのドラマもそこそこ良い。 -
作家アリスシリーズ、コマチさん初登場の作品。
火村シリーズの犯人は、結構賢い人が多くて、犯行後の自分のミスにも気づいて挽回させようと試行錯誤するのに、結局それが仇となって追い詰められてしまう。
かといってもっといいやり方はあったのかというとどうしようもなくて結局詰んでる… -
単行本を既読。事件の内容をまったく覚えていなかったが、7年も経てばそんなこともあるだろう。ただ、火村先生とアリスの猿の手のディスカッションについてはおぼろげながら記憶があって、火村先生のエキセントリックな考察が有栖川先生の解釈をもとにしているというのが興味深い。こんなにロジカルな解釈は無理だったが、わたしもゾンビではなくきれいな息子が帰ってきたのを想像した。なぜそうおもったのか、わからないのだけれど。ひさしぶりではあったが、初読時より数倍はおもしろく読んだ気がする。魅力的な謎が数えきれないほどあったから。
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もともと別だった中編二本をまとめて一本にした作品。
この人、男性は魅力的な人物像を描くのに、女性はそうでもないんだよなー。特徴ある素敵な女性もいるけど印象が薄い。
トリック自体もロジカルで本格派。得意分野なんだろうけど、最初から長編だったらもっとまとまったんじゃないかなーと言う印象。
新定番キャラなるか?のあの方が今後のお楽しみかな。