王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)

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著者 : 田中芳樹
制作 : 山田 章博 
  • 光文社 (2012年8月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334764500

王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 王都炎上に続いて読破。
    度重なる追っ手の執拗な手を逃れて、無事にパルス王国最後の砦となったペシャワール城塞へと辿り着いたアルスラーンたち一行だったが、そこで彼らを待ち受けた運命は、さらに大きな試練を課してきた。
    老万騎長バフマンが、今は亡きヴァフリーズから明かされたアルスラーンに流れる血の秘密は、私たち読者にも明かされることはなく。
    大きな謎を孕んだまま、新たな危機がペシャワールの地を襲う。

    ナルサスがアルスラーンの王としての器の大きさを評した場面では、本当に胸がすく思いがした。
    「そう、大事なのはそこよね!」
    アルスラーンの他者に対する態度が、かしずかれる者にありがちな居丈高なものでないことは当初から私も引っかかっていて──まぁだからこそ、アルスラーンならばナルサスの唱える国論を実行できる王様になれるんじゃないかという期待を持てるわけだけども──その理由がこの巻でほのめかされつつ、なぜそうなったかの原因までは明かされなかった。引っ張り方がうまいなぁ(苦笑)

    今回の光文社文庫まで未読だったけれど、山田章博さんの表紙画で出会えて、本当に嬉しい。
    新装版刊行を待てる喜びは読書好きにはたまらない幸せだもの。
    ああ、本当に次巻が楽しみだ。

  • 絵巻物をくるくると解くかのごとく、物語が綴られていきます。

    視座がひとところに留まらず、様々な人物の目を通しての俯瞰させていて、
    それはどこか大河的で、その展開の雄大さが心地よいのは、20年を過ぎても変わらず。

    この巻の終盤では一つの重要な秘密の一端が、明らかになります。
    こうした無駄に伏線を引き延ばすことのない、適度な展開の速さも魅力的です。

    続きが待ちきれなくなりそうで、、旧版を掘り起こしたくなりました。

  • 再読読了。タイトルにもある二人の王子、このサーガの根幹をなす設定が表出してきた。

    この段階で感じるのは、片やにのみ感情移入するように書いてるな、ということ。銀英伝で二項(正確には三項)対立を並立するよう描いていたのとは対照的。

    じわじわと深掘りされる世界設定も、我々の歴史との共通点を見出せるようになってきて、もしかしたらあったかもしれない、地続きの歴史として感ぜられる。これこそが、架空歴史戦記とは思えない本作の魅力だよなぁ、と再認識。

  • 少しずつ血筋の謎が明らかになり始める(それも真実ではないみたいだけど)
    怪しい魔術師が暗躍するし、蛇王を復活させようと企むヤツらやアホ王の結婚話や、諸々が同時進行する中、アルスラーンの素直さに救われる。
    さて、彼らはどうなるのかな?

  • 味方がいるだろう方向へ走りだした一行だが
    3組に分かれる羽目に。

    分かれたので、場面が3つに区切れるわけですが
    どれもこれも、そこからどうする!? な状態に。
    画家だけが一人…と思っていたら、一人増えてみたり。
    多分彼と出会ったら喧嘩するな、と思いましたが
    やはり、な状態にw

    甥っ子は頑張っているわけですが、出生だけが
    自分のプライド、の現実に、確かになぁ、と。
    どちらに付いて行きたいですか? と言われたら
    主人公なのは確かです。
    皮膚のせいで仮面付けっぱなしかと思ったら
    そういう都合もあったのか、と。
    ちょっとどころでなく、こざかしい感じです。

    地味に疑っていた現実が、最期に付きつけられました。
    これから、どう決断下すのでしょう?

  • アルスラーンがペシャワール城に入るまで。

  • ひつこいけどインフルエンザA型にかかりまして、そのときに読んでいた本がよりによってこれ。
    いや、面白いねんけども、ええねんけども、物理的に体力が落ちているときに著者の本気の政治的ドロドロなシーンを読むのはムリでございました。笑

    (ほんで、らぶあま小説に切り替えた)

    後日、体力が回復してからいそいそと読んだよ。やっぱり著者の本は集中して読まないとね!

    しかし、アルスラーン一行の章は面白いんやけど、ルシタニア側のしょうもないおっさんばっかり出てくるくだりの、なんとも花のないこと。
    花がないどころか加齢臭まで漂ってきそうなこのリアルさ、泣けるよ・・・(笑)。

    でもここをしっかり書き込むから、世界観が立体化してくるし、こんな加齢臭のしそうなおっさんにすら波乱万丈な人生があるんやもんな(当たり前)・・・と、思ってしまうんだよね・・・。
    ヒルメスはもちろん、ギスカールですらだんだん気の毒になってくるんやから、ほんまに・・・。

    荒川氏の漫画も、それをアニメ化したシリーズも、見てみたいなあ。
    音と動きが(しかも荒川氏の作画で)あったら、今の私のこのイメージが一層されそう。
    うんうん、そうやな。ちょっとこれは春休みにでも時間を作ってアニメを見ようかな。


    しかし、前巻はリニューアルされた光文社文庫で読めたのに、ここからは光文社文庫ではなく角川しか蔵書にないらしい・・・。残念・・・。
    (しかしブクログには角川がなくて講談社で本棚入り)

    だってこの巻のあとがきが、光文社文庫の1巻のあとがきやったと思うよ?
    ほしたら角川文庫の1巻のあとがきはどこへ行った・・・って、もしかしてあとがきはなかったっけ? 著者ならありうる。

    それにしても角川文庫版なら私も持ってたよ! 売ってはないけど手元にはない・・・。ほんで、私の持ってた文庫のほうがよほどきれいだ(笑)。
    まあ、ええけどな。

    1巻を読んでからかなり開いてこの巻を読んだので、次こそは間を開けずに読もう。たぶん。


    どれも、どこを切り取っても面白い(と、いうか「へえ・・・」と、思ってしまう)ことが多いのだけど、今回は
    「正義は星のように数かぎりなくある」
    と、いうナルサスに、
    「そうきたか・・・」
    と、やや、ずううんとなった。笑

    そうだよね。それぞれに正義がある。
    それぞれに正義があってそれは悪くない。自分以外の正義を認めないことが、悪なんだよね。

    自分以外の星を壊してしまおうとした時点で、それは星でなくなり、正義ではなくなるんやろうな。

    そういわれると、ヒヤッとすんのよ。私はもしかして他の星を壊そうとしてへんやろうか、とか。

    自由を与えたはずなのにそれを喜ぶどころか、今までの生活を返せと攻撃してきた奴隷にも、
    「うわ」
    と、思った。

    なんせ、今、私が似たようなことをしているので。

    それがいいだろうと上役をクビにしたけれど、果たしてほかの面子はそれを望んでいたんやろうか、と、この二か月ずっと迷ってる。
    たぶん、誰もべつにそんなことは望んでなかった。

    私から見れば
    「そんな扱いをする人を代表として構えていて、いいの? そんな下に扱われて、いいの?」
    って思うことも、ほかの人からするとべつにたいしたことじゃなかったんやね。
    それよりも、面倒くさいことを引き受けてくれるなら、その見返りとして「上から目線」な、態度をとられても、まあ、お互い利害が一致してるなって思っていたのか、と、初めて気づいた。

    そうか。じゃあ私がしたことは何の意味もなかったね・・・。
    と、思ったのが、きつい。


    でもそれがきついと感じるのは、私が勝手に
    「誰かのためにしている」
    と、いう理由を作って逃げようとしてるからかもな。

    アルスラーンのように、
    「だからって、奴隷であることに甘んじるのはおかしい」
    と、いう筋がぶれなければ、
    「解放しようとした自分が余計なお世話やったのか」
    と、そこでは引っかからないんだもの。

    やっぱり、自分の筋だよな。誰かのためではなく。自分に筋を通す「嫌われてもいい」って思えるほどの筋を持つこと。

    けれどそれが誰かの星を壊すことになってはいけないという。

    ああー、難しいよね。(;^ω^)
    いやいや、大丈夫大丈夫。深く考えなくても、私はそんな道に外れたことはしない。大丈夫大丈夫。


    ■■■■


    ■屈託 (屈託がないとはよく聞くけど、屈託だけで使うのは知らんかった)

    [名](スル)
    1 ある一つのことばかりが気にかかって他のことが手につかないこと。くよくよすること。「―のない顔」
    「人は只だ黄金 (おかね) のことばっかりに―して」〈木下尚江・良人の自白〉
    2 疲れて飽きること。また、することもなく、退屈すること。
    「―そうな顔をして、火箸 (ひばし) で火を弄 (いじく) っていた」〈秋声・足迹〉

    (2017.01.27)

  • ネタバレ アニメーション版が大分進んできたので読破(ここからは時間が有れば追い越しそうな気がするが)。パルス東方国境のペシャワール城への逃避行。◆ヒルメスとナルサスの国王論の件がカットされていた(多分)のは納得いかない。ナルサスこそヤン・ウェンリーの思想的後継(そして、ヤンが望んでも決して得られなかった理想的な君主を持てた)とも言うべき存在だと明快に示す箇所だからだ。◇いや逆に言えば、著者の著者らしさを感じさせたところか。◆エラム・ギーヴとアルスラーンが逃避行する件は皆の信頼関係を深めさせる上で意味ある見事な描写。というか、個人的に大好きなシーンだ。

  • 2016/9/21購入

  • アニメや漫画と比較しても(架空の)第三者の視点が強いように感じました.表情が分からないので,アルスラーンはこんなに複雑な心境でどういう顔をしているのだろうと想像しながら読んでいました.アニメや漫画だと表情や感情が伝わってくるので,そのままの状態を受け入れればいいのですが,小説ではそうではないように思います.自分の中で思い描いた各キャラクターの動き,表情,心情,そいったものを想像しながら読むのが楽しいです.

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王子二人―アルスラーン戦記〈2〉 (光文社文庫)の作品紹介

辛くも死地を脱出したアルスラーン王子ら一行は、味方の兵力が集結する国境城塞へと向かう。追っ手をかわすため三組にわかれた彼らに、ルシタニア軍、そして銀仮面の男とその配下が襲いかかる。過酷な逃避行の先に待つ運命は?さらに、パルス王国の存立を揺るがしかねない王家の血の秘密が明かされようとする…。超絶スペクタクル・ロマン第二弾。

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