嫌な女 (光文社文庫)

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著者 : 桂望実
  • 光文社 (2013年5月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765767

嫌な女 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読むほどに夏子に惚れ 最後は泣けました。
    私も遺言書きましょうか

  • 誰しも、孤独を抱えていたり、世の中に必要とされているのかな?私を分かってくれる人はいるのかな?と感じたことはあるのではないでしょうか。

    感情に左右されることなく、法律というロジックで物事が決まる世界で生きることを決めた女性弁護士。
    彼女が仕事を始めたばかりの20代から、70代でセミリタイアするまでの生き様を通して、人との関係性、信頼を築き、自分の居場所を作っていく様子が印象的です。

    そして、自由奔放な夏子を通して、どんな状況でも楽しみは見出せる事、人生は明るいと思える事を考えさせられるのではないでしょうか。

    様々な思いをもった人を、そっと、じっと眺めてみようと思う気持ちにさせてくれます。

  • 徹子は夏子から相談を持ちかけられトラブルの尻拭いを引き受ける。
    うんざりとしながら、それでも夏子を突き放せない徹子だったが、いつしか夏子を通して経験してきたことが弁護士としての徹子の人生観をも変えていく。
    夏子は人に取り入ることがうまく、次々と男を騙して詐欺を働く。
    けれど夏子を悪くいう人間はいない。
    「嫌な女」だけれど憎まれない、憎みきれない不思議な女性だ。
    人懐っこく言葉も巧みで、誰かに言ってほしいことをタイミングよく言ってくれる。
    思い通りに生きていく夏子いつも自由だ。
    夏子の生き方はどこか爽快だ。
    けれど読み終わったあとに感じるあたたかさは、主人公である徹子の生き方にあると思う。
    物語の中では夏子との再会から長い時間が経過していく。
    徹子も結婚し、離婚し、身近な人の死も経験する。
    ずっと一緒に働いてきた戦友のようなみゆきも事務所から去る日がやってくる。
    それでも徹子とみゆきの交流は続いていく。
    そして徹子に残された1行だけの手紙。
    あたたかくて切なくて、けれどもどこか元気になれる。
    そんな不思議な物語だった。

  • 自由奔放に生きる小谷夏子と時間が有り余るという理由で子どもの頃から勉強して弁護士になり、趣味と言ったら文房具収集しかない石田徹子の約50年にもわたる長いお話。
    夏子が何年かに一度、詐欺まがいのトラブルを起こし、徹子に助けを求める。徹子は夏子を胡散臭いと思いながらも、夏子に騙された人たちの話を聞いて夏子が被害者に与えた夢や希望を知る。そして徹子自身も夏子の件に携わるうちにいろんなものを得ていくように思える。徹子がステキに歳を重ねていく様子は同じ女性として羨ましくもあった。
    また弁護事務所の事務員みゆきさんは大きな存在で、みゆきさんのような生き方、人生の閉じ方に憧れる。
    大人の女性にオススメの一冊だ。
    小説には夏子本人の言葉はなく、徹子目線で全て語られている。夏子目線の小説も書いてくれませんか?ハチャメチャすぎてお話にならないかな(笑)

  • 自由奔放 小谷夏子のトラブルを、弁護士石田徹子がフォローする短編構成の本。それぞれの人物の成長が微妙なタッチで描かれていて面白かった。

  • 対照的な2人の女性の人生を書き出した作品。
    2人とはいっても、1人の女性の視点から描かれており、もう1人は表舞台には出てこないのが印象的。

  • 初読みの作家さん。

    このタイトルはどうなんだろう。
    イヤミスっぽいけど、全然違う。
    あまり内容とあっていない気がした。

    在学中に司法試験に合格した徹子。
    イソ弁としてスタートする
    20代の徹子が70代になるまでのお話。

    人生に虚しさを感じつつ、
    仕事に喜びも感じず、
    淡々と生きる彼女。
    侍のような弁護士だと後輩に言われる。

    困ったときだけ頼りにしてくる 遠戚の夏子。
    夏子は詰めの甘い詐欺師。
    女を武器に生きて行く、けど、なんせ詰めが甘いから。。。

    徹子と対照的な夏子。
    嫌な女だ。
    女性からは徹底的に嫌われる夏子。
    が、決して徹子は夏子を嫌いでない。

    嫌な女も侍のような女も同じように歳を重ねる。

    弁護士事務所の事務員だったみゆきとは
    長く長く交友を続け、
    いつしか親友となる。
    みゆきの遺言が印象的で、優しく、温かく
    涙が止まらなかった。

    生き方が得意でなくても、
    友と出会える。
    友は数ではなくて深さだと思う。

    いい作品でした。

    大人の女性に読んでほしい。

  • 桂氏の作品は初めて、タイトルに魅かれて読んだ。主人公と遠縁の嫌な女「夏子」のお話。人に取り入ることのうまい詐欺師のような夏子とうまく他人を交わることのできない主人公。しかし、主人公は夏子にまつわる事件のたびに自分の生き方を認め、自信を持っていく。人はそれぞれ違っていていい、と無理をしないで生きていくことを認めてくれる。嫌な女夏子に対しても親しみを感じていく主人公に好感が待てる

  • 対照的な性格の女性二人の話。

  • 主人公の弁護士と、その遠戚である詐欺師の女の人生の、所々の節目を綴った話。
    節目、というか、その詐欺師がいろいろトラブルを起こしたときに、面倒をみる弁護士が語る話。

    二人の人生が語られるんだけど、弁護士の一人称なので、詐欺師の人生については、弁護士から見た人生という形でしか分からない。

    詐欺師の方が、主人公の弁護士をどう思っているのかが伺えないまま終わってしまったので、ちょっと深みがないかなぁ、という感じ。

    もっと、二人の交流が見たかったね。

  • 本当に嫌な女だ!
    憎めないけれど…

  • 対照的な女性2人の長編ということで手に取った。だんだん2人が年をとって、そのうち夏子視点の章があるのかと思いきや、2人ともおばあさんになって終わってびっくり。夏子という存在がとにかく大きくて、一方で徹子の弁護士としての成長も描かれる。人間模様が面白い。

  • フランス、イタリア旅行へ連れて行った一冊。黒木瞳・鈴木保奈美主演でドラマ化されたということと魅力的なタイトルに惹かれて読んでみた。が、期待が大きかった分がっかり度合いも大きい。
     嫌な女と言ってもわくわくするような事件を起こすわけじゃなし(男をコケにして金をだまし取る詐欺師という設定)、遠戚にあたる女弁護士が第一章からなんとなく孤独な影をもっているのが興味をそそられたが、たいした過去があるわけでもなく、家族にも恵まれ職場も完璧で「なんだ幸せなんじゃん」とがっかり。
     小説って、人間のミステリアスな部分に触れたくて読んだりするんだけど、話の展開や心の動きが平凡だと、とたんに読む気力が失われる。小説よりも奇怪な事件が世の中にはわんさかあるからね。毒殺カレー事件の林眞須美や尼崎コンクリート事件の角田美代子レベルの大物キャラに登場してもらいたかった。

  • 面白かった。親戚の夏子から、弁護士である主人公に依頼がくる。ほとんどが夏子がわるい。だが次第に、夏子を好きになっていく。
    その間の事務のみゆきとのやり取り、友情。
    涙が出てくる。

  • 夏子本人が直接登場するのではなく、周りの人たちが彼女の言動を語ることによって人物像が描かれている。
    人をだましているはずなのに、相手をいい気分にもさせられる天性の才能をもつ夏子にスポットが当てられるだけでなく、弁護士の仕事を通じて考えさせられる徹子の思いにしんみりときた。

  • 嫌すぎる人が好きになる可能性を秘めている人、分かっているけれど関りを持ちたくない。そんな人と関わることが必須なのは、本当に嫌だけれど色々なことが分かっていくものなのだなぁと読後思う。

  • 二人の女性の物語。徹子とみゆきの淡くも固い繋がりがとても良い。特にみゆきの遠戚へ宛てた遺言書ではあつくなった。はかない一生でこのような連れが持てる幸せ

  • 淡々と書かれる文章でなかなか入りにくい感じもしたが、徹子が年老いていくにつれ、みゆきとの関係性が描かれていくにつれ、涙が出た。
    年老いたときの自分と旦那さんの関係も考えて泣けた。

  • 弁護士とその遠戚の女の生涯の物語。弁護士としての成長と弁護士事務所の事務員の最期に泣いた。嫌な女とは遠戚の女のこと。生来の詐欺師。

  • この物語は、人の人生について考えさせられます。

    主人公の女弁護士が、病気になった人たちに遺言書を頼まれますが、その内容がとても心に響きました。これから死にゆく人の後悔や残された人への心配する心が、とてもきれいに表現できています。

    はじめはこの本の題名からイヤナ女が出てきて気分が悪くなりそうだなと思ったのですが、そうではなくこの本に出てくる女詐欺師でもヒトによったらいい人にもなりえるし、悪い人にもなりえると書かれているようにおもいました。仕事が長続きしない詐欺師の夏子でも一緒にいると楽しい時間を過ごせると言う特技があり、それが病気になった人の心を救うこともあったのです。人によったら騙されてお金を取られ、悔しい思いをしたりムカついたりするでしょう。しかしお金よりも楽しい時間を過ごすということは、人のココロにとても大きな安らぎを与えてくれます。

    感情に流されにくい主人公が、そんな夏子の弁護を人生の中で数回繰り返すことになり、主人公に様々なことを気づかせてくれる物語だと思います。

    この本は映画化されていますが、人の心情を言葉にして表している作品なので映画よりも本を読んで自分がどう感じたか、どう思ったかを考えてほしい作品です。この本はまた歳を重ねた時に読みたいなと思います。

  • 嫌な女を通じて自分を知る
    孤独との付き合い方
    誰しもが孤独だし、不安を抱える
    それをどう見せてるか

  • 弁護士の徹子が、遠戚の夏子の起こすトラブルを解決していく物語。
    もっとドロドロした話を想像していたが、意外とサラッとしていた。それでも夏子の詐欺師っぷりと、ツメの甘さが面白い。
    読み進めていくと、徹子は夏子に振り回されるだけでなく、周りの人達との関係を通じて成長する物語だということがわかる。最後は感動してしまった。

  • 上映前に一読の初著者作品。微笑ましい!?二人の半生、、。いやいや、みゆきさんに座布団一枚!って感じかなぁ♪。

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