嫌な女 (光文社文庫)

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著者 : 桂望実
  • 光文社 (2013年5月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765767

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嫌な女 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 桂望実さんの本は初めて読みました。
    【嫌な女】という、何とも興味をそそるタイトル~(笑)

    小谷夏子は生来の詐欺師。
    絶世の美女というわけではないのに、人を惹きつけてやまぬ魅力がある。
    そんな彼女の遠縁にあたる石田徹子。
    夏子と徹子は同い年。
    弁護士になったばかりの徹子24歳の時、17年ぶりに夏子から「助けてほしい」との依頼が舞い込む。
    何とか問題を解決した徹子。
    その5年後再び、夏子から連絡。
    そんなことを繰り返すうち、二人は71歳に。

    物語は徹子の口から語られるだけ。
    徹子から見た夏子だけが登場する。
    徹子のダメっぷりにほんと「嫌な女」だと思いつつ読み進めた前半。
    夏子の問題を解決する徹子にも、色々なことが起こり…
    後半はどんどん徹子に感情移入していく。
    どんどん面白さが増して、後半は一気読みでした。

    桂望実さんの本、もっと読んでみたい!

  • *生来の詐欺師・夏子は男をその気にさせる天才。口癖は「これで終わるような女じゃない」。 がむしゃらに勉強だけをして弁護士となった徹子は、いつも虚しさを感じている。同い年で遠戚、たびたび夏子のトラブルの始末をさせられる徹子。したたかな女と不器用な女が向き合い嚙み締める人生を描く、桂望実、2年ぶりの長編! *
    これは、色々な意味で読み応えたっぷりな一冊。夏子と徹子の長い人生を一緒になって生きたような・・・どっぷりと嵌りながら読み終えた。誰でもその一面だけではなく、時には短所も長所になる。題名とは裏腹に「嫌な女」で終わらない爽快さ。脇を固める人々も魅力的で、後半は滂沱の涙。またいつか、しみじみとじっくり読み返してみたい。

  • 1年近く前に買ったものの読まずにいたら、なんと映画になるとか?それも黒木瞳が監督!びっくり!
    タイトル通り、ホントに「嫌な女」の話。だけどその夏子が登場することはなく、もう一人の主人公、徹子を通して描写されている。「桐島、部活やめるってよ」みたいに、主人公でありながら登場しないパターン。そしてなにこの嫌な女の話がずっと続くのは・・・と思っていたけれど、途中から徹子の大河ドラマみたいな人生物語として読めるようになっていく。不思議なお話し。こうなると、映画も気になる。

  • NHK-BSのドラマになった時から少し気になっていたのだけれど、ここに来て手にする。映画化に合わせて吉田羊と木村佳乃が表紙のカバーになってしまい、手にしてレジに行くのがためらわれたが、仕方がない。
    弁護士の徹子と、その遠い親戚の夏子。
    男好きがして男を手玉に取る術に長ける夏子が何年かおきにトラブルを発生し、その都度、夏子がお尻を拭くことになる。
    24歳から71歳まで描かれる長い年月の流れの中で、二人の女性の変わらない本質と変わっていく生き様がつぶさに描かれる。
    自由奔放に年老いてまで可愛い女として生き続ける夏子と人生に虚しさを抱えながらも弁護士としてのキャリアを積んでいく徹子。
    後半は、特に、夏子が何をしでかしたかということよりも、そこに巻き込まれた人々と徹子とのやり取りを通じ、泣き笑いが出るような達観が示される。

    生きるということについて、、、
    “多くの人が満ち足りない想いを抱えているって、知らなかったのよ”
    “自分で気付くしかないのだ。願った通りの人生を送れていなくても、うまくいかないことが多くても、その現実と上手く折り合いをつけていくしかないということは”
    “受け入れるのは、悪いことではないのかも”
    “丸ごと受け止めておしまいなさい。気に入らないことも、哀しいことも。そうすれば、きっと生き易くなるわよ”
    “「幸せか」と尋ねられて、「そう言えば、そうだ」と気付くくらいがちょうどいいようだった”
    “苦しくても、虚しくても、明日を迎えて生きる。そういうもんなんだとわかったら、呼吸をするのが楽になったの”

    老いるということについて、、、
    “もう充分生きたって思える人なんて、いないの”
    “私もちゃんと人生の閉じ方とやらを考えなくてはいけない年齢だ。どうやって閉じたらいいのだろう。したいことが浮かばず、私は愕然とする。”
    “ずっと変わらずにいることは、出来ませんよね。そうわかっていても、願ってしまいますね”

    仕事についても、、、
    “弁護士の仕事って、やりがいを求めてはいけない領域のものだと思ってる。…感謝されることを目的にしてはいけないし、期待してはいけないと思ってる。ただ、ベストを尽くすだけ”

    人生における楽しかったランキングというのを考える時、私には何が楽しかったのだろう?
    妻のこと、子供のこと、親兄弟のこと、仕事のこと、趣味のこと、小さかった頃のこと、学生時代のこと、会社に入ってからのこと、、、何を楽しみに今まで生きてきたのだろうと、今更ながらに戸惑ってしまう。
    宝くじで100万円当たったら、何に使うだろう。今時100万円では夢も語れないように思うけど、だったら幾らなら夢が語れるのか?
    つまらない人生、平凡な人生、だけどもかけがえのない人生…。
    生きること、働くことに対する悶々とした思いに対し、確かな励ましを伝えてくれる物語であった。

  • なんだか、すべての人の人生を肯定してくれるよな物語でした。

  • タイトルの「嫌な女」=夏子が主役ではなくて、遠い親戚の徹子さんや徹子さんを通しての夏子さん。
    徹子さんが新米弁護士のところから、セミリタイアするころまでのお話。

    章が変わるたび、シチュエーションが変わるので、最初、戸惑いました。
    そのうち、今度は何をしでかしたんだろう?と
    夏子さん、嫌な女だけれど、憎めない、次第に応援(?)のようになっていたり。

    最後の方は、徹子さんメインになってきました。
    みゆきさんの遺言状のところではちょっとウルッと。

  • 面白くて泣けるなぁ~
    女同士のいろんな部分がみえて、怖くもあり、楽しくもあり、そして嬉しくもあり、涙もあり。
    長編だから一氣読みできなかったけど、先が楽しみでワクワクして読了しました!

  • 嫌な女ってタイトルだけど、嫌な女ってだけじゃなかった〜。いい話だった〜(*^^*)

  • 時々、出てくるフレーズが秀逸だったけど、物語には全然入りこめなかった。
    嫌な人は嫌なままだけど、主人公は年を経るたびにその人にひきこまれていくってだけで、その細部には何も感じなかった。うーん。お金を騙しとられたっていいじゃない。その間は幸せだったんだからって論理に馴染めなかったからなのか。

  • 本当に、題名に騙されないで欲しいと思います。女詐欺師、詐欺といっても緻密な策略があるわけでもハラハラワクワクした切迫した場面があるわけでもないんです。一見、物足りないようなイメージもありますが、とても人間味のある物語で、最後は感動し思わず涙です。

    解説も納得。

  • 個別のエピソードも謎解き要素があって読み応えあるし、
    1冊の文庫本でこれだけ時間の経過の幅があるのも珍しいし、
    登場人物にもリアリティあるし、
    ヒューマンドラマ性も、人間関係の中で生まれるドラマ性だけでなく、
    自己の内面の成長ドラマもあって感動する。
    特に、”自己の成長”っていう点は何か大きな事件があってのことではなく、
    緩やかに歳を重ねていく中での心の成長が描かれていて、リアル。

  • 面白かったー。
    とくに最後は感動的。
    私も人生の大きな選択を、「本当によかったんだろうか」と思い悩んでいる真っ最中だったから、いろいろと心に沁みた。

    夏子さんは近寄りたくないタイプだけどね。
    徹子先生、カッコイイ!!

  • じんわりほっこりさせられた。こんな職場で働けたら幸せやろな

  • 夏子はホントに嫌な女。
    なのに…
    徹子はツマラナイ女。
    だけど…

    桂望実さんの作品は初めてでした。
    話の展開が凄く上手い。

    熱いお湯にどっぷり浸かってササっとではなく、ぬるめのお風呂にずっと入っていたい。
    そして持ち帰ったタオルから硫黄の匂いがして、また行きたくなる。

  • ずーっと本棚においてあって、思い出して読み始めました。サクッと読めました!
    弁護士って職業、改めてすてきだと思いました。嫌な女、どこにでもいるけど、ここまでくると尊敬しちゃう!

  • 生来の詐欺師である夏子の物語というより、夏子の遠戚で弁護士の徹子と、その周りの様々な人たち(荻原やみゆきや坂口やイソ君や兄や姉)の50年(厳密には47年?)を描いた物語に感じられた。
    夏子は現れるたびに住まいを変え、手口を変えていくけれど、徹子の周りの人たちは大きな変化なく毎日を着実に過ごしていると感じられる。
    でも、そんな人たちが老い、最期を迎える。
    そう、時は流れ、人は老いる。
    こんな当たり前で大切なこと、普段いかに意識していないのか思い知らされて、呆然としてしまった。
    毎日を大切に生きなくては、ね。

  • 読むほどに夏子に惚れ 最後は泣けました。
    私も遺言書きましょうか

  • 誰しも、孤独を抱えていたり、世の中に必要とされているのかな?私を分かってくれる人はいるのかな?と感じたことはあるのではないでしょうか。

    感情に左右されることなく、法律というロジックで物事が決まる世界で生きることを決めた女性弁護士。
    彼女が仕事を始めたばかりの20代から、70代でセミリタイアするまでの生き様を通して、人との関係性、信頼を築き、自分の居場所を作っていく様子が印象的です。

    そして、自由奔放な夏子を通して、どんな状況でも楽しみは見出せる事、人生は明るいと思える事を考えさせられるのではないでしょうか。

    様々な思いをもった人を、そっと、じっと眺めてみようと思う気持ちにさせてくれます。

  • 徹子は夏子から相談を持ちかけられトラブルの尻拭いを引き受ける。
    うんざりとしながら、それでも夏子を突き放せない徹子だったが、いつしか夏子を通して経験してきたことが弁護士としての徹子の人生観をも変えていく。
    夏子は人に取り入ることがうまく、次々と男を騙して詐欺を働く。
    けれど夏子を悪くいう人間はいない。
    「嫌な女」だけれど憎まれない、憎みきれない不思議な女性だ。
    人懐っこく言葉も巧みで、誰かに言ってほしいことをタイミングよく言ってくれる。
    思い通りに生きていく夏子いつも自由だ。
    夏子の生き方はどこか爽快だ。
    けれど読み終わったあとに感じるあたたかさは、主人公である徹子の生き方にあると思う。
    物語の中では夏子との再会から長い時間が経過していく。
    徹子も結婚し、離婚し、身近な人の死も経験する。
    ずっと一緒に働いてきた戦友のようなみゆきも事務所から去る日がやってくる。
    それでも徹子とみゆきの交流は続いていく。
    そして徹子に残された1行だけの手紙。
    あたたかくて切なくて、けれどもどこか元気になれる。
    そんな不思議な物語だった。

  • 自由奔放に生きる小谷夏子と時間が有り余るという理由で子どもの頃から勉強して弁護士になり、趣味と言ったら文房具収集しかない石田徹子の約50年にもわたる長いお話。
    夏子が何年かに一度、詐欺まがいのトラブルを起こし、徹子に助けを求める。徹子は夏子を胡散臭いと思いながらも、夏子に騙された人たちの話を聞いて夏子が被害者に与えた夢や希望を知る。そして徹子自身も夏子の件に携わるうちにいろんなものを得ていくように思える。徹子がステキに歳を重ねていく様子は同じ女性として羨ましくもあった。
    また弁護事務所の事務員みゆきさんは大きな存在で、みゆきさんのような生き方、人生の閉じ方に憧れる。
    大人の女性にオススメの一冊だ。
    小説には夏子本人の言葉はなく、徹子目線で全て語られている。夏子目線の小説も書いてくれませんか?ハチャメチャすぎてお話にならないかな(笑)

  • 自由奔放 小谷夏子のトラブルを、弁護士石田徹子がフォローする短編構成の本。それぞれの人物の成長が微妙なタッチで描かれていて面白かった。

  • 対照的な2人の女性の人生を書き出した作品。
    2人とはいっても、1人の女性の視点から描かれており、もう1人は表舞台には出てこないのが印象的。

  • 初読みの作家さん。

    このタイトルはどうなんだろう。
    イヤミスっぽいけど、全然違う。
    あまり内容とあっていない気がした。

    在学中に司法試験に合格した徹子。
    イソ弁としてスタートする
    20代の徹子が70代になるまでのお話。

    人生に虚しさを感じつつ、
    仕事に喜びも感じず、
    淡々と生きる彼女。
    侍のような弁護士だと後輩に言われる。

    困ったときだけ頼りにしてくる 遠戚の夏子。
    夏子は詰めの甘い詐欺師。
    女を武器に生きて行く、けど、なんせ詰めが甘いから。。。

    徹子と対照的な夏子。
    嫌な女だ。
    女性からは徹底的に嫌われる夏子。
    が、決して徹子は夏子を嫌いでない。

    嫌な女も侍のような女も同じように歳を重ねる。

    弁護士事務所の事務員だったみゆきとは
    長く長く交友を続け、
    いつしか親友となる。
    みゆきの遺言が印象的で、優しく、温かく
    涙が止まらなかった。

    生き方が得意でなくても、
    友と出会える。
    友は数ではなくて深さだと思う。

    いい作品でした。

    大人の女性に読んでほしい。

  • 桂氏の作品は初めて、タイトルに魅かれて読んだ。主人公と遠縁の嫌な女「夏子」のお話。人に取り入ることのうまい詐欺師のような夏子とうまく他人を交わることのできない主人公。しかし、主人公は夏子にまつわる事件のたびに自分の生き方を認め、自信を持っていく。人はそれぞれ違っていていい、と無理をしないで生きていくことを認めてくれる。嫌な女夏子に対しても親しみを感じていく主人公に好感が待てる

  • 対照的な性格の女性二人の話。

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