東京難民(上) (光文社文庫 ふ 16-2)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766009

感想・レビュー・書評

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  • 最後の最後で治験で得た20万を女に騙されてホストクラブで溶かす主人公。
    読み進めていくうちに気持ちが沈んでいく。
    多少話の展開が強引な点はあるものの、著者は主人公を通じて現代の貧困に喘ぐ若者の姿を見事に描き出している。

  • どうしようもない人から、人としてはかなり成長した。
    大学生くらいだったら、簡単にあんな風に転がり落ちていってしまうかもしれない。

  • 主人公は普通の大学生。突如親の支援が途絶えそこから一気に普通からかけ離れていく。

    読んでいて止まらなくなりました。
    自分も学生の時こんな風に親の支援が止まって行方がわからなくなっていたらどうなるだろう?

    こんなにならず普通に今があるが妙にハラハラしながら読みました。

    下巻へ

  • 主人公には苛立ちを覚えるかもしれない。
    いや、覚えるだろう。

    しかし、どんどん沼底へと沈んでいく主人公が、そんな沼に順応していくのが面白い。

    さまざまな方法で生活費を稼ごうとするが、その過程が面白い。

    側から見ている第三者だからだろう。

    でも、自分も修のようにならないとも言い切れないのだから恐ろしい。

    この本で知ったことが、いつか役に立つ。そんなことにならないことを望む。

  • 主人公のクズぶりにざまあみろという気持ちがわきながら読んでいたが途中から流石に哀れになってきつつも展開が気になり一気に読破
    とはいえ自分が主人公の状態に落ちたらあの様な行動は取らないとは言えるが今の世を生きていく術を持っていないことを感じさせられた。読んでいて親に感謝しつつ自分に何が出来るか考えさせられた。

  • 東京という街の怖さは感じました。

    ただ、主人公の言動にあまり共感や同情ができなくて
    多少は自業自得なのかなとも思ってしまいました。

    文章はとても読みやすかったのですが、
    下巻は読まないかもしれません。

  • ひとことで言うと、怖さと面白さを兼ねた作品。

    なにかを考えさせられました。

  • 『東京難民(上)』
    福澤徹三 著

    東京郊外にある私立大学生の主人公。
    ある日、突如、大学から除籍されたことを知らされる。親が学費を支払わず滞納していたと。
    両親に真意を聞こうとするが、連絡が取れず行方不明。九州の実家に帰省してみるも、家の中はもぬけの殻。
    手持ちの金もなく、自身の家賃も滞納。また、ゼロゼロ物件の為、賃貸借契約ではないので、追い出される羽目に。
    そこから、ネカフェ難民生活へ。
    バイトを転々とするが続かず、ようやく治験バイトで20万の金を手にするが...途中、警察に捕まり留置所へ。
    くさくさした気分から飲んでいると、ある女と一緒に飲むことに。一軒、二軒、三軒と。
    そして、ホストクラブへ。シャンパンで酔い潰れ、目を覚ますと、女はおらず請求書だけが残される。
    そこから、寮付きということで、ホストクラブで働き始めることに。下巻へ。

  • 落ちていってしまう流れに、どこまで行くのか
    気になった。

    が、読み進めると、彼の考えが甘くて
    嫌になっていた。

    まさか自分がなるとは
    思わないことだけれども・・・。

  • 『闇金ウシジマくん』的なノリで下流社会を描いているが、転落のきっかけは同情の余地はあるものの、主人公がアホすぎてなかなか感情移入はしにくい。まぁ自分の大学時代もこんな感じに浅はかだった気もするが。かつ「こういう転落をしていったら面白いのではないか」的に次から次に災難が降りかかり底辺社会を這いずり回り、逆に読んでいて冷めてしまう。一応下巻も読むつもりだが、漫画チックの面白さはあるものの残るものはあまりないだろうなとは思う。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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