東京難民(下) (光文社文庫 ふ 16-3)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766016

感想・レビュー・書評

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  • 主人公には苛立ちを覚えるかもしれない。
    いや、覚えるだろう。

    しかし、どんどん沼底へと沈んでいく主人公が、そんな沼に順応していくのが面白い。

    さまざまな方法で生活費を稼ごうとするが、その過程が面白い。

    側から見ている第三者だからだろう。

    でも、自分も修のようにならないとも言い切れないのだから恐ろしい。

    この本で知ったことが、いつか役に立つ。そんなことにならないことを望む。

  • 上巻から

    怒涛のイレギュラー人生になってどんどん逞しくなる主人公。本人はそんな事微塵も思っていないようだけど、読んでいるこっちはすげえな、の一言。

    警官からの職務質問
    中国へ行かされるかも

    このあたりが特に大きな分岐点の気がする。

    最後までハラハラして読みラストへ。

    ぐうたら学生からもう最高の精神状態になってく感じがたまらない。

  • 金だけ求めて合理的な判断をしていれば主人公は経済的に豊かな生活を送れたのかもしれないが、彼は最後まで情というある意味最も人間らしい部分を捨てなかった。人生で重大な決断を迫られる状況において、人としての尊厳と合理性を天秤にかけ、どう判断していくか。社会制度の不備が貧困に陥る原因の一つであることはもちろんだが、自分の頭で考えるという行為の重要性を改めて実感した。

    最後に微かな希望が覗いたのは個人的には救いだった。

  • 単行本「東京難民」(2011/05/19)の文庫化。

    2014年に映画化された。

    両親が失踪した大学生が、学費未納で大学を除籍される。その後の転落の物語。


  • 上巻はあまり好きではなかったのですが、
    せっかくなので下巻も読んでみました。

    主人公には「気付くの遅いよ」って言いたくなりましたが
    後半は成長が見えてきて、やっと展開があった印象です。

  • 主人公のクズぶりにざまあみろという気持ちがわきながら読んでいたが途中から流石に哀れになってきつつも展開が気になり一気に読破
    とはいえ自分が主人公の状態に落ちたらあの様な行動は取らないとは言えるが今の世を生きていく術を持っていないことを感じさせられた。読んでいて親に感謝しつつ自分に何が出来るか考えさせられた。



  • 上巻のホストから転落し、客の売掛が焦げ付き、チャイニーズマフィアに売られ、タコ部屋へ。
    主人公に全く感情移入は出来ないが、現代の貧困層の若者を克明に描かれているのだろうか。
    なんだか、あまりにも言い訳がましく、その場しのぎの刹那的で楽観的で、最後は社会のせいってのがどうにも...
    社会制度の仕組みにも難ありだとは思うが。
    ただ、現実社会にも20代でホームレスってのが結構いるんだもんなー。
    読了感はもやもやが残るな。

  • 上巻のダメさ加減からどう立ち直るのか?
    というのを期待していたけれど、そのままだった。

    事件も起こるけど消化不良感。
    終わり方も、少し明るい方へ、
    という、優しさ?なのかもしれないが
    モヤモヤ。

    読み切った、ということで
    星3つ。

  • キャラ設定やストーリーが所々破綻しており転落人生も偶発かつ極端過ぎる気がするが、男性週刊誌の連載漫画を読んでいるような楽しさはある。

    下巻前半はトンデモ話が続き非現実的過ぎるが、蒲田以降の
    じわじわと転落していく様とそれに慣れていく修の心理描写はよく描けている。「親友」だった雅樹らとの関係性やアルバイト紹介の顛末、順矢の先輩話など、他人の虚言や不用意な親切に潜む罠の教訓的な側面もある。

    上巻は★2つとしたが、文句をいいつつなんだかんだすべて読み切ったので★3つとした。

  • 落ちたら這い上がれない現在の日本。
    貧困の連鎖。
    真面目に働いていても、リストラや倒産で家までも追われることになるかもしれない。

    現実に起こりそうな話。自分はこれから大丈夫なのかと 不安になる。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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