- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334766276
感想・レビュー・書評
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悲惨な事件だけど、読後はさわやか。
そんな宮部みゆきワールドにはまってしまいました。
順や慎吾のように、想像力のある子たちとそうでない子たち…
周囲の人の気持ちを慮ることのできない子を育てたのは私たち世代だという道雄の言葉に同感。 -
1990年に「東京殺人暮色」のタイトルで刊行された後、1994年「東京下町殺人暮色」に改題して文庫化。さらに2011年「刑事の子」に改題して単行本刊行し、その文庫化が本書になる。
主人公が13歳の中学生であることから、タイトルに「殺人」という言葉が入るよりも、今のタイトルのほうがしっくりくると思う。ただ、死体のさまはかなりエグいです。
「コレクター」や「大統領の陰謀」、「風が吹くとき」に「クリスティーン」、そして「去年マリエンバートで」と、古今東西の名作映画が会話の中に散りばめる、映画ファンにも楽しく読めて、10代のミステリー初心者の入り口にもなる長編作品。 -
宮部みゆきを読み終わると、国語の教科書に宮部みゆきが出ていたら間違いなくみんな本を読むのが好きな子になるだろうと、いつもそう思う。
想像力を育てるのには何が必要なんだろう。
川辺を散歩していた母子が川に流れていたバラバラ死体を見つけてしまうところから話が始まる。
優しい心を持つのも、自分を守るために他人を傷つけるのも同じ人間なんだよなと、考えてしまいました。 -
川原に流れ着いたバラバラ死体から事件が始まり、刑事とその息子を中心に展開する。
タイトルの印象よりは息子中心の物語ではなかったです。登場人物が個性的で生き生きとしてます。最後があっけないなと感じたのは模倣犯と同じでした。 -
読感は、なるほどーという感じ。
刑事の子、順くんがいい子。
すっきり読めた。 -
中学生の順が事件を解決する、ということに主眼かあるのではないと思う。
中学生が大人と関わって、いろいろな歴史や人間関係やその歪みに触れて、何を考えるか、ということ。
大人でも子どもでもない、柔軟に考えられる季節に、周囲の事件や関係者、親や自分を大切にしてくれる人と関わって、どう変化するか、ということにテーマがある。
宮部みゆき作品は、初期のもののほうが、分量は少ないが、深みがあったように感じる。 -
火炎とか篠田東吾とか聞いたことあるなぁ。シリーズものか?
とか思ったら、昔の作品の改題かい!!
以前読んだ本でした。
楽しめたからいいけど、なんか変に稼ごうとしてるんじゃないかと勘繰ってしまうので、少しマイナス。
まぁ、改題って明記されてるけど、騙された人、きっと私だけじゃないはず。
私がどんくさいのか??? -
宮部みゆき氏の初期作品
『東京殺人暮色』『東京下町殺人暮色』そして『刑事の子』と改題されてきた作品です
特質すべき作品ではありませんが一番の読みどころは戦争を経験した二人の登場人物の語り口
主役である八木沢順君の家で家政婦として働くハナさん
事件と大きな係わりを持つことになる画家の篠田東吾
特に花さんの『世渡りのための武器』というお話にはとても魅かれました
中高生が読むのに最適なミステリーです