リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)

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著者 : 詠坂雄二
  • 光文社 (2013年12月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766641

リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 学校の屋上で死体が発見された。
    校内の名探偵と呼ばれている主人公は、依頼人の無実を証明するために事件を調べ始める。
    なぜ死体は屋上にあったのか。
    依頼人と被害者の関係とは。
    そしてまた新たな死人が・・・。


    登場人物がなかなかくせのある人が多くて、意識が散ってしまうのか入り込みにくかったかなと。
    所々、難解な単語や凝りすぎた表現が多くて…読みづらさも感じました。

    結末は、いろんな意味で予想外でした。

  • 〇 概要
     私立吏塚高校の屋上で葉群という男子生徒の屍体が見つかる。容疑者である観鞍という生徒から葉群の死に関わっていないことを証明してほしいという依頼を受け,吏塚高校の「名探偵」が捜査を開始する。「名探偵」の捜査はハードボイルド風の文体で描かれ,いくつかの死体が登場する。そして,「名探偵」は依頼者である観鞍に推理を語る。最後に示されるその推理の裏にある真相とは…?幾多の趣向が凝らされたミステリらしいミステリ

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     女性を男性と誤認させる叙述トリックとしてハードボイルド調の文体を利用するというプロット,探偵役が犯人というプロット,死体を屋上に移動させるための大掛かりな物理トリック,そして,そもそも死体を屋上に移動させたのは,犯人が,吏塚高校の名探偵として事件に関わりやすくし,自分が恐喝されていた写真とネガを探す捜査を行いやすくするためというプロットなど,細かいプロットを巧妙に重ね合わせた作品になっている。素人受けする分かりやすい驚きではなく,玄人受けする考えさせる驚きという雰囲気で,玄人評価が高い作品。個人的な好みとしては,こういう「うまいなー」と感じる作品より,やや伏線などが足りてなくても素直に驚ける作品が好きではある。作品のテンポもいいし,読みやすい点も評価できるのだが,どこかにもう一つ,この作品らしいオリジナリティがほしかったような気もする。評価が難しい作品だが★3どまりか。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     「名探偵」という位置づけの登場人物が,実は女性であり,真犯人であるというサプライズが用意されている。しかし,女性を男性と誤認させる叙述トリックは,ミステリを読みなれている人にとっては想定範囲。また,探偵が犯人というものも,読みなれている。この作品は,女性を男性と誤認させる叙述トリックとして,ハードボイルド調の文体を利用していたり,大掛かりな物理トリックで目を引かせるなど,見せ方が非常にうまく,玄人評価が高い作品である。とはいえ,単純なサプライズとしてはそこまで驚けない。「びっくりした!」という感想より「うまいなー」という感想で終わってしまう作品だった。サプライズとしては★3か。

    〇 熱中度 ★★★★★
     話のテンポは非常によい。わずか250ページ程度の作品でありながら,登場する屍体は4つ。しかし,これだけ死体が登場するにもかかわらず,展開はすっきりしており,ごちゃごちゃした感じがない。読みやすく,物語に入り込める。恐喝写真のネガを探すところなど,被害者の財布を偶然拾うという御都合主義ではあるが,中だるみせずにあっさり見つかるテンポのよさ。後輩である時野将自が容疑者に推理を披露し,その推理が間違っているにもかかわらず殺害されてしまう展開など,物語展開の意外性も高い。とても熱中して読むことができた。熱中度は★5で。

    〇 キャラクター ★★☆☆☆
     主人公の名探偵は,ハードボイルド風の文体にふさわしくタフでくたびれた雰囲気で描かれているが…女子高生である。校内で売春をしているという設定の空咲瑤子,情報屋として登場する楽山という図書委員や,主人公の弟子でミステリマニアの時野将自,依頼者である観鞍など,それなりに個性的なメンツではある。しかし,こんな高校生などいるわけない。リアリティは全くない上に,人物描写も平坦。情報屋,娼婦,名探偵の助手,秘密を持つ依頼人というハードボイルド小説に出てくるステレオタイプの登場人物を高校という設定に合わせただけとも言える。キャラクター性,人間性は乏しく★2で。

    〇 読後感 ★★★☆☆
     探偵役が犯人だったというオチである。読者としては,どうしても探偵に感情移入しながら読みがちなので,最後に裏切られる形となる。そうすると,読後感はよくなりようがない…はずである。ところが,この作品はそれほど読後感は悪くない。原因は,ハードボイルド調の冷めた文体にあると思う。つまり,あまり感情移入できていない。これは,キャラクターのなさにもつながっていると思う。読後感はよくも悪くもないので★3で。

    〇 インパクト ★★★☆☆
     女子高生探偵を男と思わせる叙述トリック,屍体を屋上まで持ち上げるのに大時計を使うという大掛かりな物理トリック,探偵役が真犯人であるというプロットなど,あらすじで説明するとインパクトは抜群。しかし,文体がハードボイルド調であるせいか,全体的に地味な印象があるのも事実。そこまでのインパクトはない。★3で。

    〇 希少価値 ★★☆☆☆
     玄人評価,ネットでの評価は上々。しかし,一般受けはしなさそうな内容。出版社も光文社文庫ということで,将来的に希少価値が上がる可能性はありそう。大事にしよう。

  • 屋上に現れた墜落死体と"探偵"の主人公のもとに持ち込まれる無実証明の依頼。
    ハードボイルドな言動の主人公や自分の役割にやたら自覚的な登場人物たちの言動が苦手だけれど物語の流れに釘付けにされた。
    しかし大ネタはすぐ勘づいてしまって残念。使い方がとても好みだっただけに。

  • 先に「ドゥルシネーアの休日」を読んでしまって、似た雰囲気の登場人物が印象に残ってたのがちょっと失敗。やっぱり順番は守らないと、自分。
    それはそれとして。会話を含む独特の言葉使いと雰囲気に引き込まれます。
    情報屋、切ないっ。

  • この本の前に読んでいた本が「探偵」が実は「男」だった、という叙述トリックがあり、この本も同様のトリックが仕掛けてあったのがほぼ意味をなさなかった。
    加えて、詠坂雄二の本は、先に遠海事件を読んでいたのも、楽しみを減らしてしまった一因。こっちから先に読めば、もっと楽しめたのかと思うと残念!

    ストーリーは、ある意味よくある学園内での殺人事件を、探偵役の主人公が解決していくというもの。
    しかし、他の作品と全く違うのは、出てくる登場人物の描写が完璧でないこと。読み手はある意味置いて行かれて、キャラクターが個々の役割をこなす。なぜ、その役割なのかの詳しい説明はない。その部分で賛否別れる作風かもしれない。謎も、「殺人事件」の大きな部分は解決するが「動機」や「真実」の部分はラストで匂わせる程度。
    そこが個人的にこの作家さんの味で、美味いと思ってしまったら抜けられない要因の一つになっていると思う。

  • 学園ハードボイルド・ミステリーといったところだろうか。ハードボイルドの文体でありながら、奇妙な高校生たちが繰り広げる学園ドラマという感じで、何とも不思議なテイストのミステリーだった。

    私立吏塚高校の屋上で発見された男子高校生の墜落死屍体。学内で探偵を生業とする高校生の『私』は同級生からの依頼で男子高校生の死の真相を探るのだが…

    これでもかと言うくらいに張り巡らされた謎と仕掛けに驚きながらも、最後まで気の抜けないミステリー。これが、詠坂雄二のデビュー作とのことだが、驚くほどの完成度である。

  • 3.5★全篇に於いてオチは全部優しく透明化してたと思うんだが、ラストの”最後まで『その可能性』に気づかなかった”という感慨は面白くてつぷった。唯一のドッキリはあの人の死かな‥遠海事件を振り返すと、詠坂が刑務所に例の台詞の微妙さも釈然するわけだ… そして、テーマの表現力もイマイチでな

  • 学園/ミステリー/ハードボイルド
    気軽に読める学園ミステリーかと思っていたら…。
    どこかいびつでわかりづらい。
    誰もが怪しく、謎も多い。
    屋上で発見された墜落死体という魅力的な謎も、淡々と流された印象。
    うまく表現できないが、不思議な魅力があるのは確か。

  • 私立吏塚高校の屋上で男子生徒が転落死していた。事件の謎を高校生の探偵が追及する。

    独特の雰囲気のまま進んでいくため物語に入り込みずらいが妙な読後感がある。読み直したら違った印象になるかもしれない。
    最後の展開は素直にすごいと思った。ただ遠見事件に方が好きかな。

  • 紹介文を読んでも良く分からないまま読み始めたのですが、読了しても、なかなか評価の難しい作品でした。
    学園を舞台にした推理小説。<謎>もあり、「名探偵」もあり、<意外な結末>もあり、でパーツだけを見れば本格ミステリ。
    作風的には、佐藤友哉や浦賀和宏に似てるかな、と個人的には思いました。

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