城を噛ませた男 (光文社時代小説文庫)

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著者 : 伊東潤
  • 光文社 (2014年3月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767068

城を噛ませた男 (光文社時代小説文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小田原北条氏と豊臣秀吉、徳川家康らの新興勢力の進出の最中、どの武士団も生き残るために戦々恐々としていた。特に、戦場に所領を持つ家にあっては、大きな決断が迫られていた。戦国の世は、その繰り返しであった。この小説でも、秀吉は武士団が勝手に侵略することを御法度とすることにより、敢えて秀吉自身の進出を企てる戦略がとられていた。その時代に、自らの城を乗っ取られたように見せかけ、相手を潰しにかかった戦国末期の事実を基にした小説である。小説の題名も上手い。これぞ本屋大賞。

  • 真田丸やってるけど、まさにその辺のお話し。
    非情の戦国の世で、さまざまな策をめぐらせる人たちの生き方を描いている。
    真田昌幸の読み筋の恐ろしいこと。

  • 戦国時代の終わり。全五編からなる短編集。乱世に様々な思いを抱いて行動する人達。色々なパターンの話があって、とても楽しめる一冊だった。

  • タイトルは「城を噛ませた男」だけど、短編集なので
    ここの感想とかそうゆう類のものを書こうかな、と。

    見えすぎた物見…
    小さい集落である佐野家。そんな佐野家の筆頭家老である宝衍の話。
    当時の各勢力に、のらりくらりと応対しているのに対してお家を守るという義の塊なのではないかと。
    外様大名として生き残った佐野家だけども、この物見の仕事が出来過ぎる感が遺恨の原因となり
    結果的にお家取り潰しという何とも皮肉な話。
    宝衍の頑張りも確かによくわかるが、何でも頑張りすぎちゃいかんな…とか。

    鯨のくる城…
    北条家の傘下である伊豆国雲見の海での戦い話。
    鯨漁を主に生活している長、高橋丹波守のとんちにもに似た実に豪快な話。
    秀吉の水軍に立ち向かうため、こちらたちの集落も戦わなければならなくなるけど
    鯨漁を利用して撃退していくその様が清々しい。
    最後の文面に「鯨取りの親方と馬鹿にされながら、伊豆侍の意地をつらぬき、下田城に籠る兵の命を救った上、雲見の地を守り抜いた丹波という男」
    スッキリ後味の良い作品。

    城を噛ませた男…
    この本の表題にもなっている作品。
    ご存知であろう真田幸村の父、真田昌幸の話。
    国を守るため、自分の所有している城を敵方に取らせるという知略でとにかく頭がいい。
    真田太平記を読むとこの昌幸の凄さがよくわかるけど、これはこれでまた違う一面が見えるというか。
    城を噛ませた男というタイトルに実にふさわしいと言っても過言ではないと思う。

    椿の咲く寺…
    可愛らしいタイトルに全く似合わない悲しい話。
    徳川家康に破られた武田家。その家臣であった今福家の残された人々話だけど、最後の最後に仰天。
    こんなのありですか?みたいな。
    なんとも言えない残酷っちゃ残酷だけど、全うした彦蔵はすごいなとか。結果的に切ない。

    江雪左文字…
    この本の中で唯一時系と場所が記載してあって、その場面によって異なるような。
    人の記録を見てるようなそんな感覚。
    北条に仕えて、家康に仕えて関ヶ原でやってやったぜ!話なあるけど
    これはこれで面白いし、駆け引きと心境が変化していく様というか。
    左文字を渡すとことか、小早川秀秋とのやりとりとかもそうだけど江雪のお家が明治維新まで残ったのも初めて知った。

  • 戦国短編集。
    ひとつひとつが味わい深い。
    城を噛ませた男。という題名もいい。
    戦国モノだけど読みやすい。
    マイナーな主人公たちなのもいいわー

  •  表題作を筆頭に良作揃いの、戦国を舞台にした短編集。解説にもありますが、展開や盛り上がりどころが計算され尽くされていて、抜群の安定感があります。以下、話ごとに軽くコメント。
    「見え過ぎた物見」:物理的な意味での「見る」と、先読みという意味での「見る」、二つの「物見」が話に重なってくるラストが絶妙。
    「鯨のくる城」:あたかも作者がその目で見てきたかのような、捕鯨シーンの迫力が凄まじい。
    「城を噛ませた男」:昌幸の顔が笑み崩れるシーン、ほとんどホラー(怯)
    「椿の咲く寺」:五作品の中で、これだけはちょっとロマンチストな印象。彦蔵さんのせいですな(笑)
    「江雪左文字」:時代を何度も行き来するので序盤は入りこみにくかったけれど、最後への繋がりで全て納得。

  • 個人的に、真田昌幸という武将が好きなのだが、表題作で昌幸がとてつもなく卑怯な人間として描かれていたのに衝撃を受けた。確かに戦乱の世のおいては、騙されるのが悪い、という価値観はあったのだろうけれど、本書では義もへったくれもなく、単に嘘をついて騙しただけであったので、読後感が極めて悪かった。収録されている他の作品も読後感はあまりよくないけれど、滅びゆくものとは実際こんなようなことなのかもしれない。

  • 全1巻。
    短編集だけど、著者お得意の、
    全編通して同じ舞台っていう群像的なつくり。
    今作は関東・北条まわり。

    どの話も、基本的には負けた側の物語。
    最後の話は勝ったけど、
    これもまあ負けからのスタートだし、
    負けるが勝ちだし。

    著者のこの手のシリーズは
    語られることの少ない負け側視点が新鮮で
    ハッとさせられることが多い。

    ただ、帯に書いてた
    「伊東潤のブレイク作」的な文句は
    言い過ぎだと思った。
    個人的には似たような構成の
    『戦国鬼譚 惨』とかの方が好き。

    収録作では「鯨のくる城」が好きだった。

  • 短編集。伊東氏はどちらかというとマイナーどころの人物を主人公に書いているイメージがありますが、短編なので知らなくとも読みやすく、初めて読む人にもいいかもしれません。有名どころはタイトル「城を噛ませた男」の真田昌幸。
    「椿の咲く寺」は女性が主人公で、たおやかで、でも戦国の世の強さと悲しさを描く作品となっています。

  • 人は生涯で一度だけ舞台を与えられる。そこでうまく舞いおおせるかどうかが、人の価値を決める。頭は、その舞台で誰よりも見事に舞いおおせた。そして、あっさりと舞台を降りなさった。

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