やすらいまつり (光文社文庫 は 34-1)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767716

感想・レビュー・書評

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  •  花房観音2冊目、著者はアダルトビデオの愛好家である。彼女の作品が際立っているのは文章の上手さとエロ視点のこだわり(マニア的)ってことなのか・・・にしても京都はエロぃ(笑

  • 2016年、39冊目は今年も大活躍だった、花房観音女史の官能短編集「まつり」シリーズの一作目。6編収録。

    今回は順を追って、それぞれ簡単な感想を……。

    『梅まつり』6編読み通すと、1編目じゃない気もする。中盤の方が生きたような……(理由は後述)。伏線&オチの着地はすごく好み。

    『ひいなまつり』コレは途中、オチの予想がついてしまったが、さて、どうなるのだろう。この後を考えさせられる。

    『祇園まつり』コレは上手い。解説にもあるが、冒頭と末尾の呼応。男と女、20代学生時代と30代既婚後の対比が絶妙。

    『地蔵まつり』1編目と対称的に、並びはココに落ち着く。そしてコレも、いくつかの伏線を含んで、この後の展開を考えてしまう。

    『火まつり』花房観音女史、得意のドロドロ系が、後半、5編目にやってきた。短編なので、少し物足りなくはありますが……。

    『やすらいまつり』テーマは官能にありがち。展開は想定の範囲内。ただしソコに漂う空気感はジットリと重い。

    全編通して、主に40代の男と、20代後半~30代の和装の京美人という共通点。まつりの前後の時期、それが行われる京都の寺社周辺を舞台にして描いている。

    個人的に官能シーン、官能描写のバリエーションがもう少し欲しかった。その意味で『梅まつり』は中盤の並びの方が合うような……。

    全体的に、情と欲が混然としているのが、男。情と欲が薄く仕切られているのが女。と描かれているように感じるし、男の自分にも大いに思いあたるトコロがある。

    もちろん、官能場面は匂いたつ程。でも、ソレだけじゃないのよ。京都のまつりや、その縁起等を絡めつつ、大人の男女の少々イビツな関係。容易にイメージ可能な、描写の丁寧さ。少し甘めだが、★★★★☆。

  • 6編からなる短編集。どれも女の方から誘う。容姿やしぐさなどに魅せられ惹きつけられている男にとっては夢のようなひとときだろう。これまで読んだ花房作品に比べ、心の描写が少ないような。行為までのかけ引きが薄く、行為もどれも同じような感じだったのが物足りなかった。ただ女に翻弄される男達というのは健在。

  • 2016 8 29

  • 官能小説って、男にとって都合の良さそうな女ばっかり出てくるのよね~w 男のロマンってやつなのかしらー?ww

  • 表題作を含む6つの作品を収録。京都の祭と官能を絡めている。花房観音の描く京都の女性はセクシーというよりは色香が漂うという表現が似合う気がする。女から見てもすごく色気がある、そんな女性ばかりでこちらまでドキッとしてしまう。大人の女性の色香や色気、そして、京言葉。この3つが重なる事によって美しい官能小説に思えてくる。しかし、どの話も同じような風に思うのは気のせいだろうか。

  • 京都の祭を伏線にした6つの短編集。背表紙には官能短編集とあるし確かにどの話にも激しい交わりがあるけど、個人的にはその部分よりも隠されたメッセージの方が女って怖いなと思わせたしそこが引き込まれる要素なのかも。女の情念のようなものがつまっていた。

  • 京都のまつりを舞台に描かれた官能短編六編を収録した作品。六編のいずれも、燃え上がるような男女の性愛が描かれているのだが、いずれの女性も怖く、身勝手にも映る。それだけ、女性の情念が強いということなのだろう。一瞬の快楽のために我を忘れる男が愚かに見えるとともに女性とは強かであり、快楽の中でも強い想いを胸に秘めている生き物なのかも知れない。

    花房観音の作品は官能小説というジャンルに分類されるのかも知れないが、単なる官能小説で終わらずに男女の深い部分を描かれているのが面白い。

    『梅まつり』『ひいなまつり』『祇園まつり』『地蔵まつり』『火まつり』『やすらいまつり』を収録。表題作の『やすらいまつり』が一番良かった。『梅まつり』『火まつり』も良い。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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