本屋さんのアンソロジー (光文社文庫 お 43-4)

制作 : 大崎梢 
  • 光文社
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767860

感想・レビュー・書評

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  •  「リクエスト・アンソロジー」は、編者がお題を選び、他の作家さんに依頼して執筆してもらうというコンセプトで、2012年に始まったとのこと。
     大崎梢さんは、本シリーズの他に、女性作家集団「アミの会」(ゆる〜い作家女子会?)としても、アンソロジーへ短編を提供しているようです。

     アンソロジーは、お手軽感やお得感から、需要が多いのでしょうか? 私は普段、あまり手にはしませんが、お題が「本屋さん」ということと、10人の作家さんたちにもそそられました。本書は、ほぼ10年前の出版のようです。
     大崎さんがまえがきに次のように記しています。「切り口も語り口も個性的で、味があって、愉快で笑っちゃう。はたまた胸にじんと染みる。なんとも素敵なアンソロジーができました」全くその通りでした。宣伝文句・感想もこれでバッチグー!

     舞台を新刊書店に限定したとのことですが、予想以上に楽しく読ませてもらいました。短い文量の中に、味わい深い作品が多かったと思います。特に、誉田哲也さん編では、なんと、まさかの、あの姫川玲子が登場! やられたー!

     普段贔屓にしているマイ書店がいくつかありますが、改めて全国にある書店の提供してくれる場・多幸感ある世界が広がって、店員さんとも良好な関係性が築かれ、顧客が増えていくことを願わずにはいられません。

  • 本屋さんでは、たくさんの本との出会いがあった。
    行動範囲も広がるにつれ、いろんな本屋さんにお世話になっているけれど、やっぱり今も、本に出会えるというドキドキ感は色褪せない。

    本屋さん、ありがとう。
    やっぱりわたしは紙の本が好きで、ずらりとならんだ本棚はいつ見てもワクワクしてしまう。

    求人広告をみれば、時給はそんなに高くないのに(ごめんなさい!)毎日入ってくるたくさんの雑誌や書籍を手際よく処理して平台に並べて、覚えることもたくさんあるだろうし、ホント忙しいんだろうな。ときには困ったお客さんの相手もしなくっちゃいけないだろうに。

    今日もお疲れ様です。

    けれど、本屋さんが大好きなわたしたちのためにも頑張ってほしいな。
    これからもどうぞ、よろしくお願いします。

  • 本好きで本屋さん好き。
    ということで、【本屋さんのアンソロジー】なんて魅力的なタイトルの本を見つけたら、それはもう手に取るしかないでしょう~(笑)

    有栖川有栖 【本と謎の日々】
    坂木司   【国会図書館のボルト】
    門井慶喜  【夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話】
    乾ルカ   【モブ君】
    吉野万理子 【ロバのサイン会】
    誉田哲也  【彼女のいたカフェ】
    大崎梢   【ショップ to ショップ】
    似鳥鶏   【7冊で海を越えられる】
    宮下奈都  【なつかしいひと】
    飛鳥井千砂 【空の上、空の下】

    10編の短編、楽しめました。
    誉田哲也さんの【彼女のいたカフェ】を読み始めてすぐ、「あれ?これ読んだことある」
    「でも、この本は初めてだし…。展開が違うのか?」と読み進めると、やっぱり~、だってあの人がでてくるんだもん、間違いない!
    で、どこで読んだかしばし考える。
    そうそう、【インデックス】でした!

    宮下奈都さんの【なつかしいひと】には私の大好きなあの作家さんの本が登場して~
    胸が熱くなりました。

    実は有栖川さん、門井さん、吉野さん、似鳥さん、飛鳥井さんは初めましての作家さん。
    これを機に、この5人の作家さんの本も読んでみよう!

    • あいさん
      こんにちは(^-^)/

      アンソロジーって知らない作家さんに出会えるのでいいですよね!
      しかも本屋さんの?気になります♪

      私が...
      こんにちは(^-^)/

      アンソロジーって知らない作家さんに出会えるのでいいですよね!
      しかも本屋さんの?気になります♪

      私が読みたいと思っている作家さん、宮下奈都さんと似鳥鶏さん、大崎梢さんが入っているのが嬉しいです(*^^*)♪
      2016/01/15
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは♪

      好きな作家さんてんこ盛りなんですね~^^
      それは楽しみですね!

      そうなんです!
      私の大好きな作...
      杜のうさこさん、こんにちは♪

      好きな作家さんてんこ盛りなんですね~^^
      それは楽しみですね!

      そうなんです!
      私の大好きな作家さんの本が登場するのですよ~
      誰でしょう~(^_-)-☆
      2016/01/16
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは♪

      そうでしょ!
      本屋さんのアンソロジーって言われたら、気になて仕方ないですよね^^

      初めましての作家...
      けいたんさん、こんにちは♪

      そうでしょ!
      本屋さんのアンソロジーって言われたら、気になて仕方ないですよね^^

      初めましての作家さんにも出会えて、楽しい本でした。
      2016/01/16
  • 本屋さんをテーマ、舞台とした7作のアンソロジー。
    どれも作家さんの個性が出ていて、ハズレのない楽しい作品集でした。

    「本と謎の日々」
    本屋さんで見つかる小さな謎(なくなっちゃうPOPとか、汚れた装丁をありがたがるお客さんとか)を、店長が推理や推論で謎解いていく物語。
    大掛かりな謎や暗号、トリックや出来事はないですが、本屋さんアンソロジーと聞いて私が一番期待した、書店の優しい雰囲気を纏った作品だったように思います。

    「国会図書館のボルト」
    さっくり読めるのがいい。
    グラビア写真集が縁で繋がったゆるい人の絆と、万引き犯を撃退するお話。
    一瞬しか出てこない人が多いですが、みんなキャラが立ってて面白かった。

    「夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話」
    失言で奥さんを怒らせてしまった男性が、奥さんからの謎かけに試される。
    正直答えは早々にわかってしまったのですが、そんなこと関係なく、優しく素敵な雰囲気の作品でした。
    寒い夜が好きになれる、あの歌、私も好きです。

    あと、「空の上、空の下」
    私も空港が好きで本が好きなので、とっても共感して読めました。
    いつもの空間から一歩出ると急に空港なあの感じ、わかります!
    そして、これも人が素敵でした。
    空の上と空の下はなんだかくすぐったくて素敵だし、最後の下りも、とっても魅力的だった!
    人は誰も、みんな何かに愛を抱いて生きている。
    なぜかたまに忘れそうになる真理ですが、とっても素敵だと思います。

  • 本や書店好きにはたまらない!
    10人の作家さんの、本屋さんが舞台のアンソロジー。
    どのお話もおもしろかった!
    本屋 という同じ題材を使っても、本当に十人十色のお話で、いろんな本屋さんや店員さんやお客さんを見れておもしろかった!

  • ずるい、タイトルだけでワクワクしてしまう。10人の作家による本屋さんにまつわる10のお話。
    本を読まない店長が、書店内の小さな謎を鮮やかに解いていったり、エッチな本にビールをかけない小さな書店に集まる老若男達の友情と活躍など、どれも楽しい!
    中学生男子が亡くした母の故郷の書店で不思議な少女に面白い本を薦めてもらう『なつかしいひと』や
    人気小説の「上」と「上」を売ってしまった店員さんに起こる心温まるストーリー『空の上、空の下』も良かった。
    実在の書名や出版社も出てくるし、書店員さんの心の裏側や、POPの話も面白かった。

  • 乾さん、吉野さん、似鳥さんは初読み。『ロバのサイン会』動物ものに弱い私は身構えて読んでしまいましたが、ハッピーで良かった。『7冊で海を~』はユーモラスで似鳥さんの他の本も読んでみたくなった。『なつかしいひと』宮下さんらしい胸に沁みる短編、江國さんの『デューク』を思い出した。『空の上、空の下』飛鳥井さんらしい、拗らせ女子がめんどくせーと思いながらも面白かった。大崎さんと、坂木さんは安定感抜群で、死体の出ない有栖川さんの作品を読んだのは初めてかも。そして『彼女のいたカフェ』では、誉田さんのシリーズ作品でお馴染のあの『彼女』が登場。あの人にもこんな時代があったのね、少し百合風味を感じたのは私だけかな。門井さんの作品は私の好きな短歌がキーポイントに使われていたので、あのヒントですぐに答えが判っちゃった。

  • 書店巡りの魅力を言葉で説明するのは難しい。大型書店、商店街にひっそりとある書店、スーパーやモールにある書店、いろいろな書店があります。どこも置いている本の種類は同じようなものです。でもお店によって、書店員さんによって、驚くほどその陳列には差が出ます。
    このアンソロジーは、言ってみれば書店巡りを疑似体験するような本です。いろいろな書店や書店員さんが登場します。とても楽しかったです。

  • 「和菓子のアンソロジー」からの流れで。もちろん大崎梢さんのファンでもあって。

    ほんっと、つくづく私は本が好きだったんだと。
    どの短編にも惹きつけられて、一気に読んだのは、やはり本屋がモチーフだったからに違いないのだ。

    私の引っ込み思案でおとなしい子供時代、世界は本から広がったのだった。同い年の男の子たちの遊びは私は苦手で、いつも同じ社宅の清水さんのところのかずおみくんの子守りをしながら、清水さんのところにたくさんあった本を読ませてもらっていた。本を読んでいることが私にとっては当たり前の暮らしだった。

    こんなことを、しかも50年近く前のことを、実名入りで思い出してしまった。私は本を読むことで、私をつくってきたのだと、あらためて感じた。

    どれも本当に佳作ばかりのこの本から、私のお勧めを3つ挙げてレビューに代えたいと思う。

    「ロバのサイン会」吉野万理子
    こんな幸せな話、たまらなく好きです。
    「本と謎の日々」有栖川有栖
    書店ミステリーの王道…というか、一瞬、大崎作品かと錯覚しました。失礼!
    「7冊で海を越えられる」似鳥鶏
    店長、たまりません。

    3つ選んでみたけれど…大崎作品を選ばなかった自分にびっくり。

    本を作る人も、売る人も、読む人も、みんな好き。

    装丁や帯に惹かれて何気なく手にした本が、素敵なストーリーやメッセージで輝いていた時の喜びは、それを選んだ自分を自分で褒めてあげたいと思わせてくれる。自分が好きになる瞬間。

    書店で本を選ぶって、その行為そのものが自分へのご褒美になってるような気が、今の私はしているのでした。

    あー幸せ!

  • それぞれの本屋さんを、楽しめました。
    アンソロジーの醍醐味。

    どれも本当におもしろかったけど、一番は『国会図書館のボルト』でしたね!
    ドラマ化してほしいレベル。
    みんなの呼び名も好きだし、店主もいい感じでした。

    有栖川有栖さんと、宮下奈都さんは、らしさが出ていて、好き!!と思いました。

    本屋さんと個人的にお話したことはないけど、いつかお話してみたい。

著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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