絆回廊: 新宿鮫10 (光文社文庫)

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著者 : 大沢在昌
  • 光文社 (2014年11月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (577ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768249

絆回廊: 新宿鮫10 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • まず、桃井さん…この喪失感はどうしたら?という感じで読みながら泣きました。
    このシリーズ、これで終わり?だとしたら、いろいろスッキリしないことが多くて…
    悪い奴は全員逮捕してください!(大沢在昌さん、お願いします!)
    それから、香田さん!前巻で退場かと思っていたので、正直嬉しかったのですが、二人は何故いつもそうなってしまうの?残念でなりません。やっぱり、続編希望です!

  • 新宿鮫を読むのは超久しぶりです。最初に出版されたのが1990年のカッパノベルスだったので、もう20年以上前(?)で、「新宿鮫」「読猿」「屍蘭」「無間人形」までは読んだ記憶があります。

    おそらく自分はこの作品を通じて、新宿の裏社会のこととか、警視庁公安課の闇とか、けん銃や麻薬の密売の手口とか、麻薬常習者の異常さとか(無間人形の「アイスキャンディー」はとってもリアルで、読んでいて恐怖を感じたことを今でも覚えています)を知ったのではないかと思います。

    そんな新宿鮫の10作目がこちら。

    主人公は新宿署生活安全課の鮫島。キャリアながら過去のいきさつから一匹オオカミとして新宿区内の犯罪に対処しており、その強硬な捜査手法と、食らいついた絶対離さない執念深さから、裏社会では「新宿鮫」と呼ばれている人物。

    今回はその新宿に、25年の服役刑から出所した男が、刑を服している間に家族を引き裂かれた恨みとして「警官を殺す」ため、銃を入手しようとしいる、という情報から事件が発生する。

    銃を手配しようとする男を追う鮫島が、その過程で中国残留孤児らで組織される犯罪組織の存在を知り、さらにその集団に、新宿の暴力団も関与していることをつきとめ、一人でその捜査を行うことに。

    ・糖尿病、肝硬変、痛風はヤクザの職業病。それにかかったら刑務所入って規則正しい生活して、治ったころにまた出てくる。
    ・芸能人が薬物やってる場合、警察は徹底的にこれを宣伝に使う。これが一番防止に役立つから。
    ・北朝鮮と中国の国境線には麻薬の密売ルートがある。麻薬取引の際、北朝鮮の役人には金よりもぜいたく品を渡すほうが喜ばれる。
    といったようなちょっとした知識が入ってくる。

    この新宿鮫の人気は、一人でコツコツと捜査を進め、犯人を追いつめて、最後は銃撃戦を含んだバトルが繰り広げられますが、その中に、関わった人物達との友情や、恋人同士の愛が描かれていて、バイオレンスなのに、読んでいて最後はハラリとするところかと思います。

    で、今回は、10作に渡って鮫島を支えていた、鮫島の恋人で「ロケットおっぱい」の晶、「まんじゅう」と呼ばれる上司の桃井、「名前が理由で医者を諦めた」鑑識課の藪といった仲間との別れが描かれていて、やはりハラリとくる感じで終わっております。久しぶりに読むのも良いかもしれません。

  • シリーズ10作目にして衝撃の展開……っあぁぁぁぁぁ桃井さんがまさか桃井さんがっっ殉職するとは…っっ(涙)
    もうそのショックで色々吹っ飛んだわ…!

    晶との関係も微妙だし、鮫島は一人になってしまうのか…?今作が出てるのに気づいたのも今頃なんだが、次作はまだ出てないようだし、続き気になるところです…!

  • 二十年以上の服役を終え、新宿に帰還した大男が果たすべき因縁。鮫島を支えてきた絆さえ清算されてしまうシリーズ第10作。
    第一作が1990年。それから二十年の長期間に及ぶシリーズだが、新宿という街のように全く熱情が衰えることがない。本作では、中国残留孤児二世らの闇の組織が絡む事件だけではなく、鮫島の支えである晶や桃井との訣別が物語の柱となり、集大成的意味合いを持つ作品になっている。明確なシリーズ完結の情報はないが、新たな鮫島の姿に再び会えるのか心配だ。

  • 香田さん、どうしてるかと思ったら警察に極近いところにいた。相変わらずだが。それにしても、ストーリーは今回も十分に裏切られることは無かった。おもしろい。だが、悲しいことがいくつかあった。桃井さんの死、これは今後の鮫嶋にどんなえいきょうを与えるのか?そして、晶との別れ。これで終わりはないと勝手に思ってる。下里、うっとおしい奴だと思っていたが、結果的には鮫島を助けることになった。本人も助かって良かった。次の作品がいろいろと楽しみ。

  • このミスベスト10、2012年版4位。本読むの最初のとっかかりで作品のルールを理解するまでがしんどいけど、しリーズものはそのあたりが楽に入れる。逆にまんねり化するおそれもあるけど、このシリーズは毎回、事件をめぐる人間や組織の関係がしっかり設計されており、新しいキャラもしっかり書き込まれていて良くできてる。特に本作はストーリーが秀逸で、単独の作品としても十分通用する、シリーズで1、2を争う傑作と思う。晶の扱いも最近は難しくなってきて、登場すると話が薄っぺらくなってしまうような感じがしてたけど本作ではうまく処理したなって感じ。ただし、本当にこの作品で初めてめてこのシリーズを読む人に晶と鮫島の決断の重さとかがどんだけ感じれるかわからんし、香田が何しに登場してるのかよくわからんのではと思ったりする。お勧め度という意味で評価をつけると、シリーズものはどうして勧めにくくって1点減点されてます。この間、佐々木謙の本読んだときは加賀谷の方がかっこいいかなと思ったけど、やっぱり鮫島もかっこよかったです。

  • 新宿鮫シリーズを読破した達成感よりも新宿鮫シリーズを読めなくなるという悲しさの方が多い。

    とにかく面白かった。

  • 同性愛の男性が。
    ノン気、というのでしょうか、全く同性愛の趣味の無い男性に、惚れちゃうわけです。
    惚れらてしまった男は、相手が同性愛者だと知っていて、でも自分は全くその気がないよ、という前提でしか、接しません。
    まあでも、それでも良い訳です。
    別に隙を見てキスしたいとか触りたいとか、そういう次元じゃないんです。
    純愛。
    だからまあ、「私は実は同性愛者です」と言わなければ、傍目には、「熱い友情」とでも見えるような。

    #

    2011年の、大沢在昌さん「新宿鮫Ⅹ 絆回廊」。
    前作の「狼花」が2006年だったので、足掛け5年。
    ちなみに、2016年現在、長編としては未だ新作が出ていませんので、かれこれ、もう5年。

    ちなみに、「新宿鮫シリーズ」の、発表のペースは。

    ①新宿鮫 1990
    ②毒猿 1991
    ③屍蘭 1993
    ④無間人形 1993連載開始
    ⑤炎蛹 1995
    ⑥氷舞 1997
    ⑦風化水脈 2000連載開始
    ⑧灰夜 2001
    ⑨狼花 2005連載開始 
    ⑩絆回廊 2010連載開始

    となっています(多分。間違ってるかもですが)。

    やっぱり、書く方も疲れるし、飽きるんでしょうね。
    完成度落としたくなかったら、発表ペースを落とさないと、キツいでしょうねえ。

    #

    「出所した犯罪者が、逮捕に関わった刑事を恨んで、殺そうとする」

    という犯罪が、今回の物語の軸です。

    それ自体に国際性もありませんし、激しい銃撃戦もない。

    ある意味、とっても人情味あふれる小さな事件。

    (その上、美女も美男子も出てきません(笑)。初老の犯罪者、初老の刑事、中年の刑事... そして、初老のオカマさん...)

    ただそれだけ、の小さな事件にミステリーを謎かけて、人物の魅力をチラ見せしながら見せ過ぎず。
    小さな出来事が、人物と人物の間を「セリフ」が行きかう会話の味で十分に堪能できる、というおおらかな自信。
    なんというか...「緊密過ぎない緊張感」 「計算されていないから積み重なる説得力」 みたいなものがあります。

    そして、いったい何の話なのか?
    というのは、後半に進むに従って、輪郭がハッキリしてきます。

    #

    過去に関係しちゃった人間との結びつきとか。
    嫌でも止められない人間関係、家族とか。
    そういうものに縛られて、行くよねえ。歳を取るにつけ。

    まあ、痛かったり残酷だったりもするんだけど、
    止められないんだよねえ。それが無いと。

    それでまあ、次の世代へ、次の世代へ、因果は巡る...だ、なんて、若い頃には思ってもみなかったけどねえ...

    と、まあそういう。
    寒い街角で目を伏せてつくため息の、淋しさとアタタカサ、みたいな情景なんですね。

    マア、その狙いが素晴らしいか、なんてことは実はどうでもよくて。

    その狙いを、こんなに上手く(面白く)描かれると、脱帽ですねえ、と思いました。

    #

    これはもう。
    エンターテイメント小説、ハードボイルド小説、大都会での犯罪物語、呼び名はともあれ、そのジャンルで長年小説を書き続けてきた作者ならではの。
    大らかで真っ直ぐで、ざらざらした木彫り、鉈彫りみたいな肌触り。さすがですねえ。
    「こういうような小説」は、星の数ほどあるでしょうが、
    「こういう出来栄えの小説」は、滅多にあるものぢゃないです。本当に。

    #

    脇役の1人に過ぎない暴力団幹部がいて。
    途中でチラチラ出てきて、ラストで主人公に自首するんです。
    そこでその暴力団幹部が「ま、仕方ない」みたいなことを主人公と語り合うのですが。
    こういう何気ない脇役の何気ない場面が、なんだかもう、男臭い映画の名場面のようにキラキラしてるんですよねえ。

    #

    ちなみに、前作で警察を辞めた「香田さん」が、公安関係の下請け機関で働いていて、重要な情報を主人公に持ち込む役回り。
    もうこの「香田さん」をめぐる世界は、主人公とのバチバチ敵対感が、さながら「ブラック・ジャック vs ドクター・キリコ」のわくわく感です。

    こういう、宿命的に「白すぎるツマラナサ」を背負っている正義の主人公に対して、「ブラック主人公」みたいなキャラクターをちゃんとぶつけてくる。
    その人物がまた、たまに憎らしいけど、随分魅力溢れてたりする...。

    大抵の面白いヒーローものには、「ドクター・キリコ」が必要なんですよね。
    さすが、手塚治虫さん。

    (...って、遡ると、手塚治虫さんも大好きで、漫画化までしている、「罪と罰」の中の、スメルジャコフさんに行きつくのか...
    恐るべし、ドストエフスキーさん)




    #####




    以下、完全に個人的な備忘録。

    #

    新宿署の刑事・鮫島さんの死っている、プロの売人「露崎」。
    この露崎さんというのが、そりゃ、売人で犯罪者なんですが、ある意味「プロ」。
    軽い感じなんですけどわきまえていて、なかなか好ましい人物。

    この露崎さんから、「初老の大男が、警官を殺すために拳銃を買いたい、と、新宿を歩き回っている」と情報が入ります。

    今回の出鼻は、鮫島さんがこの謎を追います。

    どうやら、長く刑務所に居た、元ヤクザなのではないか。

    この謎を追ううちに、とある暴力団と、提携する中国人犯罪者集団の姿が。
    そして幾つかの死体。露崎さんも。

    結局、謎の大男は「樫原さん」と言って。
    かつて、暴力団でもないのに、腕一本で幅を利かせ、子分も抱えていた「愚連隊」の親玉みたいな人でした。

    この「樫原さん」は殺人で服役。
    中国人の女性との間に息子が産まれていて。
    なにかと大変だったので、鮫島さんの上司の「桃井さん」が、中国に帰国させてあげていた。

    ところがその後、色々不幸な偶然で。
    「樫原さん」は、「桃井さん」が自分の妻を乱暴して中国に送還したと勘違い。
    激しい恨みを燃やして出所してきました。

    そしてこの、「樫原さん」を慕ってサポートしているのが、
    歌舞伎町でバーをやっている、同性愛の初老のオカマさん。

    そして、その「樫原さん」の息子は、中国人として成人して、中国と日本とアジア各国を股にかける、犯罪者になっていました。

    物語は当然のように。
    主人公、樫原さん、その息子、オカマさん、桃井さん、全員が、川が海に流れ出るように、同じ場所に吸い寄せられていきます...。

    そして。
    逮捕のアクションのバタバタの中で、桃井さんが殉職。シリーズ第1作からの連続出演キャラクター。うーん。名残惜しい。

  • J様後追い第10弾

    読み終わって、まだ涙がじわじわ止まらず。
    ほんとにかけがえのない人を失ってしまった。
    でもほんとはもっと味方?理解者がいてくれたようで嬉しくもなりました。

    またまた後半は一気読み。
    なんでしょう。このシリーズはほんとに犯人側のドラマを読ませるところがありますね。
    冒頭も締めも鮫島関係ないし。
    主役はどっち?だけど惹き込まれます。

    このあとどうなるんだろうか?
    一生、晶なしなんて無理だと思うけど、鮫島の言うとおり隠れて付き合うなんてもっと無理なんでしょうね。

    ヒトシ(あえて)のその後も気になるけど、出てこないかなぁ。

    てゆーか、10冊までしかないけど、このあとも続くんだよね?
    自分で妄想するのも嫌いじゃないけど、いつも想像を越えてきてくれるので、切に次の話を希望します。

  • マンジュウがマンジュウに!
    金石が悪役なんだろうけど、他の連中がみんな善人だし、その金石がめちゃめちゃ強いかと思ってるとやられちゃうし。
    もう少しワルが強くないとと感じた。

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