ロスト・ケア (光文社文庫)

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著者 : 葉真中顕
  • 光文社 (2015年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768782

ロスト・ケア (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「身内の介護というのは、多くの人が直面する問題だ。極めてプライベートなのに、社会問題でもある。」(解説文)
    「人間ならば、守られるべき尊厳がある。生きながらえるだけで尊厳が損なわれる状況に陥っているなら死を与えるべきだ」との信念を持ち、「犯罪を犯したことは認めたとしても、罪は背負わない」と宣言する犯人。
    「たとえどれほど立派な信念に基づいていようとも、救いのための殺人など認めるわけにはいかない」と、検事は対決する。
    彼の殺人という行為は、救済と言えるのか。
    そして、繰り返し語られるイエスの言葉。
    「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」
    少子高齢化と人口減少が進展し、介護問題が我々に重くのしかかる、そんな現代に一石を投じる日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品。

    3.11.以降、流行語とさえなった”絆”、この言葉には、手枷足枷、人の自由を縛るものという意味もあると、著者は記している。

  • 著者初読み。ブクログで社会派ミステリーと話題になっていたので、読んでみた。
    まず、一番最初に驚いたのが、介護の実情を10年前に問題になったコムスン問題に正確になぞらえてたこと。感想では見かけなかったので、そういう問題があったこと自体、忘れられているのだろうか?
    当時、コムスンの親会社に近しいところで働いていた自分には、前半はそれだけにグイグイ引き込まれた。
    そして、「彼」の正体が分かった時の衝撃!
    それまでも、人間誰しも、迎える可能性のある将来や、どんなことがきっかけで人生を転げ落ちるか分からない未来など、とても小説とは割り切れない内容で、すごく考えさせられたのに、「彼」の正体と同機はさらなる問題を心に投げかけられた気がする。
    主人公である大友がクリスチャンでなければならない意味も、ラストで理解出来た。
    この作品がデビュー作のようだけど、これからも楽しみな作家さん。

  • (15.10.26)

    現代の日本における介護や終末医療に関する問題を提起するような、限りなくノンフィクションに近い話。自分も祖母の介護を目の当たりにしていた経験から、とても考えさせられる一冊だった。被介護者にとって、また家族を介護する者にとって、本当の幸せとは一体何なのだろうか。そして日本の社会福祉制度は、高齢化の加速する今後の社会においても本当に機能するのだろうか…うーむ。

  • 老人介護問題をテーマに、現代社会の矛盾や人間の善悪を鋭く突く衝撃作。日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
    読み終わっても心の整理が未だに出来ない。それほど深くえぐられたように考えさせられる。自分自身だけでなく、妻と子供、両親の数年後を想像してしまう。そして、決して明るい展望が見えてこない現実に気が滅入る。
    また、『絆』という言葉のもうひとつの意味を初めて知った。これにも身震いする。何もかもが衝撃的で文句なしの見事な傑作。

  • 介護をテーマにした、高齢化社会といわれる日本にズバッと鋭いメスを入れた感じ。
    リアリティーのある問題なだけに、すごく考えさせられた。
    この作家さんのデビュー作だということだけど、次も期待大!

    2017.11.21

  • どんでん伏線ポインツについて、髪型とかはまあ良いんですが、セダン型の白い車については後出し感が否めない。しかしそれを差し引いても(例えどんでん返し系でなくても)★5である。ぐいぐい読ませる。

    迫りくる自分の老後に、働けるうちにどれだけ貯蓄できるのかという不安が伸し掛かり、捨て捨て生活に磨きがかかっております。

  • これ不謹慎なのかもされないけど、すごく納得できる。過去の価値観の資本主義では成り立たない現代のゆがみが、この本そのものみたい。

  • すごく惹き込まれました!
    人の場面ごとに年月日が記入されており、時系列を考えながら流れを追っていくと・・・
    それぞれの流れや意味合いなどがうまく切り替えられて、テンポがあり、追っていくごとにスリル満点でした!
    すごいですね。そして、内容もすごかった・・・。
    でも、頷けるものでした。辛辣というか、これって風刺ですかね・・。ハマナカさん、もっとたくさん書いて下さい!どんどん読みたいです!楽しみです!

  • このミス、2014年版10位。つい最近、家族の希望で延命治療を停止する話しをTVで見て、昔は家族と医師で延命治療を中止したらダメだったはずだけど変わってきてるんだって思ったとこでした。これからは、ますます高齢化社会が進んでくると消極的安楽死(尊厳死)だけじゃなく、積極的安楽死についても認められていく可能性がありますね。ただでさえ非生産的な人口が半数程度になってる社会において、その他の弱者の人権をも尊重するための福祉への負担はホント大問題ですね。この本が問題提起しているように感情に流されずきちんと対応し制度を変えていく必要があると思います。あと、偶然に起因してるのはアレだけど、犯人を絞り込む手順も独自性があって凄い才能だなと感心しました。淡々とした抑えたスタイルで全体的に地味ですが、レベルの高い作品と思います。

  • 個人的には久々の社会派ミステリーの傑作。
    小難しい内容かと思いきや、意外とエンタテイメントで
    今後も自分に振るかかるであろう現実的な
    不安もあってか、ぐいぐいと読み手を渦中へと
    誘う展開が秀逸・・・・。

    「絶叫」が読みたい

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