気骨: 鬼役(十四) (光文社文庫 さ 26-18 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2015年3月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334768928
感想・レビュー・書評
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鬼役シリーズ14巻目。
このサクサク進む感じ、毎回楽しみで読んでる。
今回は鬼役、矢背蔵人介の息子鐵太郎と
居候の卯木卯三郎がほぼ主役
まぁお父さん頑張ったな!
お母さんも頑張ったな!
と、褒めたくなるあっぱれな内容盛りだくさん。
卯三郎が養子に出させるかどうかのこととか
鐵太郎が自分のやりたいことに進むかどうかとか
家族っていいなぁと思った今回の内容。
しかし嫁の幸恵さんの弓のシーンが
一番痺れた。
そしてラストの鐵太郎が大阪までの長い道のりでの別れ。
ジーンときます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回は危機に直面する鐵太郎を守る母。
さすが弓の達人、お偉いさんにも屈しず、弓をとる姿は
やはりあの姑にこの嫁あり
放つ言葉も頼もしい。
ファミリードラマ的要素もこねシリーズの良いところ。
鬼役家の女性達には憧れを感じます。 -
最後は少しウルウル
鬼役シリーズでは特別な内容か
親子、家族考えさせられた -
「加賀の忠臣」で、1年に1度の友と飲む酒は、和やかな物であった蔵人介と杉浦中馬。
その中馬が、公儀の煙硝蔵を爆破させて、逃亡。
その真相は、煙硝蔵を容易に爆破できることを満天下に報せることで、火薬相場が高騰し、硝石を有する者が、多大な利益を得ることになるのだ。そして、その裏に、塩屋と言われる者が、、、
笹部平内の金の亡者にも、、、
杉内中馬を亡くしたおみよが、可哀相である。
「末期養子」
言葉は知っていたのだが、武士のお家存続のためには、大変な手続きが居る。
今のように、ドライアイスがあるわけでなく、その手続きの為に、何日もの遺体を、生きているようにしないといけないのも、、、
卯三郎も、養子になることを受け入れるのだが、、、、事実、卯三郎は、剣の腕も優れ、鬼役の勤めにも興味があるので、蔵人介としては、実の子の鐵太郎に跡目を継がしたい思いと、素質が、勉学の方が、良いのでは、との思いに揺れ動く。
3話の「別れの坂道」と同様に、家族勢揃い、鐵太郎の事を重んじ、皆、一同が、一つになって、白装束で、立ち向かう。
1日違っていたら、鐵太郎も捕まり、矢背家も、どうなっていたのか分からなかった事だろう。
親の有難さ、そして、自分は、周りの者たちの優しさに気付かされることは、鐵太郎だけでなく、日頃怠慢の生活をしている私にも、既読して、当てはまることだと思った。 -
なんて素晴らしい家族愛。
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第十四弾
形式は変化なく三話の話、全てに登場人物の気骨が感じられ、息子の鐡太郎、そして卯三郎に変化の兆しが
幕末へ向かい鳥居との確執は? -
2015年3月刊。文庫書下ろし。シリーズ14巻め。3編の連作短編。鐵太郎から、卯三郎への交代劇は、なかなかにスムーズで、見事。マンネリ打破の工夫です。次巻が楽しみです。