伊藤博文邸の怪事件 (光文社文庫 お 35-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769222

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説作家の書いた本格ミステリ。毛色が違うのだが、文章が読みやすく、伊藤博文や津田梅子という歴史的偉人が出てきていて、違和感なく読める。事件や動機は時代小説っぽく地味なのだが、仕掛けは本格ミステリらしい。シリーズものの禁じ手ですが。よくあるといえばよくある感じ。

  • うーん...物語の設定だったり、主人公の潤之助のキャラクターだったりというところは良かったのだが、正直ミステリーとしては弱い。
    著者は本格ミステリーを書きたかったようだが、これは本格ミステリーとは呼べないだろう。

    密室トリックなんてものはないし、名探偵役と思わせていた月輪が実は偽物、というのも興醒め。
    むしろ大河内や岩村たちが警察関係者だった、という事実の方が面白かった。

    次作、『黒龍荘の惨劇』は巷の評価通り良作であることを祈る。

  • 伊藤博文邸の書生・杉山潤之助の手記にある、〈はなはだ奇異なる事件〉を、口語体の小説に仕立てた、という体の作品。
    国会開設までに、憲法を作成する必要性。
    交友関係として登場する、実在の人物たち。
    時代背景や、当時の雰囲気を味わえる作品。
    トリックには疑問符がつくが、時代性を感じさせる二転三転ぶりはおもしろかった。

  • 岡田秀文さん初読み。たまたまNHKの知恵泉で「伊藤博文 国会開設・憲法制定への道」を見たところだったので、ものすごくタイムリー。伊藤博文って朗らかな人だったのだなあ。
    邸内での犯行ゆえ、どんどん絞られていく犯人。最初からなんか怪しいあいつやあいつ。どこまでが史実でどこからが虚構かわからない明治の空気感が楽しい。

  • ミステリ風味の時代小説として軽く読めます。

    ミステリとしては、警察側の行動に無理がありすぎだと感じました。
    また、「実はソックリさんでした」のオンパレードですが、
    前触れが特にないため、唐突な印象ばかりを受けました。

  • 歴史上の人物が出てきて面白かった。伊藤邸のメンツがまさかねって、展開も○

  • いろいろな歴史人物が出てきたのも面白かったですが、事件と絡む感じもなくちょっと物足りない感じでした。
    事件はどんでん返しがあったりもしましまが、ちょっと期待したよりは…って感じでした。

  • つまらなかった、というわけではないのだけれど…
    どんでん返しも、ちょっと「おおっ!」と思ったのだけれど…
    殺人が起きて、犯人探しをする他にドラマ性が少ないというか、この時代だった必然性とか、(政治的背景は少しはあったけれど)生子(仮)や津田さんが登場したけれど、事件とどういう関係があったのだろうとか、どうしてこれを書かなければいけなかったのかという必然性を感じられるエピソードが無い。
    …ような気がする。
    面白い時代で、興味があっただけに残念。
    期待しすぎたのかも。

  • 事件そのものが小粒なのと、歴史上の人物の造形が浅いところに物足りなさが残りますが、密室、推理合戦、手記形式を利用したミスディレクション、大どんでん返しなど、推理小説のネタが盛り沢山ですし、事件と時代背景を上手く絡めているところや、歴史小説なのにライトに読めるところなど好印象な点が多く、トータルで見ればなかなか良く出来た作品だと思います。

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