グランドマンション (光文社文庫 お 19-10)

著者 :
  • 光文社
3.12
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本棚登録 : 570
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334769949

感想・レビュー・書評

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  • ある老朽化したマンション住人たちの話。各住人が各話の主人公となって語る。
    起こることはオレオレ詐欺や不法侵入など物騒なことばかりだが、最後の種明かしは予想を裏切る。

    読者の思い込みを利用した話の作り方で、各話の最後に一本取られたと思わせたいんだな、という感じ。けっこう無理矢理な感じにどんでん返しに持っていく感は否めない。
    かつ、登場人物たち全員に好感が持てないため、読後感は良くない。

  • ジジババ群像劇

  • ☆3.8

    グランドマンション一番館には様々な人が住んでいる。
    そこではトラブルが起こることもままあって……

    流石、折原一。
    こういうことかなと考えながら読んでも、いつでも予想の上を軽々と行ってくれるので、こちらとしても気持ちよく騙される。
    登場人物たちは、ちょっとこの人近所にいたらイヤ〜!となる人もいて、その微妙に遠ざけたくなる気持ちもわかっちゃう。
    絶妙な人間関係。

    最初の一編「音の正体」を読んで、うん、そういう感じねとウムウム頷く。
    そういうの、好きよ。
    「善意の第三者」がとても良い衝撃でした。

    「リセット」と「エピローグ」が連載を単行本化した際に書き下ろしたというだけあって、それまでに起きたことや出てきた人物たちが関係してくる。
    このまとめ方もなんだか豪華に見えて、『グランドマンション』ってタイトルにふさわしい感じがした。

  • 思っていたよりどんでん返し多め。

    グランドマンションというタイトルだけあって
    登場人物は多いけれど、そんなに読みづらさは感じなかった。文章が自分に合っていたのかもしれない。

    ページ数は文庫にしては多めだけれど
    3時間ほどで読み終えた。

  • 舞台は賃貸のグランドマンション一番館。
    いけ好かない住人たちによる気持ち悪い話のオンパレード。…といいつつ、折原一さんが仕掛けるトリックに頭を混乱させられるのは毎回面白い。うまいと思う。

    「隣りは何する人ぞ……」
    騒音・異臭騒ぎ、最近見かけない高齢の住人、箪笥預金を狙う隣人、おせっかいな住人、謎の若者、やる気のない管理人…。
    幼児虐待、DV、年金不正受給、振り込め詐欺etc社会問題がこのマンションに集中。偶然なのか、仕組まれたのか?

    「○○さ〜ん!いますか〜?」とドアをしつこく叩き、次に腐臭がしないかドア越しにクンクン臭いを確認するこんなマンション、嫌だわ…(-_-;)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      なおなおさん、おはようございます〜♪
      わたしも気がついてましたよ。やっぱりひとことだけコメントしたくなりました☆
      アイコン可愛いですね〰️!...
      なおなおさん、おはようございます〜♪
      わたしも気がついてましたよ。やっぱりひとことだけコメントしたくなりました☆
      アイコン可愛いですね〰️!!
      アイコン3きょうだい〜(✪▽✪)♡
      2023/09/18
    • なおなおさん
      チーニャさん、ありがとうございます。
      元々あおいさんとはアイコン姉妹で、そこにManideさんが興味を持たれ、兄?弟?としてやって来てくれた...
      チーニャさん、ありがとうございます。
      元々あおいさんとはアイコン姉妹で、そこにManideさんが興味を持たれ、兄?弟?としてやって来てくれたのです(^^)
      これからもちょっとしたアレンジをしていきます。よろしくお願いしますᐡ- ·̫ -ᐡ
      2023/09/18
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      はーい、いいですね〰️(✪▽✪)♪

      これからも楽しみにしていま〜す
      \(^o^)/♡♡♡
      はーい、いいですね〰️(✪▽✪)♪

      これからも楽しみにしていま〜す
      \(^o^)/♡♡♡
      2023/09/18
  • 「折原一」のミステリ連作集『グランドマンション』を読みました。

    『漂流者』に続き、「折原一」作品です。

    -----story-------------
    「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。
    騒音問題、ストーカー、詐欺、空き巣──次々に住人が引き起こすトラブル。
    そして、最後に待ち受けていた大どんでん返しとは……。
    希代の名手が贈る必読の傑作ミステリー連作集。
    -----------------------

    隣人問題、騒音問題、虐待、不法侵入、年金不正受給、振り込め詐欺、火事…… アクの強い住人たちが、これでもかとばかり次々に問題を引き起こす「グランドマンション一番館」を舞台にしたミステリ連作集、、、

    奇想と騙りが炸裂する、不可解で愉快なグランドマンション… 叙述トリックの連続で、何が起きるかわからないドキドキ感が愉しめる作品でした。

     ■音の正体
     ■304号室の女
     ■善意の第三者
     ■時の穴
     ■懐かしい声
     ■心の旅路
     ■リセット
     ■エピローグ
     ■解説 杉江松恋

    202号室に住む騒音に敏感な「沢村英明」は、真上の302号室に住む子どもの足音や赤ん坊の泣き声等の騒音に悩んでいた… 「沢村」の我慢は限界に達し、育児放棄や虐待を繰り返しているらしい母親に苦情を、、、

    その後、子どもの生活感が全く感じられなくなり、子どもたちは母親の手で殺められたのでは!? という疑惑が「沢村」の頭に浮かぶ… 被害者かと思った人物が、実は加害者だったという、どんでん返しが愉しめる『音の正体』。


    303号室の「松島有香」は、グランドマンション二番館の販売事務所に勤めており、所長の「大田原浩平」と二人で事務所をやりくりしていた… ある日、「牧野麻子」と、その婚約者「杉崎大介」が事務所を訪ねてきて304号室を成約、、、

    その後、「有香」は、鍵の紛失、携帯の紛失、さらに、不審な電話と不穏な出来事が続き、そして、「麻子」が「大介」と「有香」の不倫を疑い、ある罠を仕掛けてくる… 「麻子」や「大田原」の住居について、意外な結末が愉しめる『304号室の女』。


    206号室の「高田英司」は、高齢の母親「筆子」と暮らしていた… 彼は民生委員をやっていて、305号室に住む「久保田綾香」に想いを寄せていたが、ある日偶然、「綾香」の婚約者「立川茂樹」の浮気現場を発見し、その事実を善意の第三者と名乗り、手紙と証拠写真で「綾香」に知らせる、、、

    さらに正義感の強い「高田」は、「綾香」の祖母「ミヨ」の年金不正受給を暴こうと、ある行動を起こすが、それによりある事実を知ることに… 叙述トリックを使って、30年の時間軸の差を巧く使った『善意の第三者』。


    203号室の「瀬沼富男」は無職で家賃滞納中、ミステリマニアで多数のミステリ稀覯本を持っている「瀬沼」は204号室の老人「佐久田芳子」が多額のタンス預金をしていることを知り、ミステリ作品の密室犯罪を参考にしながら「佐久田」の金を奪うことを計画する… しかし、「瀬沼」は犯行を実行する前に自室で殺され、しかも、そこは完璧な「密室」であった、、、

    「瀬沼」は殺される直前、警察に電話して犯人は管理人だと告げていたが、管理人にはアリバイがあった… 密室を扱うという本格ミステリのパロディっぽさが愉しめる『時の穴』。


    105号室の「多賀稲子」がオレオレ詐欺で500万円を騙し取られ、続いて106室の「塩崎俊夫」が200万円を騙し取られ、301号室の「塚本ハル」のところにもオレオレ詐欺らしい電話があるが、「塚本ハル」は騙されず、逆に犯人を出し抜こうとする… 民生委員の「高田」は104号室の「岡安亮太」が怪しいと疑う、、、

    意外な人物が犯人でしたね… 被害者かと思った人物が加害者だったという叙述トリックを愉しめる『懐かしい声』。


    103号室の「武藤留子」は、突然、部屋を訪れた男を思わず殴ってしまった… その男は救急車へと運ばれていくが、その後、「留子」は男が落としたであろう鞄を拾い、鞄の中に入っていた手帳に書かれていた、ある少女の壮絶な日記を読むことになる、、、

    叙述トリックを使って時間軸を錯覚させることで、謎めいた物語りに仕上げてある『心の旅路』。


    105号室の「多賀稲子」は、窓のカーテンを開けると戦慄が走った… なんと、目の前にあったはずの「グランドマンション2番館」が消えてなくなっていたのだ、、、

    「稲子」は痴呆が始まっており、他の住民と話がかみ合わない… そんな中、民生委員の「高田」が年金の不正受給で逮捕され、106号室の「塩崎」も事故に遭う。

    「グランドマンション1番館」と「2番館」を誤認させるトリックと、管理人を誤認させるトリックの、二つの叙述トリックを愉しめる『リセット』。


    『エピローグ』は、放火で焼失し、新しくなったグランドマンション1番館を売りに出している「大田原浩平」と「松嶋有香」の後日譚ですかね。


    8つの物語の連作となっているのですが… 印象に残ったのベスト3は『音の正体』と『304号室の女』、『懐かしい声』かな、、、

    そして、『時の穴』が次点かな… サクッと読めて、叙述トリックを堪能できる一冊でした。

  • ★購入済み★

  • 3分の1残して返却…。
    「群像劇」で調べたらヒットした作品で図書館で借りてみたが、読了前に返却期間が来てしまった。
    すぐにでももう一度借りて、ラストが知りたいという気にまでは行かず、一旦中断。また気が向いたら借りて途中から読もうかな。

  • グランドマンションの住民たちの連作短編ミステリー。叙述トリックが効いてて私は結構好きな部類(*^^*)。それぞれのストーリーにぴりっと仕掛けが効いてて最後までワクワクして読み進め、ラストにそういうことだったのかー、と楽しく読めた。

  • 登場人物が嫌な人ばかりで集合住宅の大変さが伝わってきてげんなりする

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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