安楽探偵 (光文社文庫 こ 37-4)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772383

感想・レビュー・書評

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  • 安楽探偵なので探偵は事務所から一歩も出ません。というか依頼人の回想を除けば、物語はすべて探偵事務所の中で進行します。
    お話はだいぶブラックユーモアが効いています。叙述トリックも少し入ってます。読み手を選ぶかもしれませんが、楽しめる1冊でした。

  • タイトル買い。短編が6個でサクサク読めた。
    最初のほうは面白いなと思ったけど、だんだんクセの強い探偵の会話の合わなささにうんざりしてきてしまい、、3つ目4つ目あたりはかなり苦手だなぁと思いながら読み進めた。
    でも、最後の一つは別格。今までのモヤモラやイライラを解消してくれる内容だった。
    ただ、、基本的にはこの作家さんのテイストはやっぱり苦手かな。。

    1番面白かったのは、本筋とは多少ズレるんだけど、モリアーティについての考察。これについてもっと書いてほしかった笑

  • 事務所から一歩も出ずに事件を解決する探偵
    連作短編集
    読者をミスリードして最後にひっくり返すストーリーで、冒頭の前フリが事件のミスリードとリンクしていくパターンが一貫している。
    最終話だけは、それまで解決してきた事件自体が謎になり連作短編集として纏められています。

  • 昨年夭逝された小林さんの本。アームチェアディテクティブもの。ブラックユーモア溢れる短編集だが、時折背筋がゾッとするような不気味さがあり、かなり楽しめる短編集。ホラーやグロテスクさも、やや少なくライトに楽しめるのでは。

  • ミステリ。連作短編集。
    タイトル通りの安楽椅子探偵もの。
    探偵と助手のシュールな会話、奇妙な事件、ブラックユーモアと、独特の雰囲気がある。
    最終話のまとめ方も一捻りあって良い。

  • 内容は淡々としているものの、会話が多くてどちらが話しているのか分かりにくかった。
    メルヘン殺しシリーズとはまた違う印象で、これは現実に有り得そうな話でもあり、そこは魅力的な点。
    でもラストは正直想像の範囲内だったので、意外性がなく残念。

  • 部屋から一歩も出ない探偵と助手らしき人。各章掴みどころのない不思議な設定で、全体を通じて不思議な世界観だった。最終章ではじわじわと相手を追い詰めつつも真相は読者の想像に任されて非常にもどかしかった。

  • 癖のある探偵と癖のある依頼人。探偵事務所にもたらされる依頼のクセがすごいし、会話の中身だけで頭がやられそう(いい意味で)。
    「ダイエット」はしてやられた感がすごい。

  • 連作短篇集。名探偵のもとに持ち込まれる奇妙な事件の数々。たとえば第三話の「ダイエット」では,偏執的なダイエット志向を持つ女性が,「誰かに太る薬を盛られているようだ」という疑惑を抱いて事務所を訪れる。名探偵は依頼人と会話するだけで事件を解決に導く。それを冷静に見ている助手。粗筋だけを紹介するのはとても難しい異色作。最後まで読んで,あたかも数学書を読んでいるかのような錯覚を抱いてしまったが,著者は阪大院修了の電子情報通信学会員でもあるそうだ。

  • 安楽椅子探偵じゃなくて安楽探偵。ホラーではないが、全編から気味の悪さが漂うのが作者らしい。「ダイエット」や「命の軽さ」のオチには見事にやられた。ただ、連作短編の仕掛けはもう一捻り欲しかったかな。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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