- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334773625
感想・レビュー・書評
-
全体的に薄暗くどんよりした雰囲気。
2組の夫婦が失踪。背後には偽刑事の影が。
犯人は予想できたけど、面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クリーピー読んだしドラマ?映画だったか
も観た 嫌だなぁ〜嫌いだなぁ〜
と思いつつこれも読んでみた、
やっぱりあまり好きでは無い けど
なぜか手にとっていた
-
久しぶりにこの作家さんの小説を読みました。
この作家さんは、悪人を描かせたら右に出る者は居ないんじゃないかと思えるくらい、残虐な悪人描写をします。この作品ではクリーピーの様な悪人では無いのですが、やはり根は同じ悪人を描いている様に感じました。
話が進んでも行っても中々謎が解けない様な感じだったのですが、急に簡単に犯人があぶりだされたのには、少しあっさりし過ぎでは?!と思いましたが、最後まで面白かったです。 -
「アパリション」
クリーピーシリーズから小粒ながら前川裕ブームが到来中。
<blockquote>予備校講師にして小説家の矢崎には同じく作家を目指す兄がいたが、ある日忽然を姿を消してしまう。折しも世間では二組の夫婦の失踪事件が注目を集めていた。犯人が残した音声は兄のものの様に聞こえた。果たして、兄は犯人なのか。</blockquote>
クリーピーシリーズ以外のものを初めて読了。作者特有の肩苦しく、描写が長々続く所に大分慣れてきました。代表シリーズは身近にいる人間はマジでヤバイ奴だったが、今回もヤバイ。確実に壊れている。しかし、理性的で世故に長けて社会生活を無事に過ごすだけでなく、経済的にもプライベートも成功しているそいつから壊れた匂いはしない。だから周りの人間は本性に気づかない。
主人公である矢崎もその一人であり、自分は客観的に見ている、人を見る自信はあるから大丈夫と思っていても、他人の本性までは理解できないのだ。
矢崎が失踪した兄の行方を単独で探し始めるところは往年の古くささを感じるハードボイルド風。また、予備校業界の内情も描かれていて業界内幕物、情報小説としても興味を惹かれる。不定期に差し込まれる林田刑事が主役を張るパートは、頭が切れる林田とその他と言う感じ。周りの刑事はてんで分かってないが、林田だけは刑事の感が鋭く気づいちゃうんだよね。その林田と定期的に連携しながら矢崎は、徐々に犯人を絞っていく。
人間の正気と狂気の境目は実に不分明で社会の日常性、自明性はいつ崩れ去るかもしれないというのが分かってくる。それは怖い。自分はその人をまともな人だと思っているが、それは本当だろうか。
因みに、解説には、犯人を憎むことができるかと問いかけてある。私としては、憎む一択だろうと思うがどうでしょうか。 -
アパリションの意味は幽霊や亡霊という意味なのだという。
犯人のことをこういった表現で使っているものと思われるが、たしかに不気味な後味のする小説であった。
文章が平易で読みやすく、読ませる力もある。
しかし、大学の教授。しかもアメリカ文学の教授が書いたとはあまり結びつかないのもなんだか不気味ではある。 -
女の描き方が気持ち悪いのでモテないおっさんが書いた本だな〜と思った
-
得体のしれない殺人者の描写が上手い、殺人動機が不明瞭なこと、手口が稚拙でたくさんの痕跡もあるが、なかなか犯人にたどり着けないもどかしさなど・・・前作2冊同様、ホラー要素がたっぷりの薄気味悪い推理小説である。
-
戦慄のホラーサスペンス。
日本ミステリー文学賞新人賞受賞作『クリーピー』よりもサスペンスフルであり、なかなか真相を見せてくれずに、最後までドキドキさせるストーリーが非常に良い。
予備校講師とミステリー作家の二足の草鞋を履く矢崎の兄が、ある日突然失踪する。同じ頃、二組の夫婦の失踪事件が発生し、犯人と思われる不審人物の声が矢崎の兄とそっくりだった。矢崎の周りで次々と起こる不可解な事件。果たして…
まるでミスリードを誘うかのような『アパリション』という挑発的なタイトル。『アパリション』とは幽霊、妖怪、亡霊という意味なのだが、そういう類いのものは一切登場しない。そのせいもあるのか、数々の伏線が全て回収されずに無難な結末を迎えた感じで、少しスッキリしない。