ホイッスル (光文社文庫)

  • 17人登録
  • 3.00評価
    • (0)
    • (1)
    • (2)
    • (1)
    • (0)
  • 2レビュー
著者 : 藤岡陽子
  • 光文社 (2016年11月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773793

ホイッスル (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 長年地道に生きてきた普通の主婦が、性質の悪い女にひっかかった夫にいきなり捨てられ、裁判を経てから新たな生活を見つけるまでの苦闘の話。
    というとあっさりして聞こえるが、地獄の業火を見る思いだった。果たして悪い女達の腐った根性につける薬はあるのだろうか?
    娘の家庭と、悪女、和恵の家庭はどこか似たところもあるが、完全に明暗を分ける。
    どこがどう違ったのか考えさせる。
    世代間で愛情を受け継いでいくことの大事さを感じた。
    著者の本は読後感がいつも良いのだが、今回は、主人公の誠実な清々しさよりも、和恵の救いのない強烈さが印象に残った。

  • プロローグで、縁の切れていた父親の孤独死を娘の香織は知らされる。
    父親の最期に何があったのか。

    物語は一気に時間を遡り、老いた母親が年下の女に入れ込んだ父親に棄てられ、住む場所も財産も失って放り出されるところから本編がはじまる。

    こうまで、悪意ある人と善意の人がぱっきり分かれて描かれるのも珍しいなというくらい、登場する人物は「人を不幸にしても甘い汁を吸いたい」悪人と、「人に迷惑をかけず誠実に生きたい」善人に分かれる。

    善意ある人が報われず、面の皮の厚い悪人が得ばかりしているように思える現代社会で、裁きは公平に下されるのか。
    老域に入ってからの夫の不実による離婚、というと個人的にはとんでもない大事だろうけれど、事件としては地味に感じる。
    しかし丁寧にその事件によって受けた苦しみや周囲の人の戸惑い、支え、誠意と悪意を描くことによって「現実に起こりうるかもしれない裏切りや苦しみから人はどうやって立ち直り生きていくのか」「結局のところ家族とは何か」ということを考えさせられた。
    ちょっと物語として綺麗すぎる気もするのだけれど。

全2件中 1 - 2件を表示

藤岡陽子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ホイッスル (光文社文庫)はこんな本です

ホイッスル (光文社文庫)の単行本

ホイッスル (光文社文庫)のKindle版

ツイートする