槐 (光文社文庫 つ 17-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774783

感想・レビュー・書評

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  • 月村了衛『槐』光文社文庫。

    冒頭を読み始め、学園青春物のホラー小説なのかと思ったのだが、いきなりストーリーは全く予想外の急展開を見せる。読み終えてみれば、爽快感が残る何とも物凄い冒険アクション小説だった。

    中学校の野外活動部の合宿で湖畔のキャンプ場を訪れた弓原公一たちは、とんでもない惨劇に遭遇する。半グレ集団の関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を無差別に惨殺し始めたのだ。絶体絶命の状況下で関帝連合に独り立ち向かう謎の人物…

    必殺仕置人、或いはダイハードのジョン・マクレーン、はたまたゴルゴ13のような冷徹なダーク・ヒロイン・槐が何とも魅力的だった。また、中学生たちを守るために自らの命を賭した教頭の脇田大輔の闘いも壮絶であり、涙なくしては読めなかった。

  • 学生時代、授業中に「ここにテロリストが突然乱入してきたら…」的な妄想(いわゆる厨二的なやつ)がはかどっていた人たちにとっては、まさに夢のような作品だった。

    湖畔のキャンプ場がギャング集団に占拠され、キャンプ客たちを殺戮し始める。生き残った中学生と引率の引率の先生が脱出を試みる中、謎の戦士があらわれてギャングたちを圧倒する…。

    シリアスな展開をするものの、ストーリーは重たくはないです。上にも書いた通り、中学生の妄想がそのままストーリーになった感じで、頭をからっぽにして読むのがいい。

  • キャンプ場に隠された大金を狙って我先にと駆けつける悪の軍団。巻き込まれるのは野外活動部の中学生たち。引率は学校一嫌われ者の教頭と学校一やる気のない臨時教諭。

    不良軍団が皆「君」付けで呼び合っていて、あんたらジャニーズかと思いきや、意外にもグローバル(笑)。映像化したら少なくともR15+にはなりそうな肉ぶった斬りの血飛びまくり。あり得なさに笑ってしまうけれど、キレ味抜群、痛快で興奮しました。

    勇気を持って、最後まであきらめないってやっぱり大切なこと。仲間を騙し討ちする悪党になんて負けてたまるか。教頭先生に敬礼。

  • 圧巻のサバイバル小説!!!
    あんまり人にすすめられる内容ではないけど、こういうドキドキ大好きです。

  • 夏休み恒例の合宿のため、寂れたキャンプ場を訪れた水楢中学校野外活動部の弓原公一はじめ7名の部員と2名の教諭。
    初日の夕方、夕食の準備をする彼らの耳に聞こえてきたのは、立て続けの銃声。突如、半グレ集団の関帝連合によりキャンプ場が封鎖、キャンプ客たちが虐殺されはじめる。
    公一たちも捕らえられ、絶体絶命のピンチに陥ったとき、正体不明の何物かが半グレ集団への反撃を始め…

    一片の同情の余地もない、とことん凶暴で狂った集団(ただワル知恵はよく働く)に、謎の戦士の協力を得ながら立ち向かう、それぞれに悩みや問題を抱えた中学生たちという構図が、ものすごい緊張感と、(不謹慎かも知れませんが)時折、ある種の痛快さを感じさせてくれます。

    突拍子もない設定がベースにはなっていますが、現実の社会問題や、そして生徒たち個々の素性を記すエピソードが挿入され、読み応えのある物語となっています。

    月村了衛さん、先日文庫化された「機龍警察〔完全版〕」以来、僕の中ではプチマイブームの作家さんです(^-^)

  • 強い女性のアクション作品。イッキに読めます。

  • ノワールもの。主人公がカッコよすぎて魅せられた。月村了衛の小説はどれも面白い。映画化されてほしい!

  • 2018.9.25
    裏も表も、読者に考えさせる事もない。
    けど、ディテールにこだわらず、最後まで分かりやすく伏線を回収して終わらせた点に好感が持てた。

  • グロテスクな場面も一部ありますが、手に汗握る展開が続き後半は特に一気に読んでしまった。主人公は中学3年の男子生徒。それから野外活動部の部員達。決して正義のヒーローではない〝槐〟と実は誰よりも本物の教師だった教頭先生。夏休みの合宿で訪れた先での、死と隣り合わせのサバイバルが今始まる‼︎

  • 86ページ2行目から急速におもしろくなる!ノンストップ!

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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