マンガハウス! (光文社文庫 さ 33-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334775414

感想・レビュー・書評

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  • あなたには『夢』があるでしょうか?

    かなり漠然とした質問から始まった本日のレビュー。さて、いかがでしょう。私たちは、さまざまな希望を胸に生きています。大きくなったら○○になりたい!そんな『夢』を誰もが幼い頃に抱いたことがあると思います。しかし、現実は容易くありません。自分があることに秀でていると思っていても、上には上がいる、さらにその上がいる、大人への階段を上がっていくということはそんな現実を受け入れていくことであるとも言えます。

    とは言え、『夢』というものは諦めたらそれまでのことです。どんなに手を伸ばしても届かない『夢』であっても、諦めないで最後まで追い求め続けた人が勝つ、一方でそんな側面を見せる場合もあると思います。

    さてここに、こんな言葉を口にした一人の女性が、その先の未来へと進んでいく姿を描いた作品があります。

    『夢なんて言葉は現実に消されるくらい、儚いものだと知っている。知っているのに、諦められない』。

    『漫画を描きたい』と一心に願うその女性は、他の二名の人物と共に『漫画の神様』と呼ばれる人物とひとつ屋根の下での生活をスタートします。この作品は、そんな主人公が『夢』を現実のものとすべく奮闘する姿を描く物語。コミカルに描かれる物語が女性の思いを深く見せる物語。そしてそれは、『契約期間/2年』という日々の中に、夢を叶えるという言葉の重みを感じる物語です。

    『制限時間は六十分。鉛筆で、幼児、青年、老人の全身を描く』という漠然とした課題内容に悩ましい思いをするのは主人公の滝川あさひ。その横で『おばあちゃん、ヤバい』と『性別不明、年齢不詳の人間らしきもの』を描く未来(みらい)。『三人がどのくらい描けるか、把握するためのテストだ。四の五の言わずに描け』と言うのは漫画家の神野拓(じんの たく)。そんな神野は、三人が描いた絵を見て『とりあえず、一樹(かずき)と未来。二人はあさひにデッサンを習え』と指示します。それに戸惑う二人に、『文句があるなら、今すぐ荷物をまとめて出ていけ…』と神野は言い切ります。『自分は…フルデジタルで描きます』と言う一樹に『道具が違うだけで、デッサンができなくていいわけじゃない』と語る神野は、『あさひは二人に絵の基本的なことを教えてやってくれ…資料や道具は、そこのグレーの棚を適当に漁ってくれ。じゃあ、よろしく』と言うと『部屋から出ていこうと』します。それに、『二人に教える以外で、私は何をすればいいですか?』と問う あさひに『ああ…そうだな。うん…。考えとく』と言う神野を見て『私、ここへ何をしに来たんだろう』と思いますが、『何といっても相手は、漫画の神様である神野拓なのだから』という思いから『未来や一樹のようには話せない』自分を思います。『集光社が、二十二世紀にも残る漫画を、と銘打って立ち上げた』『新人を育てる』企画の中心メンバーとなったのが、『シリーズ累計発行部数三億部、ギネス記録を持つ「魔法の言葉」の作者である神野拓』でした。『魔法の言葉を口にしたとき、願いが一つだけ叶う』という老人の言葉がキーとなるその漫画は『幅広い世代に支持されて』おり、作者の『神野拓プロデュースで漫画家を目指す』という告知には数千という応募が殺到しました。そんな厳しい条件を勝ち上がり最終面接に呼ばれた あさひは『週刊スタート』の編集長から『再デビューは厳しいですよ』と言われます。『中学生で漫画家を志して、高校卒業後にアシスタントに入った』あさひは、『響乃りりというペンネームでデビュー』したものの『実績は二作の短編』という中に担当編集者から戦力外通告を受けました。『夢なんて言葉は現実に消されるくらい、儚いものだと知っている。知っているのに、諦められない』という あさひは二十九歳になった今を思います。そして、『これで結果が出なければ諦めます』と『必死の願い』の先に合格通知を受け取った あさひは、『今日はお二人に、喜怒哀楽を描いてもらいます』と一樹と未来に指示します。高卒後、フリーターとなり、『今回の募集を機に、実家を出てきた』、『絵が苦手なのに、漫画家を志し』ている未来は、『下手なりに、努力』を続けています。一方で、『国立理系の大学を出て』『企業で研究員』をしていたという一樹は『鳴かず飛ばずの漫画家経験しかないあさひを見下』し、何かと突っかかってきます。そんな三人は『神野が仕事場として使っていた一軒家で』『共同生活』を始めました。しかし、『実際は年齢も性別も、そもそも考え方も違う人間との生活は、ストレスを生むだけの時間』という現実に苦慮する あさひ。しかし、『あさひは再デビューしたいんだよな?面接のとき、もう一度チャンスをくれと言ったよな?』、『再デビューして、連載を勝ち取るような漫画家になりたいのなら自分の長所を自覚しろ』と神野から言われる中に、『応募の段階で、あさひの欠点など、見抜いているはずだ。それでも選んでもらえたということは…』とこのチャンスをものにしたいと思う気持ちが芽生えます。あさひ、一樹、そして未来という『新人育成プロジェクト』に選ばれた三人が『漫画の神様である神野拓』の指導によってプロの『漫画家』を目指していく姿が描かれていきます。

    “超人気漫画家・神野拓が指導する新人育成プロジェクトに、ワケありの3人が集まった!しかし、彼らが共同生活を送る一軒屋には、編集者や家族らが入り乱れ、騒々しいことこの上なし。それでも切磋琢磨の日々を送る3人はデビューできるのか!?”となかなかに興味深い内容紹介が気になるこの作品。「マンガハウス!」とビックリマークが書名に入るだけでなく、漫画を描く道具に溢れるポップな表紙もインパクト絶大です。そんな作品は〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた主人公たちの名前が章題となる四つの章から構成されています。それぞれの章は漫画家を目指して集まった あさひ、一樹、そして未来の三人に順に視点が切り替えながら展開し、最後の四章目だけ、あさひ視点に再び切り替わった物語が展開するという変則構成です。では、まずはそんな三人の主人公たちをご紹介しましょう。

    ・滝川あさひ: 29歳、中学生で漫画家を志し、高校卒業後にアシスタントに入る。響乃りりというペンネームでデビューしたものの実績は二作の短編のみ。担当編集者に戦力外通告される。小ぢんまりとしたフランス料理店でアルバイト。

    ・林一樹: 25歳、国立理系卒、企業で研究員をしていたが退職後は無職。株で生計を維持している。大学時代からの恋人・梨香には、退職する前日に漫画家を目指すことを伝える。神野の「魔法の言葉」を読んで漫画家になることを決意。

    ・星塚未来: 19歳、医師を目指す兄の犠牲となり、高卒後フリーターとして近所のコンビニで働く。家族の理解がない中に実家を出る。小学校五年生の時に同級生に影響を受けて漫画に魅せられるようになるが『絵が苦手』。

    置かれた背景、そして性格も全く異なる三人が集まるキッカケとなったのが集光社が『未来の漫画家たちよ、いまこそ集え』と始めた『「魔法の言葉」の神野拓先生主導による新人育成プロジェクト』です。作品冒頭にそんなプロジェクトの募集広告が掲載されていますがこれがなかなかに興味をひくものです。一部抜粋してご紹介しましょう。

    ・応募のきまり
    - プロ漫画家を目指す人
    - 共同生活となるため、協調性のある人
    - 履歴書と共に次のどれかを提出すること(未受賞・未発表のオリジナル作品に限る)。
    完成原稿(16-50ページ)。
    ネーム、または、下書きまでの原稿も可(16-50ページ)。

    当たり前のことですが、『プロ漫画家』を目指すからには、履歴書だけでなく作品を出す必要があるわけですね。この段階で私には手も足も出ませんが、なんだか他人事ながらドキドキします。そして、大切なのが『共同生活』を送ることになるという点です。そのため、入居条件も記されています。こちらも一部抜粋します。

    ・入居条件
    - 都内某所
    - 8畳一間
    - 家賃/月額1万円(水道光熱費込)
    - 契約期間/2年間

    こちらもなんだかとてもリアルです。『都内某所』で『月額1万円(水道光熱費込)』という破格とも言える家賃は超魅力ですが、ポイントはそこではありません。『契約期間/2年間』、ここですね。つまり、この期間に成果を出せなければ全てが終わるという厳しい現実を一方で見ることになるこの条件。物語は、そんな条件の中に最終面接を勝ち抜いた三人が、『共同生活』を営み、それぞれに影響を与え合いながら『プロ漫画家』を目指して神野拓の指導を受ける様が描かれていきます。

    そんなこの作品には『ネーム』という言葉が頻繁に登場します。『ネームを二本持ってきた』、『神野にネームを読んでもらっている』、そして『ようやく、神野からネームにOKが出て…』と当たり前のように使われていく『ネーム』という言葉。この言葉をあなたは知っているでしょうか?私はなんのことだか全く分からず、モヤモヤした読書を続けましたが、流石に気持ち悪さが隠せなくなって途中で調べてしまいました。

    『ネーム』: コマ割り、コマごとの構図・セリフ・キャラクターの配置等を大まかに表した下描き・設計図

    なるほどこれならどことなく意味がわかります。プロの作家さんでもいきなり完成原稿を作るのではなく、まずは『ネーム』を作ってから完成原稿に取り掛かるという流れがある。この作品とても面白いですが、どこかに『ネーム』とは何か、登場人物の言葉を使うか何かして簡単に説明は入れて欲しかったです。この点は不満を述べたいと思います。それとも一般用語であって、さてさてが無知なだけなのか?いずれにしても、さてさてのこのレビューを読まれた方はもう大丈夫ですね。安心してこの作品を手にしてください!

    そんなこの作品のポイントは二つだと思います。一つは、主人公となる三人が『プロ漫画家』を目指して神野の指導の元に成長していく様を見る物語です。そんな中でも頭ひとつ飛び抜けた位置に置かれる あさひを描く物語はリアルです。かつて一度はデビューを経験したものの短編二作で戦力外通告を受けた あさひはそれでも『プロ漫画家』として生きる道を諦めきれません。

    『夢なんて言葉は現実に消されるくらい、儚いものだと知っている。知っているのに、諦められない』。

    そんな言葉の先に合格通知を受け取った あさひですが現実は生易しいものではありません。

    『話が表面的で、出来事が順を追って進んでいるだけ。次のページをめくる楽しさがない』

    そんな辛辣な評価を神野から与えられる中に自身の実力を自覚もしていく あさひは、一樹と未来を指導するという役割も担いつつ、せっかく得られたまたとないチャンス、二年間という時間の限られたチャンスに全てをかけて挑んでいきます。そんな物語には興味深い工夫がなされています。それこそが、各章の中に『※』という記号で記される箇所です。これは、なんと神野拓自身に視点が切り替わるパートになっているのです。これによって読者はそれぞれの章で主人公を務める三人を神野がどのように見ているのかを知ることができるのです。

    『ジャンルを変えてでも、漫画家であろうとしたあさひは、誰よりも漫画バカだ。そして神野は、似たタイプで成功した例を知っていた』。

    そんな風に記される神野視点のパートの存在。なかなかに面白い工夫だと思いました。

    そして、もう一つが作品全体を貫く一つの謎です。

    『神野はどうして、休載しているのだろう』。

    『新人育成プロジェクト』のスタートと同時に『週刊スタート』への連載を突然止めてしまった神野。『公式発表』は『体調不良』となってはいるものの、身近にいる三人はそれが嘘であることが嫌でもわかります。『漫画への興味が失せたのかといえばそれも違い、絵の練習は欠かさないし、絶対に見せてはくれないけれど、話も作っているみたい』という神野が隠す何らかの謎。それは、〈プロローグ〉に展開する担当編集者とのやりとりに匂わされてもいきます。一体、神野は何を抱えているのか?物語の結末に連載が復活することはあるのか?そして、三人の主人公たちはそんな神野にどう関わっていくのか?なかなかに興味を掻き立てる上手い構成が読者の興味を鷲掴みにして離しません。そんな物語は、なるほど、そうきたかという結末を見せてくれます。「マンガハウス!」というこの作品。そこには、自らの『夢』に正直に向き合う主人公たちの真摯な姿が描かれていたのだと思います。

    『描くしかない。ありきたりだけど、あさひはやっぱり、描くしかない』。

    『シェアハウスで漫画家を目指せ!』という言葉の先に『漫画の神様である神野拓』の下に集まった三人の主人公たちが『プロ漫画家』を目指して切磋琢磨をしていく様が描かれたこの作品。そこには、『漫画家』としてデビューし、活躍していくことが如何に大変な道のりであるかが興味深い筆致の中に描かれていました。三人のキャラクター設定の絶妙さに唸るこの作品。そんな三人が神野に提出する『ネーム』に、それ読んでみたい!と思わず前のめりになるこの作品。

    『夢』を叶えるということの大変さはどんな世界でも同じこと。そんな物語の中に『夢』を売る『漫画家』という職業の裏側をも興味深く見せてくれた作品でした。

    • kuma0504さん
      ネーム‥‥。
      当然、漫画家を遠い昔目指したことのある私には、わかりすぎる言葉ですが、
      漫画家志望を主人公にした「小説」はあまりないので、面白...
      ネーム‥‥。
      当然、漫画家を遠い昔目指したことのある私には、わかりすぎる言葉ですが、
      漫画家志望を主人公にした「小説」はあまりないので、面白そう‥‥。
      コレは漫画家版アイドル誕生番組みたいなものなのだろうか。でも一般人には途中経過が明かされないのならば、それも違うか。
      2023/11/23
    • さてさてさん
      kuma0504さん、こんにちは!
      漫画家を目指されていた過去がおありなんですね。小説家を目指す主人公が描かれる作品は数多あります。自分の...
      kuma0504さん、こんにちは!
      漫画家を目指されていた過去がおありなんですね。小説家を目指す主人公が描かれる作品は数多あります。自分の境遇を参考できることを考えると書きやすいのだと思いますが、一方で、漫画家は少ない…というか私は存じ上げません。漫画家を描いた小説の代表格は辻村深月さん「ハケンアニメ」だと思います。ただ辻村さんの作品と違ってこの作品は、漫画家としてのデビュー前の姿が描かれるところがとても興味深いです。表紙の印象通り、コミカルな側面が強いのでkuma0504さんのイメージされる世界観と合致するかはわからないです。誰がどうなっていくか?という部分ももちろんありますが、一つ屋根の下で暮らしながら互いを意識しながら切磋琢磨していく…その部分が面白かったですね。それぞれのキャラクター付けもハッキリしすぎるくらいにハッキリしていますし。小説としてはあまり見ない世界を描いた物語としておすすめです。

      p.s. それにしても知名度が低いのがとても残念です。刊行後、六年以上経っているのに私のレビューが三人目って……流石にもったいないなあと。一人でも多くの方の起点になれれば良いなあと願っています。週ごとに同じ作家さんの作品を三冊読むことを続けていますが、メジャーどころとマイナーどころを必ず含めるように意識しています。
      2023/11/23
  • ハタチまでは、ずっと漫画家になりたかった。絵はまだ下手だけど、手塚治虫じゃないけどアイデアだけは売りに出せるほどもっていたし(と思っていたし)、漫画愛だけは誰にも負けないと(私は)思っていた。高校生の時までは受験勉強を、マンガを始めていない言い訳にしていた。大学1年の冬休み、時間的には何とかなるのに、一編のネーム(ストーリーをコマ割りで描いたゲラ書き)さえできていない自分の才能に気がつき始めた頃、「Dr.スランプ」の連載が始まった。圧倒的な画力とセンス。それで、コロっとその夢を諦めた。「パフ」などの漫画評論専門誌を読んで、観る目が肥えていたということもあった。

    さてさてさんのレビューで本書の存在を知った。超人気漫画家が、2年間休載して、自分の漫画工房の家を漫画家志望若者のシェアハウス化してデビューに向けて指導するというストーリー。いわば漫画家超エリート養成学校であるけれども、選ばれた3人は一見エリートとは程遠い男女3人だった。あさひ(29歳)は、作画技術だけはあるものの、一向に目が出ないアラサー女子、一樹(25歳)は知能は高いけど、作画もストーリー構成もこれからの男、未来(19歳)は、発想力こそ良いもの持っているけど作画は完全素人のフリーター。意外性あって良いんじゃないの。ドキドキしながら借りてきた。先生の神野の休載の理由を明らかにしつつ、4人の運命を描いてゆく。

    でも、良かったのはプロット(構成)までだった。
    数千人もの希望者の中から選ばれたにしては、3人の才能は「ちょっとだけ将来性ある」くらいだったのだ。この選考に文句を言う元アシスタント徳井の言い分は論外として置いておく。未来ちゃんに作画能力なくても別にいい。だとしたら「進撃の巨人」を生み出すほどの物凄いアイデアを「仄めかし」てほしかった。理詰めで漫画を描く一樹は、そこから外れた「変貌」を鮮やかに見せて欲しかった。あさひの日常路線には、よしながふみ張りの「鋭い視線」を見つけて欲しかった。何よりも、線とか画とかの「個性」が、漫画の大きな魅力なんだということは、この3人からは微塵も感じられなかった。神野先生の休載理由なんか、物語半端で全貌が丸見えになる。もうちょっと謎解きさせて欲しかった。
    全体的に、これだと落選した数千人の「漫画家志望」が浮かばれない。それが「元志望者」にとって、とっても残念だった。

    漫画家と編集者との関係や、デビューだけではダメで、いかに続けられるかがカギになるというのは、小説家の著者の実感なんだろう。そこはリアリティがあった。

    もう今更漫画家になりたいとはサラサラ思わない。ホントにモノになる漫画家や作品を見つけることについては、何十年も、その視点で漫画を読み続けて来た者として、これからも精進していきたいと思う。

    • みんみんさん
      またお気に入りの漫画のレビューお願いします!
      またお気に入りの漫画のレビューお願いします!
      2023/12/11
    • kuma0504さん
      了。
      了。
      2023/12/11
    • ちゃたさん
      みんみんさんに続いて私も、漫画家志望だったのですか!すごい!確かに鳥山明さんの絵のうまさは革命的でした。あと「めぞん一刻」と「うる星やつら」...
      みんみんさんに続いて私も、漫画家志望だったのですか!すごい!確かに鳥山明さんの絵のうまさは革命的でした。あと「めぞん一刻」と「うる星やつら」が同時に連載されていて、高橋留美子さんも天才だと思います。またJJM再開の暁にはレビューを楽しみにしています!
      2023/12/15
  • 再デビューを目指すあさひ、会社を辞めてマンガに賭けようとする一樹、絵は素人だがセンスのある話を作る未来、三者三様の個性と背景をもつマンガ家志望者と彼らの師となる大人気マンガ家神野。ひとつ屋根の下で暮らしながら自らの作品の欠点に向き合い、成果をつかみ取ろうと努力する彼らを応援したくなりました。かなった夢であっても、創作を仕事にすることの大変さ苦しさも、神野を通して書かれていたのも良かったです。身内の盗作に苦しんだ彼の下した結論がよい結果を生み出しますように。

  • 漫画家の新人育成プロジェクトに集まった三人。デビューまで程遠い状態からスタートした三人の成長の物語。
    神野の休載の理由は早い段階で予想出来たので引っ張りすぎた感もあり…相手が相手なだけに仕方ないのか。

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著者プロフィール

2013年、第19回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。著書に、『幻想列車 上野駅18番線』『殺した夫が帰ってきました』など多数。本書は、相続を通し、バラバラだった家族が過去の軋轢や葛藤を乗り越える期間限定の家族の物語。

「2022年 『相続人はいっしょに暮らしてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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