- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334785642
作品紹介・あらすじ
知らない町に迷い込み、貧乏臭い宿に泊まり、温泉に入ってビールを飲めばあとはすることもなく、うら淋しい気持ちになる。そんな旅を私は愛してやまない-寸又峡温泉、高知、韓国、立石、亀戸、川崎、鶴見、御徒町、湯西川温泉、三浦半島、苫小牧、木更津、網代鉱泉、阿字ヶ浦など、「つげ度」の高い場所を求めてのしみじみ脱力紀行。
感想・レビュー・書評
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何らかの拍子にこの紹介文をネットかで読んで、「読みたい!」と思って本屋を探したけれどもまだ置いていなくて、やっぱりネットで注文して読んで見ました。9月20日発行のほやほやです。
読んでみると、予想とおり脱力系の「読む人を選ぶ内容」の数々。「うんうん」とか「そりゃ、いくらなんでも…」とか、突っ込みを入れながら読んでいき、三時間で読み終わってしまった。222pで686円は高いなあ、と思いながらもこの「びみょーな後悔感」がこの本の内容そのものだと気がついたので、一応書いておきます。
帯には現代版「貧困旅行記」と書いているのですが、そりゃあ都会で暮らす編集者の感覚です。私にとっては極めて普通の旅です。ほとんどの旅が一泊やら日帰りとかで一万円ちょっと掛かっているので、基本的に私よりは贅沢な旅をしています。
ともかくも旅の醍醐味は「好奇心」です。小さなことに大発見をした気分に浸り、ちっょとした体験に冒険小説並みのどきどき感を覚えること。それには出来合いの観光地は絶対つまらない。私の旅の信条はできるだけ観光コースに乗らない旅なのですが、この本はそれを追体験できるから面白い。処凛さんもやっぱり絵馬とかの文はじっくりと眺めるし、面白い張り紙やら看板はつい写真に取ってしまうし、居酒屋の隣に座ったときにはその世間話をじっくり聞くし、なのでした。つげファンだったら気に入るエッセイかもしれません。
ところで、この旅の間ずっと雨宮処凛のお供をしていたぱぴ子という友達はとてもマネージャーという雰囲気ではないけれども、定職をもっているにしては時間の自由度がありすぎる。何者なのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにもなさに打ちのめされる旅、
感動の出会いもなく、
ただただ無駄に時間を過ごし。
著者の愚痴が妙に共感を覚える。
旅本としてはまず役に立たない本だが、
この何もなさが良い。
人生において僕自身もこういう経験をいっぱいしてきた気がするな。華やかな場所よりも、ちょっとうらびれた飲み屋さんが安らぐような感覚だろうか。
うまい例えじゃないかもしれない。
世の中には優しい人も、優しくない人もたくさんいて、どちらでもない人々と、何者でもない自分を感じれます。
この本は何もないと言いましたが、少なくとも僕はこの本の影響で、苫小牧に行ってみたいと思いました。
こういう旅本があってもいいと思うので、
ぜひ続巻も出してほしいです。 -
感想
何もないようだがそこには確かに生活がある。自分はあくまで旅人。その矩を超えずに侘しさに身を浸す。煌びやかな現代で一息つける貴重な時間。 -
旅
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そういう本なんだからしかたないんだけど読んでて気が滅入る。
あといいお友達がいていいね。 -
あえて観光地ではなく、侘しい場所にいくという企画をまとめた本。観光地化されているものとは違い、全く客に媚びない場所に行くことに対する本なので、逆に新鮮だった。変にそういった場所を面白がるのでも、否定的になるのでもない筆者の視線も◯。
まだわからないが、もし第二弾があったら読みたい。
この中で訪れた場所へは行きたいとは思わないけれども。 -
つげ義春のような旅館に行くと思ったが、そうでは、なく、ただ愚痴ばかりで、これでは、買うとお金と時間の損をします
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とにかく前書きからから『いや、それどころかわざわざ「行きたくない」場所に出かけてゆき、「やっぱり行かなきゃよかった」とがっかりすること自体を目的としてる旅もある』と言い、ダメダメな「理想の国内旅行」を書いている
そう、その通りの内容です。読んだ後には一種の爽快感が沸いてくるほどに、どこもかしこもダメダメなんです。
そんな、自分も昔はよくバイクでツーリングに行き、知らないところでダメダメな経験もいろいろしていました。だから共感もあり、面白かったのかも。特に、知っている「木更津」や「阿字ヶ浦」が出てくるので面白さも倍増です。
っま、旅に計画性や目的を持つ人は読まないほうがいいかもね(笑 -
ああ大好きなかんじ。
しょうもない思いをするために
わざわざ旅にでかけて
寂れた町の貧乏な宿に泊まって
うらびれたきもちになる
旅=ハッピーで癒される
て図式がくそくらえな潔さがたまりません。