あなたが変わるまで、わたしはあきらめない: 努力する心の育て方 (光文社知恵の森文庫)
- 光文社 (2012年6月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334786052
感想・レビュー・書評
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コーチとは(もともとの語源のとおり)選手を目的地まで連れて行く人と定義し、選手を観察する、限界までもっていく、精神状態を整える、ということを徹底される。井村さんというと、マスコミ的にはいつも選手を怒鳴りつけているというイメージが強いが、そのコーチ論は極めて真っ当なものだ。コーチとして役割を全うするという強い目的意識がページをめくるつど、あふれてくる。自分の職業意識は甘くないか、部下のことをそこまで思って接しているか、襟を正さずにはいられない。最後に、「日本はリーダーたる人が、部下が困っているとき助けませんね。みんな知らんぷり。ちょっとおかしいですね」とも。コーチ論のみならず、日本社会への批判の書としても。
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ただ単に厳しいだけのコーチではなく、愛情があり、嘘をつかない人柄なんだなと思った。
厳しい言葉をかけても、愛情があって、その言葉に責任を持っている。最後まで向き合う覚悟があるからこそ、厳しい言葉をかけている。
座右の銘は「敵は己の妥協にあり」らしい。自分にも他人にも甘くするほうが楽だけれど、せめて自分へは甘いだけに流されないようにしたい。 -
実践されてるので説得力が至高。パワフルワードばかりで目が覚めました。
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3行アウトプット♪( ´▽`)
・人間って本当に苦しかったら、文句を言わない、弱音も吐かない。なぜかと言うと、口に出したら、自分が崩れてしまうから。だから黙ってやる。文句を言っているうちはまだまだその人の余力があると思うもん。
・何かをやろうとして、うまくいかないときがある。そんなとき嘆くのではなくて、努力が足りないんだから、もっと努力しよう、と単純に考えて行動に移さなくてはならない。これが心の才能です。だから心の才能が一番大切だって言うんです。
・自分が下手なのに、自分を変える勇気を持たないで上手になりたいなんて、そりゃ無理や。自分の感覚を変えなさい。自分を崩しなさい。 -
行く先々でメダルを取るチームを育成している井村氏。
そんな井村氏のコーチングの極意が詰め込まれています。
スポーツの指導者だけでなく、教師や部下を持つ上司の方、そして子を持つ親御さんにもおすすめの一冊です。
私も経営者として、子を持つ親として大切にしたいことがたくさん見つかりました。
また、違う視点で、これからスポーツであれ勉強であれ仕事であれ、これから学ぶ人を決めてバリバリ成長していきたいと思っている方にも、自分の行動指針を決めるうえでも非常に役立つと思います。
著者の井村雅代氏は日本のシンクロナイズドスイミング界の基礎を築き上げた指導者の一人。日本だけでなく世界各国から「シンクロ界の母」と呼ばれてるようです。
「自分を追い詰め、無理をして練習しろ」という言葉が有名になった、超スパルタな指導法をとる井村氏。その実力は折り紙付きで、井村氏が日本代表をメダルに導いた後、実力を買われ次は中国のコーチに就任。すると、中国をメダルを獲得するまでのチームに育て上げます。一方そのころ日本はメダルを獲得できなくなっていたのですが、井村氏が再度日本のコーチに就任すると再びメダルの常連国に舞い戻ります。
この話からだけでも、コーチという存在の大切さ、人を育て上げることの大切さがわかります。
厳しくも人の可能性を信じで熱く伝え続ける井村氏のメッセージにシビレまくりなのですが、そのなかでも今回特に大切だと思った数点に絞ってお伝えできればと思います。
指導者という立場の人へのメッセージというよりも、今後成長するために学んでいく際に重要となるポイントかなと思うものをピックアップしています。
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敵は己の妥協にあり
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これは本当にそうですね。
これくらいでいいか、明日から頑張るから今日くらいいいか、皆やってないし大丈夫、などなど。
言葉を上げればきりがありませんが、自分との対話でついつい自分を甘やかせてしまうことがあります。
そういった甘えを振り切って、着実に行動していくからこそ、メンタルも鍛えられますし自分の自信にも繋がっていきます。
「あと一歩」頑張れば、というところでやめてしまう人が意外と多く、もったいないなと思います。
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自分が納得することが一番。人の目なんてどうでもいい。どっちに転んでも人は何かいうから
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足を引っ張ってくる人は残念ながら必ずいます。
全然関係ないにもかかわらず、暇であるがゆえに自分に自信がないがゆえに安全圏から正論を押し付けて攻撃してくる人は大したこと無い人です。
しかもこういう人はたいてい一時的なもので、そのうち忘れていきます。
そんな人に影響されていてはもったいないです。
自分が信じた道を邁進しましょう。
結果を出せばそういう人はたいてい何も言えなくなるかすり寄ってきますw
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自分が下手なのに自分を変える勇気をもたないでうまくなりたいなんてそりゃ無理や
自分の感覚を変えなさい、自分を崩しなさい
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昔師匠に、実力無いのに謙虚でいてもどうしようもないじゃん、と言われたことがあり、確かにそうだと思ったのを思い出しました。
参加することに意味がある、はオリンピック選手のように、これ以上ないくらい勝ちにこだわって勝ち進んできた人たちが言うから意味があるのであって、もともと大して努力していない人がいったら単なる負け惜しみです。
シビアですが、やるべきことをやっているから、実力があるから意味を持つことは結構あります。
それにふさわしくなれるように自分を変えるしかないのです。
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選択肢がたくさんあるおは幸せでしょうけど、幸せすぎて、恵まれすぎて、ひ弱になっては意味がありません。
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植物を育てるときに栄養や水を与えすぎると、根のハリが弱く栄養や水を与えるのをやめるとすぐに弱ってしまうそうです。
今満たされているから頑張らなくてもいい訳ではありません。(そもそも今と同じ状態が続くとは限りません)
勝ち取るに力をつける必要があります。
選択肢は自分の可能性を広げるために使っていきましょう。
最後に井村氏の教育・指導のエッセンスが詰まっている部分をまとめて終わります。
相手の可能性を本当に信じているからこそ、その人の人生をよくすると決めているからこそ、やさしさだけではなく厳しさも大切なのだとおしえられます。
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クラブをやめるときも最後は止めません
あなたがいなくても世の中回る、あなたがいなかったらそれなりの絵を描きます。という考え方
自分がやりたくてやろうという人は受け入れるけど、やる気のない人にやってもらう必要はない
肝は人づくりです。
人間って嫌なことは避けて通りたい。
でも避けて通るのではなく、隣の子ができたんだから、あなたもできるということを経験させること
わたしは本当に人間の力を信じています。人間求めたら絶対に来る。求めたら子供は絶対にきます
だから自分に妥協するな。自分の可能性を信じて夢を捨てるな
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まだ記憶に新しいリオ五輪のシンクロ銅メダル。さすが井村コーチと日本国民の誰もが思ったでしょう。その井村コーチが語った指導法、教育法、世界との戦い方をまとめたのが本書です。何故井村コーチの指導だと結果が出るのか、本書内で明快に語られます。本人曰く「ゴールが見えているから」。マスコミでは叱りつける場面ばかり取り上げますが、それでも選手が付いていき、最後に感謝の涙を流すのは本物の教育を施しているからです。「スポーツのゴールはよい人間を育てること」と言い切る彼女の言葉の一つ一つが胸に響きました。
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オリンピック選手だけではなく、人を育てるとはどういうことか。責任感と気迫が伝わってきました。コーチ、教師、親、人を育てることについて知りたい人は必読だと思います。