ごんたくれ

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著者 : 西條奈加
  • 光文社 (2015年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910211

ごんたくれの感想・レビュー・書評

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  • 「奇想の画家」と評された江戸中期の絵師・長沢芦雪(吉村胡雪)と曾我蕭白(深山箏白)をモデルにした物語。

    円山応挙の弟子と応挙を嫌う絵師、という相対する立場で出逢った二人。
    事物の姿形に忠実な写生画を描く応挙とは対照的に、二人の絵は共に躍動感に満ちていて、時に奇抜なアイデアで見る者を楽しませ、また時には禍々しい情念を纏う。
    特に胡雪の絵は今にも動き出しそうな程生き生きとしていて何とも言えない愛嬌があり、観る者を和ませてくれる作風が魅力的。
    しかしそんな胡雪は偉大な師匠の名に縛られ悩み苦しむ…。

    「ごんたくれ(ひねくれ者)」の二人は互いに実力を認め合いながらも顔を合わせると口喧嘩ばかり。
    けれど誰にも言えない本音をぶつけられる唯一の相手でもある。
    そんな二人の関係がとても羨ましい。
    己の納得する絵を描きたい、と常に悩み波乱に満ちた人生ではあったけれど、好きなことに打ち込む二人の姿に心打たれた。
    長年の柵から解き放たれた姿は実に清々しい。

  • 吉村胡雪と深山箏白。二人の絵師の生き様を描いた話。
    “ごんたくれ”と呼ばれ、双方共にかなり厄介な性格の為、会えば喧嘩ばかりしているのですが、お互いの才能を認め合っているのが良いです。
    終盤で、箏白が円山一門に乗り込み、胡雪の“絵師としての“死因の元になった出来事の件で詰め寄る場面があるのですが、箏白の胡雪への思いが伝わってきて、グッときました。

  • こういう関係は、いいなあ。
    お互いを意識し、認め高め合い、反発しながらも労り合うこともできる。
    時間を経ても、状況が変わっても、常に同じように相対することができる相手など、普通はできない。
    二人を媒介するものは、絵と孤独な境遇がもたらしたごんたくれの精神。
    共有するものがあるというのは、何よりも強いのだな。

    組織に属することと異端であることのせめぎ合い。
    職人であり表現者でもあるという絵師の矛盾。
    この時代の絵師の世界は、広がりがあって、想像の幅があって刺激的。
    こんな風に彼らが生きていたのかもしれないと思うだけで楽しい。

    話しとしては面白かった。

  • 2015.9.13.読了。思いもかけず、蘇我蕭白、長沢芦雪の二人の実在の画家をモデルにした作品だった。よく知らない画家さんだったが、また、展覧会に行ける世界が広がり面白かった。

  • 途中で読むのをやめてしまった。
    図書館に返さないといけなかったから。
    内容的にも入っていけなかった。

  • 江戸時代の二人の絵師、吉村胡雪(実在のモデルは長沢芦雪)と深山箏白(蘇我蕭白)を描いた作品。
    組織の中で自らの異端性を封じ込めようとする胡雪と、一匹狼として異端に徹しようともがく箏白。顔を合わせれば罵り合うような二人ですが、底辺にはお互いに対する敬意があり、そういった関係性が読んでいて心地良く。
    いろんな人が書いてますが、私もネットで絵を探しながら読んでいました。ぜひ実物を見てみたい、そんな気にさせる一冊です。

  • 実在した絵師をモデルに「ごんたくれ」な二人の絵師としての苦悩や葛藤・共感を書いた一冊…他の方も言われてるが、実在してるモデル絵を見ながら読むとまた違うんだろうな…主人公の一人、彦太郎にあまりのめり込めず、二人主人公だから話しがとても長く感じた…

  • 人物を知ると作品に興味がぐっとわく。
    ころころした犬の絵は確かにかわいい。

  • これは、絵画という芸術の史実が絡んでいるので、単に物語として読むより、応挙や池大雅や伊藤若冲という実名ではっきり登場する人たちもいることだし、代表作などの画像が載ったガイドブックなどが手元にあれば数倍楽しめるのかもしれない。メインで出て来る胡雪と筝白は、長沢 芦雪(ながさわろせつ)と曾我蕭白(そがしょうはく)がモデルになっていることは、ちょっとググれば明らかだし。この本を読むことをきっかけに、いろんな絵師のことを調べたし、いろんな絵画の画像もさがした。なんだか江戸期の画壇って水墨画のモノクロなイメージを持っていたけれど、こんなにも色鮮やかで、あるいは大胆で、迫力があり、目も心も奪われる作品がたくさんあったのか、と驚いた。もうちょっと知りたいなあ、がぜん興味を持った。じぶんに知識と教養とセンスがないために、ちゃんと物語も楽しめなかった感がある。江戸×絵師 の物語とか、画集とか、今後もうちょっと触れていきたいな。和の雅、和の寂寞 日本に生まれたからには、知らずに死ぬのが惜しい気がしてきた。そんな1冊でした。

  • 二人の絵師が、天才的才能を持ちながら、出会ってから様々な感情を持ち、数奇な人生を送るという話。絵の技術を高めようと情熱を捧げ、孤独感を感じたり、互いに牽制しあうことも多々あったが、人生を積んでいく中で、二人の周りの人物達を取り巻く出来事を通して、孤独を感じたり、運命に翻弄されたり、嬉しいことがあったり、絵の技術も高まるなど、それぞれの人生に人情味があって、面白みがあると感じた。終盤の胡雪の死は悲しみに暮れる内容だった。絵師の仕事、日本画の精巧さを感じる筆力、二人と周辺の人達の人間味溢れる世界を楽しめた。

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