- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910303
感想・レビュー・書評
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過疎化の進む村を舞台に、古くからの伝承と現代技術を織り交ぜた日常系ミステリ。
年上でミステリアスな女性サオリさんと、大学を落ちたことで村にやってきたタケシが、サオダケさんとして村のなんでも屋さん兼探偵をするお話し。
村で起こる出来事に対して、古くから伝わる話を語り、現実的な解決を示していく。まとまりもよく、読みやすかった。
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限界集落ギリギリの美森町で起こる日常トラブル帳。
故郷の良さを残し守ろうとしているサオリさんが、実は変容していくことを邪魔しているんじゃないか、というところに気づくところがとても皮肉だなと。自分のしていることが独善になっているんじゃないか、と気づくのは悲しいことです。
変容が悪いことではないけど、ただ古き良きものを押しつぶしていくのはいや。かつての良さを内包しながら、受け継ぎ未来へとつないでゆく。
とても大事だけど、大変なことです。
正直、探偵ごっこやってる場合じゃないよね、二人とも。
ここまでがプロローグで、この先の活躍が小川一水らしい知恵と諧謔で奮闘する群像劇になりそうなんだけど。
つづくのでしょうかね。 -
短編連作。
猛志の人が良い所が、ほっこりさせられる。 -
変なコンビ名。最初の話が恐い。限界集落にハイテク機器が出てきてミスマッチで面白かった。人がいないからこそのメカか。
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これは好みじゃない方の小川一水だ。なにもかもが合わなかった。
まずヒロイン・沙織が好みじゃない。美人であることを利用して若い男手を連れまわし、嘘をついて楽をしようとし、余所者を排除しようとしているように見える。田舎暮らしをしたことがないので、田舎に愛着を持ち執着する沙織の気持ちがさっぱり分からなかった。
とかく沙織が事件の推理をする度に、まんじゃしろの話をするのが鼻についた。村の外から移り住んできた主人公にまんじゃしろの話が分かるはずがないのに、解説もせず、村外の人に対してもしたり顔で話す。私が村外から来た人だったらイラッとするし「はあ?」と思う。民俗学+ミステリという物語上の要請で仕方がないのかもしれないが、沙織が空気を読んでいないように見えた。
また大学を辞め、手に職もないのに地元に戻って手伝いみたいなことをしているのも気に入らない要因かも。これ、沙織さんが美人じゃなければ成り立たない話ですよね?
嘘はつくわはぐらかすわ調子に乗るわで沙織さんのいいところが、田舎への執着と美人であることしか分からなかった。
主人公の男も、一年も一緒にいるのに沙織に手も出さない草食系でなんだかなぁ。
ということで、この作品は私にはとことん合わなかったです。 -
オカルトなの? SF? と首を傾げるんだけど、そんな皮をかぶった正統派ミステリ。
文体と言うか美森町の雰囲気が好き。 -
普通のほのぼの話に、あれこれって??て思えるSF小道具(この世界では当たり前の道具になっているあれこれ)が混じった、小川さんの日常系。
ほほえましく恋愛要素付き。
てな感じで。可もなく不可もなく。