海妖丸事件

著者 :
  • 光文社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910532

感想・レビュー・書評

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  • 一作目、二作目から比べると明治の雰囲気は多少控えめ
    今回の偉人は冒頭に井上馨が登場
    横浜から上海まで処女航海中の豪華客船で起こる殺人、盗難、恐喝
    月輪がようやく名探偵ぶりを発揮
    それにしても著者はこの手のトリックが好きなようだ
    続編は違うトリックが読みたい
    最後の展開はほっこりして良かった

  • 月輪探偵シリーズ、3作目。

    今回は「海妖丸」という豪華客船が舞台。太平洋上というクローズドサークル的な舞台の中で、脅迫事件+窃盗事件+殺人事件が次々と起こる。

    いい意味でクラシカルな本格探偵小説。なので、トリック自体は正直、どこかで、、、と思わせられるものばかりであったことは否めない。でも、それがこの作品の醍醐味なのかも。文章中にもそれとなくヒントが散りばめられているので、謎解きに挑戦する読者には親切。本格探偵モノを読み慣れている人には簡単かもしれないが。私自身は、途中違和感を覚えるだけで最後に明かされたトリックには気づけなかった人なので、素直に楽しめた。次作の杉田クンの手記も期待してます。

  • 名探偵月輪シリーズ第3弾。
    今回は上海へ向かう「海妖丸」が舞台。
    豪華客船での殺人というクラシックな設定である。不気味な予告状、何かに怯える伯爵夫人、よせばいいのに豪華な宝石を持ち込む富豪などレトロな要素がてんこもりで楽しい。
    しかし明治時代とはいえ、このトリックはありなのか…?という気はする。

  • 「伊藤博文邸の怪事件」「黒龍荘の惨劇」に続く、月輪探偵シリーズ第三作。
    今回は豪華客船内で次々と起こる事件に月輪と杉山が挑む。

    豪華客船といっても限られたスペース、限られた人物たちの中で起こる事件なのでクローズドサークルものに近い。
    狭い範囲なのに誰も犯人を見ていなかったり衆人環視のもとで毒殺されたり「いかにも」な事件が起こるところはワクワクさせられた。

    しかしいくら明治時代とは言ってもこの絡繰りは少々無理がある気がする。
    まあそれでも楽しめたので良しとするが。

    最後は最終話のタイトル通り大団円。
    月輪さんお幸せに。

  • 前作ほどの悲惨さは少なかったですが、また入れ替わり⁉︎という感が否めないといった感じでした。話自体は殺人事件とは別に盗難やら恐喝やら色々並行に起こっていたのが最後にまとまって面白かったと思います。

  • ※図書館

  • 月輪シリーズ三作目。いやあ、1、2作目に比べて面白くなりましたね! 舞台が豪華客船の中と限定された状況にしたことが良かったんじゃないかな。
    殺人事件に盗難事件に脅迫事件と、一つの航海の中に事件盛り沢山に詰め込んで、お約束&クラシカルな展開ではありますが楽しめました。
    (事件の真相については解決編読んでてちょっと変な声が出ましたが、あの時代でないと成立しない設定を生かしてる所からも、書く意味があったのかなぁと、好意的に評価しました)

  • 凄惨な黒龍荘事件から一年、役所勤めの杉山は上 海出張を命じられる。一方「月輪萬相談所」で探 偵業を営む月輪とその助手・氷川蘭子は結婚し、 偶然にも杉山と同じ豪華客船「海妖丸」で新婚旅 行に向かうという。出港当日、横浜港の待合室で は、伯爵夫人、貿易商、富豪など多士済々な乗客 たちが揃う中、「上海行ハ汝ラノ死出ノ旅路トナ ラン」との不吉な予告状が届く。不穏な空気を纏 いながら海妖丸は出港するが、その夜、仮面舞踏 会の直後に殺人事件が起こる!船内には宝石泥棒 も紛れ込み、更なる事件が―!!名探偵月輪シリー ズ、待望の第3弾!

  • 面白かったです。

  • 明治ミステリーの三作目ですが、良かったですね。 客船で起こる数々の事件っていう定番なんですが、明治という雰囲気を味わえるし、ミステリーとしては普通かなあって思えた。しかし、犯人の隠し方終盤にいたり評価は急上昇。

  • 予告殺人、密室殺人、衆人監視での毒殺など、短めながら本格のガジェットが沢山詰め込まれていますし、クローズド・サークルの盲点を突いた意外性抜群の真相で面白いです。
    しかし、意外性を追求したせいか、第二の毒殺トリックはかなり強引。その前のダミー推理の方が納得し易いので微妙に感じてしまいます。
    また、本筋とは関係ない事件があるのも残念。そこは省くか本筋に繋げて欲しかったです。

  • 2015/09/21読了

  • 大胆な構図を力技で捩じ伏せてくるのは前作通り。
    そして、小説としては面白味に欠けてしまうのも前作通り。まあ、そこは本格としての評価を左右するものでは無いのですが…
    今回メインとなるのは帯にあるように、殺す機会のあったものを探す、アリバイ崩し的な要素なのでしょうが、それを覆う一大トリックが強烈です。第二の殺人はよく考えられたトリックだとは思いますが、よくある、回りくどすぎて現実味がなくなってしまっているパターンのやつ。
    前作にも増して、緻密さは上がっていますが、細かいところに手が届いていないような印象で、なんとも惜しい作品です。
    それでも、シリーズを読んできた読者なら、十分楽しめると思います。

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