江ノ島西浦写真館

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 906
感想 : 124
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910662

感想・レビュー・書評

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  • あることをきっかけに、プロを目指していた写真と縁を切った、桂木繭。
    しかし、江ノ島で写真館を開いていた祖母が亡くなり、遺品整理のために写真館を訪れなくてはならなくなった。
    そこで、玉手箱のふたを開けたように、様々な“過去”の謎と遭遇する。

    仲見世通りは観光地らしく賑わっているが、江ノ島は不思議な雰囲気がある。
    島全体が神社の神域なのだろうと思われる。
    この本も、現代物だが、過去の謎が明るみに出る話なので、どことなくセピア色かかったレトロな雰囲気がある。
    一つ一つの謎が解かれていって、一つに撚り合わされる最後、スッキリと読み終われた。

    セピアに沈んだ中で、一人だけ極彩色なのは、土産物屋の研二さん。
    みんなが路地の奥の湿ったにおいがするのに、彼だけはお日様の匂いがする。
    この作品では貴重な、笑い(ほんのりだけど)担当でもある。
    そんな彼にも謎があったのだが。

  • プロローグ+エピローグ+全4話の構成。
    ビブリアシリーズのヒロインを主人公に持ってきた感じ。
    写真を題材にしたレトロな雰囲気は居心地がよかった。

    あきらかに続編がある終わりかたで、続きも読むし期待できるけど、登場人物のほとんどがカラッと爽やかな性質ではないから、続巻で展開される物語も陰湿なものなんじゃないかと予想。

    さいきんはやりの、ひとつの店を舞台にしたミステリーのオムニバスはなんだかんだで人間の優しさや暖かさに着地するものが多いなかで、本作で最後に明かされる謎は冷たく乾いている。
    最後にひとひらの希望が残されるとはいえ、上記の点が読後感がスッキリしない印象のひとつなんだろうな。

  •  主人公・繭の人物造形がどことなくビブリアシリーズの栞子さんに似ているのは、作者の好みなのか書きやすいからなのか…舞台となる江ノ島と写真館の描写は良くて、これで写真に詳しければもっと楽しめたのに、そこはちょっぴり残念でした。
     繭の学生時代の鼻持ちならない特別意識や人を傷つけた事に傷ついてしまう感じは、多少の差はあれど、皆が抱えている苦さだろうなぁ。

  • 主人公が好きになれなかった。

  • 写真やカメラに詳しくないので少し難しいところもあったけど苦にならない程度だったのですんなり読めました
    繭の過ちや秋孝の真実などぞっとするところありつつ、全体的に静かに展開していく雰囲気が好きでした

  • 館主の死により幕を閉じた江ノ島西浦写真家。
    遺品整理のため写真館を訪れた孫の繭は、
    注文したまま誰も受け取りに来ない
    「未渡し写真」の束を見つける。
    繭は写真の謎を解き、注文主に返していくが…。

  • 爽やかなミステリーと言った感じでしょうか。飾られた写真の伏線に驚きました。

  • ざらつく読後感。著者の人間に対する見方はシニカルなように感じられる。

  •  もう一つのシリーズの古書店に比べ、作り物めいた印象が強いと感じるのは、私と写真の間に距離があるからだろうか。本についてはもともと活字中毒ゆえ、それだけで楽しい。
     この人の作品って無駄に美形が出るよね。美形って書かれるより、○○が好きとか魅力的って書いてあれば無駄な美形レベルが下がるのに……。

  • ちょっと無理な部分もあるけれど、極悪人は出てこない優しい話
    雰囲気はやはり「ビブリア古書堂」に似ている

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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