- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910662
感想・レビュー・書評
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江ノ島にある百年間営業してきた写真館
最後の館主、西浦富士子が亡くなり、遺品の整理に訪れた孫の繭が主人公です
江ノ島に来る観光客の記念写真を撮り続けてきた写真館ですが、誰もがカメラを持つ時代になってからは、客が持ちこんだフィルムの現像とプリントを主な仕事にしていました。
そしてそこにはもう一つの役割があったようです。
心が傷つき、苦しく、行きどころのない者を受け入れてくれる温かな場所……
その者たちは住み込みの従業員として働きながら、心を癒やしていたのでしょう。
繭が遺品整理をしていると、祖父が注文した写真を受け取りに来たと言う男性がやって来ました。
真鳥秋孝と名乗ります。
話をするうちにお互い打ち解け、秋孝は遺品整理を手伝う事になります。
その中でそれぞれの過去と向き合っていくのですが……
繭の忘れてはならない過去。
真鳥家三代の秘密。
物語全体に漂うのはダークな色合いと空気です。
それは良いとしても、私はどうしても最初から最後まで、繭に好感が持てなくて、ずっと胸の奥がザラザラしたまま終わってしまいました。
最後まで読むと、プロローグに繋がります。
あぁ、そうなのか!
と、もう一度プロローグを読み返しました。
うん。
こういうのは好き。 -
ビブリアの三上さんが綴る江ノ島のお話。
帯に書かれているほどのすっきり感じられなかった。
主人公の繭が、大学でも写真を専門に選ぶほど好きだったはずのなのに、ある事件をきっかけに写真とは疎遠になっていた。普通の企業に就職して、しばらくしてから写真館を営む祖母が亡くなり、その家の片づけをすることになる。そこで知る真実・・ -
2話目で主人公・繭のかかえる“傷”が判明。
しかし4話では、それをしのぐほどの「それってアリ?!」な展開に…
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亡くなった祖母は、写真館を営んでいた。
祖母の遺品整理のために、写真館を訪れた繭だったが、そこで未渡し写真を見つけてしまう。
未渡し写真を捨てるわけにもいかず、注文主を探していく繭だったが…
写真をやめてしまった繭の、心の傷。
そして妙な縁で知り合った青年・秋孝のかかえる秘密とは…?
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著者の三上延さんは「ビブリア古書堂の事件手帖」を書かれた方だそうです。
ですがわたしはそれを知らずに、背表紙タイトルだけでこの本を手に取りました。
結論から言えば、おもしろかったのですが、先に「ここで読むのをつまずくかもしれないポイント」について、2つ挙げておきます。
1つ目。
プロローグは猫目線で書かれているのですが、かといって語りは猫自身ではなく、ナレーションでした。
猫のことをナレーションが“彼女”と言っていて、それでかなり混乱してしまい、物語に入りにくくなってしまいました。
最後まで読み終えたあと、プロローグをもう一度読むと、プロローグがラストの伏線になっているとわかります。
プロローグで読みにくさを感じた方は、ぜひそこで読むのをあきらめるのではなく、潔くプロローグをとばして、第1話から読み進めることをオススメします。
2つ目。
小さい「っ」と大きい「つ」の区別がつきにくい字体を採用されているため、非常に読みづらかったです。
小さい「っ」のところを何度も大きい「つ」として認識してしまい、読むスピードと理解が落ちてしまいました。
よくよく見てみるとこの字体は小さい「ゃ、ゅ、ょ」なども大きめにデザインされていました。
内容は良くても、こうした字体のデザインが読む人を疲れさせてしまっては、もったいないです。
この字体がどんな種類なのかはわかりませんが、読み物に使うには難ありだと思いました。
しかし本作は、この読みにくかった点をしのぐくらいの面白さでした。
第2話ではやくも主人公・繭のかかえる心の傷がわかるのですが、繭自身からでたサビとは言え、なかなかのヘビーな心の傷でした。
しかも、こんなにおとなしく見える繭が、過去にはかなりイタイ人だったことも、衝撃を受けました。
というか、本当に同一人物…?というくらいの性格のちがいでした。
しかしわたしは、第2話を読み終え、少々油断していました。
「第2話でこんなにも大きな謎が明らかになったのだから、あとは中くらいの事件を解決してエンディングかしら?」なんて思っていたら、第4話で飛び上がるくらいびっくり仰天な秋孝の秘密にぶち当たってしまったのです…!
「えー…、そんなのありなの、、、」と、その秘密を知ったとき、秋孝親子の歪みに3kmくらい引いてしまいました。
そしてプロローグとリンクしていくエピローグ…
読み終えたときには、全4話のドラマを一気見したような、そんな気持ちになりました。 -
繭の内気な性格と大学からの無神経な陽気がそっくりで読んでいて胸が痛んでくる。周りの人達の問題を解決していく繭に少し傲慢さがありつつ人と接していくうちに性格もそして過去と向き合って克服していく過程もうまくまとめてありリブリアとは違う穏やかに流れる時間を一緒に共有できた。写真館を売ってしまうようだが繭と幼馴染みが和解して一緒に祖母が困った人を助けたように2人で経営していって欲しかった。
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なかなか良かった。『ビブリア古書堂の事件手帖』の時は、もとになる本を読んでいないために、よく解らない部分があったが、今回は写真が題材なので、イメージがわきやすく。
人物に”過去”があるのは、ビブリア譲りか。 -
「ビブリア古書堂の事件手帖」の著者によるミステリ。
祖母の遺品整理のため「江ノ島西浦写真館」に訪れた桂木繭は、注文したまま誰も受け取りに来ない「未渡し写真」の見つけ、写真の整理をしながら、自分自身の過去とも向き合っていく。
甘くもなくほんわか系でもないところがこの著者の魅力だと思う。
(図書館) -
うーん。...で?と思わずつぶやいてしまう終わり方。
中盤は良いのにラストのエピソードと終わり方が微妙。
全体的な雰囲気はとても良いのですが。
昔のコバルト文庫とかティーンズハートみたいな感じなので若い方にはオススメかなぁ。 -
濁った足音ってどんな音だろう。
でも人は何かしら引きずって歩いているのかもしれません。繭と琉衣には時間という薬が必要だったのですね。秋孝や研司にも。
時を切り取る写真館という場所だからこそまた動き始める光が見えてくるような描写。
漠然と持っていた江ノ島に対するイメージが少し変わりました。 -
過去にとある理由でカメラを手放した主人公が祖母の写真館に遺された未渡し写真にまつわる謎の数々と出逢い、再び歩み出すまでを描く日常の謎ミステリ。題材上どうしても専門知識に依りがちなところをそれだけでは終わらずに、謎解きのための一ステップに組み込んで論理で解決できるつくりになっているのが好印象。事件ひとつのために大仰な設定をブチ上げてしまう新本格っぽさ、間に倒叙形式を挟んでみたりと飽きさせず、ミステリ書きとしての三上延の手つきを再認できる非常に丁寧な作品でした。
うしさんのツノみたいな感じも可愛いですね。
確か……前のアイコンも目を伏せているような雰囲気ある感...
うしさんのツノみたいな感じも可愛いですね。
確か……前のアイコンも目を伏せているような雰囲気ある感じだったでしょ…、たぶん…、たしか…?!w
とても好きでしたけれど今回も可愛いです〜
なおなおさんのわんこのお耳もめっちゃ可愛いし〰️!!♡
いろいろと細かく変えられるなんて…凄いですね。私までとっても楽しい気分になりますよ〜
素敵〰️!!☆♡
チーニャさんもありがとうございます。
チーニャさんもありがとうございます。