ロバのサイン会

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 121
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910884

感想・レビュー・書評

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  • 人間の都合に振り回される生き物達に申し訳なさを感じつつ、それぞれの視点から見える世界を新鮮に味わうことができました。インコの話とイグアナの話が辛かったー。でもどの話も優しくて、読み終えた後はほんわかした気持ちになれました。

  • テレビ番組でADの山田ちゃんと一緒に日本全国をまわってすっかり人気者になったロバのウサウマくんをはじめ、猫、イルカ、犬、インコから果てはアゲハチョウまでが人語を解し、飼い主のことを想ったり悩んだりする短編集だ。
    動物が人の言葉を理解する、という設定はありがちではあるのだけれど、そのぶん安定のやさしさとほんわかさがあって、読んでいて和む。
    自分が昔小鳥を飼っていたこともあってインコの章ではぐっときてしまった。
    動物たちがみんなこんな風に自分(飼い主)のことを愛してくれていたらいいな、という願望のような物語だ。

  • 動物達が語り手の短編集。その世界は少しずつ繋がっています。後半のおはなしがじんわりきて好きでした。

    「うまれないタマゴ」ゆたゆたとイグアナのネムリンが語るおはなし。 柔らかくおっとりとした優しい声のイメージ。ぽわっと暖かな空気が漂ってるのに、ほんとは悲しい「命」の話。もう生きる意味を奪われているのに、その悲しさに、登場人物の誰も気づいてない。それがより哀しい。

    犬派の人間としては「お値段100万円」もイイ。愛したい、愛されたい。犬と人間はそういう関係。ほんとの犬が思ってることなんて永遠にわからないけど、きっとどこの犬もこうです。たとえ愛されてなくても、どんな目にあわされても、犬は人を愛したいし、愛されたい。だからその子を選んでおいて、自分を一心に愛してくれるその子を最期まで愛する精一杯の努力をしない人間はほんもののクズだと思う。

    「青い羽ねむる」自分の死期を悟っている天才インコのパピプー。彼もまた蓮くんを愛してる。そして命の真理を読者に教えてくれる。でもそれが分かっていたとしても、やっぱり小さな相棒がこの世からいなくなるのは悲しい。だから愛し、愛される相棒を持つ人はみんな、蓮くんのように「死んでいく相手をちょっとでも幸せにしたい」んです。

  • どうぶつ目線の物語。

  • 心のよどみを洗い流してくれるような柔らかく優しい本。動物が人間の言語を全て理解していたら?という「もしも」が前提の話の連作短編集。動物たちが一生懸命に全身を使って人に「自分の言葉」を伝えようとしている姿に涙腺が緩む。楽しい話ばかりではないけれど、それもまた、現実の姿なのだから仕方が無い。セキセイインコの「パピプー」と飼い主の「蓮くん」とのやりとりが、自分の実家で飼っているインコの姿が重なってしまい、思わず涙。案外「もしも」の話じゃ無くて、動物だって、人間の言葉を理解しているに違いないと確信した。

  • 連作短編8編
    猫,犬,インコ,揚羽蝶,イルカ,イグアナ、鹿,ロバの目線から人間との関わりを描いて,厳しい内容でありながらお互いの思いやり,共感で,読後感はほっこり癒される.

  • プロダクションに所属する動物たちの目線から書かれる小説。猫とインコの話がかわいくて好き。

  • 2016/5/30

    猫にイルカ、イグアナ。色々な動物たちの声。
    平和であったかい短編集。
    日向でのんびり読みたい一冊。
    表題作は「本屋さんのアンソロジー」に入ってたかな?
    「うまれないタマゴ」が好きだった。

  • 猫、イルカ、鹿、イグアナ、インコ、蝶、犬、ロバ
    動物たちの視点で人間を描く、しっとりしみじみの連作短編集

  • お話。

    こんな風に私たちは見られてるかもしれないよ(笑)

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著者プロフィール

神奈川県出身。2005年『秋の大三角』で新潮エンターテインメント新人賞を受賞。『劇団6年2組』で第29回うつのみやこども賞受賞。作品に、『チームふたり』からはじまる「チーム」シリーズなど多数。

「2014年 『新装版 チームシリーズ 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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