- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910990
感想・レビュー・書評
-
表紙の立葵があまりに美しいので〜
訳分からん。老化現象から読解力も落ちてる「あっ元々ないか。」
登場人物がみんな虫の名前だし
前半、導入のところでこの話は
てんとう虫さんのことだとばかり思ってるので「思い込み」騙された。
登場人物 マリア、てんとう虫、ミミズ、オオムラサキ
そこにミツバチ、アゲハの親子連れが入ってくる
みんななにがしらの辛いこと、誹謗中傷、事件に関わって
やっとマリア、テントウムシらの家にたどり着く
もちろんマリアもテントウムシも同じ。
自分も同じ環境で逃げ出して、ここで暮らしているような錯覚を覚え苦しく、怯えた。
アゲハのことを冷静に判断できずに、
アゲハのことが〜だろうという概念が定着して、
脅迫観念みたいな
追われるような切迫した気持ちで読み進め
辛かった。
どうしたらいいのか?
救いはあるの?一気読み。
結局、テントウムシだと思ってたことが
〜だったりして
騙され続けた。
本文より
「いちばん大切なのは自分の目。
他の人は騙せても自分の心っての目は騙せないよ。
恥ずかしくない仕事をしな」
そうだよね。
原田ひ香ー難しい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルからは、想像のつかない話でしたが、読んでいくうちに引き込まれていきました。
原田ひ香さんのお話は、やっぱり好きだなぁ〜。
キレイな装画にも惹かれました。 -
改めて、原田さんのストーリーテリング力に感服。タイトルの「虫たちの家」、当初は地味な印象があってあまりそそられなかったのだが、読み始めたらいつもの原田作品同様に夢中になって読んだ。
ネット被害に遭った女性達が離島のグループホームで共同生活を送っている。自分の名を捨て、「テントウムシ」「オオムラサキ」「ミミズ」など、虫の名で呼び合いながら、農作業をし、つつましく暮らしている。ここにしか居場所がないのだと今の生活を頑なに守ろうとするテントウムシだが、新参者の母子(ミツバチ、アゲハ)の出現で、平和だった日々が脅かされ始める…。リベンジポルノが題材の為、時々その酷さに胸が痛む。だけど、一見正義感に突き動かされているように見えるテントウムシの行いに感じる小さな違和感。男心を弄ぶ美しい娘・アゲハの行いや言動にも些細な矛盾を感じ始める。そして訪れる、思いがけないどんでん返し…。
思い返してみれば、さり気なく伏線は張られていた。細かいところで、もう少し説明が欲しかった部分もあるけれど…それでも、あまりに意外な展開に思いっきり度肝を抜かれてしまった。全体的には何とも苦い印象が強いけれど、心が絞られるほど切ないところもあり。弱い者への寄り添い方が原田さんらしいと思った。様々な人生があり、その過程で人を傷つけずに生きていける人などいないだろう。時には人と関わることを拒絶してしまうほどに辛くなることもあるだろう。それでも、いつか、どこかのタイミングで再生できる。そう思える一冊だった。 -
綺麗な装丁に惹かれて読みました。
想像とは全く違う話でしたが読み始めたら止まりませんでした。
ネットで辛い思いをし、九州の離島で虫の名前を使い共同生活している女性たちのお話。そこに新しい母娘が加わって、いろいろな意味で怖くなりました。
リベンジポルノも怖いけど、自分以外の誰かから悪意がなくても漏れる事もあるネット。使い方はより気をつけなければとも思いました。 -
それぞれに事情を抱えて、実の名前を捨て虫の名前を名乗り、九州の離島でひそやかに共同生活を送っている「テントウムシ」たちのもとに、美しい母娘連れがやってくる。
ある事件の被害者で、詳しい事情は語られないものの虫を名乗る女たちの仲間に入った母娘だったが、やがてかすかな不穏の波がざわめきはじめる。
「テントウムシ」の視点で虫の家や島の集落との関わりが語られる合間合間に、中東かどこかと思われる異国の地に海外赴任した親に連れられてきた少女の回想が何度も挟み込まれ、物語の不穏さは徐々に波を高くし始める。
異国の地で戸惑う少女は誰なのか。
なぜ、不穏さは鳴りを潜めないのか。
読み終えた後も、どこか胸がざわつくような物語だった。 -
九州から船を走らせてつく島
「虫たちの家」
マリア
テントウムシ
ミミズ
オオムラサキ
わけありの女性4人が住んでいる
お互いの素性や過去は詮索しない
ネットを使うことを禁止
ある日、女子高校生のアゲハと母のミツバチが
本土からやってくる
島の男達と親しげに話すアゲハ
よくない噂をテントウムシは聞き
アゲハの過去を調べる
明るい原田ひ香さんのイメージとは異なる作品
ミステリー要素がある小説
アゲハのキャラクターが強烈
テントウムシが言うように
嫌いになれないのは
彼女の過去を武器にする強さ -
4歳の娘『この絵かわいい』と図書館で初のジャケ借り(笑)
-
+++
九州の孤島にあるグループホーム「虫たちの家」は、インターネットで傷ついた女性たちがひっそりと社会から逃げるように共同生活をしている。新しくトラブルを抱える母娘を受け容れ、ミツバチとアゲハと名付けられる。古参のテントウムシは、奔放なアゲハが村の青年たちに近づいていることを知り、自分の居場所を守らなければと、「家」の禁忌を犯してしまう。『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』で注目の作家が描く、女たちの希望の物語。
+++
紹介文には、希望の物語、とあるが、傷ついた女性たちが希望を持ててよかったと、無条件には喜べない。偏見はいつまでたってもどこにいてもつきまとい、そこから完全に逃れることは一生ありそうにない。それをわかったうえでの制限付きの希望が見えるだけのような気もする。もっと言えば、本作の主題は、傷ついた女性の希望の復活、というよりも、氷室美鈴個人の真実探求の物語だったような印象である。折々に挿みこまれる抑圧された異国の暮らしと、現在の彼女たちの置かれた状況が一本につながるとき、視点が一変してさまざまなことが腑に落ちるが、それで何かが解決されるわけではないので、思ったほどのカタルシスは得られない。しかも、わき役的な登場人物の扱いが、いささか軽く、ラストを急いだ感じがしてしまう。とはいえ、読書中は次に何が明らかにされるのかというスリルを楽しめる一冊だった。