よっつ屋根の下

著者 :
  • 光文社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911096

感想・レビュー・書評

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  • 一人一葉の人生ですが、

    だれもが大きな流れに
    流されている。

    ときには溺れかけたり
    しながら。

    流れは強く奔放だけど
    ひとつ屋根の下ならぬ
    ひとつ空の下、

    まわりの人たちと手を
    取りあって、

    励ましあっていきたい
    ですね。

  • 幸せに暮らしていた家族が、突然離れて暮らすことになる。だけど根本には、お互い思いあっての「よっつ屋根の下」なんだな。
    4人家族、それぞれの視点から語られているので、4人の気持ちがわかることができて良かった。
    譲れないことがあっても、それぞれの立場で相手の気持ちも思いやることの大切さをおそわりました。
    ただ、個人的にはちょっと印象が薄いかな・・・と感じました。

  • お嬢様の母、正義感の強い父、兄と妹。千葉に飛ばされた父について行くフミアキ、白金に残る母と妹。それぞれの目線で語られ、事情や考えが分かっていくにつれて、家族や家の存在や意味を知る。 読んで良かった、いい本だった。

  • 父親の転勤(左遷)でバラバラになる家族。

    それぞれの事情や気持ちが1章づつ描かれていて、家族それぞれの思いやその思いが変わる瞬間をみれる。

    最終的にあったかかった!

  • 家族全員バラバラに住んでいるけど、互いが互いに互いのことを思い合っている家族愛にほっこり。
    妻・華奈のことを都会的で冷たい女性と思っていたけど、あの境遇ではそれも仕方ないし、それを理解できている長男には脱帽。
    エリート路線から外れた長男は、田舎町である銚子で東京では味わえなかった出来事・体験について感謝している。
    わたしも受験に失敗して、もしあのとき合格していたら…と考えることもあるけれど、今の環境に不満をもっているわけではないし、この環境でしか学べないこともあると思うという点で、共感できた。
    ほっこりあたたかみのある作品だったが、パンチの足りなさを感じたので、星2つ。

  • とてもよかった好みの作品。家族一人一人が何を抱え、感じ、時を重ねて、変化していくかが薄皮を剥ぐように気持ちに焦点を合わせて、丁寧に描かれる。「家族」だからこそ難しい。経済的には豊かでも、底に横たわる階層の違い由来や、地方出身ならではの劣等感の描き方は秀逸だと思う。貫井さんの『愚行録』を思い出す。越えられない壁はある。母華奈を「いい年をして」と言い切ることは簡単だが、大好きな憧れの父に裏切られ、家族にも置いてきぼりをされた当時のままの寂しさから人間がいかに抜けられないかが浮き立つ。家族は本当に難しい。

  • 父と母、兄と妹の4人家族。

    4人それぞれの立場からみた家族を書いた4編と最後の1編。
    現実と向き合う子供から入るので、どうなるの?とドキドキするも、ふんわりあたたかくて、収まるところに収まる。

    またしても一気読み。

    大崎梢さんは、子供の視点がなかなかうまいなーっていつも思います。
    こんな家族もいいなー。

  • 大崎さんの作品の中で一番気に入った。父親の転勤で4人家族が離ればなれになる話。なぜ母親は頑なに白金を離れようとしないのか。単純に田舎暮らしが嫌なわけではないことがわかってくる。いいとこの家はしがらみというか呪いが知らないうちにかかってしまうのね。いい話だった。

  • だれもが家族を愛していて、家族とともに暮らす生活を大切に思っていて。
    なのに、「普通の暮らし」ができなくなったとき、自分はどの道を選べばいいのか。その道を選ぶために選ばなかった道を捨ててしまえるのか。
    多分、日本中にこの平山家のような家族がたくさんいるだろう。原因はいろいろだろうけど、別れて暮らす生活はやはり少しずつひずみが生まれたりもするし、一番弱いところ、幼い子のところで問題が蓄積されて大きくなっていったりする。
    それをどうやって崩してならしてまた新しい形を育てていくか、が親の責任であり逃げてはいけないところなんだろう。
    フミくんが母親や親せきからのプレッシャーに負けずに父親との暮らしを選んだ、そして見知らぬ土地での生活のなかでまっすぐに育って行った、その彼自身と彼の時間が愛おしくて。
    一面からだけ観れば母親を一方的に責めたくなるのだけど母親が抱いていた問題が明らかになるにつれそっとかばってあげたくなる自分がいた。
    この夏サイコーの家族の物語です。

  • 父母兄妹4人家族それぞれの立場と考え方をそれぞれの目線で綴ったストーリー
    目に浮かぶような表現力で楽しく読み進めた
    ハッピーエンドでよかった

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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