アリス・ザ・ワンダーキラー

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 148
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911195

感想・レビュー・書評

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  • 変化球投手のイメージの著者ですが、高速スライダーといってよいのか、極めてまともな作。
    主人公アリスがヴァーチャルリアリティの世界の「不思議の国のアリス」に迷い込む話。連作の形式をとっていてお馴染みのキャラクターと事件に巻き込まれるが、隠された真相まで二転三転する展開。

    本格のテーマでアリスを舞台に描いているのは沢山ありますので、目新しさは感じないですが、フーダニットや論理展開の楽しさ。連作に隠されたテーマの伏線回収が楽しめます。

    序盤は論理パズルを解くような単調さと、今ひとつ舞台設定が分かりにくいのが難点ですが、ユーモラスな結末に名探偵のジレンマを絡めてくるあたりはミステリ研究会出身らしい。

  • らいちちゃんシリーズが印象的過ぎる作家さんですが、こちらはらいちちゃんシリーズより大分まろやかでスラスラ読めました。
    10歳とは思えぬアリスの言動が面白い。
    そして終盤の畳み掛け。
    アリスに流れる血は強いわな……と納得。
    軽めに読めて良かったです(๑>ᴗ<๑)

  • 不思議の国のアリスをモチーフにした謎解きが、こんなラストだとは思わなかった。途中で「ん?」と思うことはあったけど。アリスが好きだから謎解きも面白かったが、ラストで違う面白さがあってよかった。

  • アリスの世界で謎解きするゲームと思ってたら最後にびっくり。面白かった。

  • (ネタバレします)
    『誰も僕を裁けない』はもう今年のベスト10に入ることはほぼ確実な情勢で、そうするとらいちシリーズは全作毎年ランクインという快挙なのですが、『RPGスクール』が不発だったのもありシリーズ外作品は不安だなあ、と思っていたのですが、うーん、やっぱり微妙だなあ…。
    いや、振り返ってみるとよくできてるんですよ。ダイイング・メッセージの解法だって面白かったし、第五話からエンディングの、解法からのどんでん返しも、すごくよくできている。『RPG〜』もだけどロジックをこねくり回すのも意外にできる人なんだよな、というのを感じさせてくれる。
    ただ、どうにも作品に没入することができなかったんだよなあ。基本的に、作中作とか、今作みたいなヴァーチャル・リアリティが舞台、とかなるとメタレベルが一段下がるので、ミステリとしての緊迫感に欠けるってのがまず一つあると思う。まあ、これは好みの問題なんだろうけど。
    あと主人公のアリスが10歳にしては大人びすぎている気がしたなあ。もうちょっと年齢上げても良かったのではないか。原作に準拠したのかな? そう、モチーフになってる『不思議の国のアリス』を未読なのもイマイチ入り込めなかった要因かな。
    うーん、これこそ完全な自分の印象なんだけど、やっぱりらいちシリーズに比べて筆が乗ってない気がするんだよなあ。別に自分がそんならいち萌えとかそんなんじゃないんだけどw『RPG』のときにも感じたちょっと無理してる感じ、があったんだなー。
    好きな作家リストに入れたいんだけど、らいちシリーズ以外でもガツンと心を掴んでくれないと、できないかなあ。
    ただミステリ的な地力はある人だと思うんで、そのうちに、らいち以外でもすごい作品を書いてくれると思っています。

  • 名探偵に憧れる少女が「不思議の国のアリス」をモチーフにしたVR世界で推理ゲームにチャレンジする連作短編集。
    脱出もの、誘拐、ダイイング・メッセージ、遠隔殺人、密室といったオーソドックスな謎と「不思議の国のアリス」ならではのトリックを絡めた良質な短編になっていますが、第五話の大仕掛けはVRの設定が後出し気味なので不満が残ります。

  • いやミス?バカミス?この人の作品は以前読んで駄目だったけれど、こちらは完読した。寝る前に1話ずつ読むとちょうどいい。ラスト近くがばたついてたけど、読みやすいかな。

  • 読了、70点

    ***
    10歳の誕生日を迎えたアリスは、素敵なプレゼントを送るよという父親からの手紙を見て敷地内の小屋へ行くとお事が待ち構えていた。彼はアリスの好きな不思議の国での謎解きができるというVR装置を持っていた。彼の指示に従い不思議の国で謎解きを始めたアリスは……
    謎解きをモチーフにした連作短編集
    ***

    以前から尖った作品を書いている作家さんだと思いますが、意外や意外この作家の作品は初読了。
    伏線が上手く張られていたというのが率直な感想。特に第一編と第五編は好みでした。
    ただ場面情景が伝わりにくいのが惜しかった印象。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★☆☆☆ 6
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★☆☆ 3
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★★☆ 4
    【尖鋭】★★★★☆ 12
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★☆☆ 6

    《総合》69 C+

  • アリスが好きなので読みました。トリックもしっかりしてたしおもしろかったけどアリスの話し方が終始「〜かよ。」って言ってて口悪かったのが気になった笑

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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