木足(もくそく)の猿

著者 :
  • 光文社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911508

感想・レビュー・書評

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  • 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。時代は江戸の終わりから明治の初めで、親友の仇討ちと、外国人連続殺人の犯人探しという2つの目的を持った片足の男が主人公。
    日本が極貧だった時代の話なので、貧しく悲惨なエピソードばかりでひたすら重苦しい。これは繰り返し読める小説では無いな。
    文章に破綻が無かったのと、ミステリーとして完結していたのは良かった。著者は過去、この新人賞の最終候補に6回残ったそうだが、それだけの力量は確かに感じた。次回作が現代物なら読んでみたい。

  • 第20回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
    明治初期、英国人が次々と殺害されて生首が晒される事件が起きた。友の復讐のために脱藩してさすらう奥井はこの事件に仇が関わっていると知り、犯人を追うことに…
    ミステリでもあるが、新人賞とは思えない重厚さで、江戸幕府から明治に移り変わる激動の時代に翻弄される様々な人の生き様が胸に迫ってくる小説だった。ハードボイルド。

  • 明治時代に入って数年後、英国人の生首が橋など公衆の場に晒される事件が3件続く。殺されたのは外交官や医師など地位が高い英国人。犯人探しをする新政府の警察。それとは別にある出来事からこの事件を探偵として犯人探しをするようになった奥井。奥井は元は侍で左足の膝から下が無く木で作った義足を使い、杖を使用。杖の中に亡き友の刀を忍ばせている。亡き友、水口を殺した犯人の矢島に復讐する為に、17年も矢島を探し放浪の旅を続けていたのだが…全体的に良くまとまりハードボイルド要素が詰まった内容。友の仇は取れたのか?は最後に明かされる。タイトルの木足の猿は白人から見た奥井の風貌になる。

  • 江戸から明治にかけて、最後の侍の世が終わるそんな時代を舞台に、親友の仇討のために流離う主人公・奥井が英国人殺しに敵が関わっていることを知り、犯人を追い求めて行く、というなかなか重厚なお話。文章は読みやすいし、どんどん盛り上がって行くので勢いがつくのですが、時代が時代のためか、登場人物のほとんどが殺伐としていて、読んでいて妙に疲れました…。

  • 明治初期の話。世の中、混沌としています。

  • 幕末-明治期の殺人事件/ 元忍びと脱藩浪人のバディもの/ ラストの落ちは想像できなかったが、展開が少し単調でひねりがなく強引、か/ 

  • 明治維新後の混沌とした時代を背景にした、連続殺人事件。

  • ロンググッドバイかー。

  • 明治九年、英国人の生首が晒されるという事件が起きた。居合の達人にして左足が義足の奥井は、友の復讐のため脱藩し、横浜にたどりつく。そこで、生首事件に仇が関わっていることを知り、犯人を追うことになるのだが! 男たちの生き様が熱く、せつない!

著者プロフィール

戸南浩平

一九六六年静岡県焼津市生まれ。金沢美術工芸大学卒業。『木足の猿』にて第二十回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。本作が初の警察小説となる。圧倒的なリーダビリティが評価される新鋭。近著に『菩薩天翅』がある。

「2020年 『炎冠 警視庁捜査一課七係・吉崎詩織』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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