つぼみ

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911799

感想・レビュー・書評

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  • 宮下奈都さんの静かで澄んだ雰囲気に浸りたく、手にした本作は、表紙の女の子が可愛さで選んだ。
    短編集ではあるが、初めの3作の「手を挙げて」、「あのひとの娘」、「まだまだ、」が連続したストーリーではないが登場する人物において繋がりがありワクワクしながら読んだ。恥ずかしながら、このワクワク感が「スコーレNo.4」に続いていたことは読後に知ることになった。(だから、表紙や感覚で選ぶのはやめようといつも思うのだが、なおらない…泣)

    この3作は津川里子の実妹・薙田和歌子の話し、里子の夫の高校の時の彼女・美奈子の話し、そして里子の娘・紗英の話し。ストーリーの連続性はないが、一つの物語と並行した別の物語が存在している。人の思いの数だけ物語が存在していることに、私の世界以外で生きている人のことをいつも不思議におもっていた幼い時の感覚を思い出し、懐かしい気持ちにもなる。

    手を挙げて…
    「もう一度生まれてきたとしても、きっとあなたは今の相手と結婚すると思う人、手を挙げてください」

    手を挙げたふたりのうちの一人は、主人公・薙田和歌子の母であった。

    おずおずと隣で挙げられた母の手に対し、高くまっすぐに伸ばされた手。

    姉・津川里子が和歌子に言った。その母の手は「ふり」。母は、その言葉を本心にしたかったということだと言う。
    心のどこかでこうありたい…それを言うこと、あるいは態度で示すことで、自分をそう思わせる。そんな気持ちを本当は知られたくないだろうなぁ…
    そしてもうひとりの高くまっすぐに挙げられた手に、和歌子はプロポーズする史生の手を重ねる。未来への期待と未知なる不安を暗示する。

    余談ではあるが、たった2人しかあげなかった。『そんなもの?』と、思ってしまう。そう思うのは、きっと私が満足しているからだと思う。幸せに感謝しないと…

    あのひとの娘
    私・美奈子が高校一年の時に初めて恋した津川泰郎。その娘の津川紗英が私に生花を習いに来る。

    丸形のラケットを選択する気持ちに真剣さが伺える。なんのためにテニスを始めるのか…上手くなりたいから。だから丸形ラケットを選ぶ。なぜ卵形ラケットを選ぶのか…楽しみを広げたいから。
    どちらの選択肢もあり得ることだ。

    紗英の生花への気持ちの真剣さが、丸形ラケットを選んだ紗英の父と被る。

    まだまだ、
    津川紗英の淡い恋の話し。前章の「あのひとの娘」で生花に真剣に向き合う紗英の原点になる話し。
    中学の同級生の浅倉くんは、勉強ができて、野球部では一塁手。友達も多く、女子にも人気がある。そんな彼が生花を習いに来る。

    ふたりの会話のやりとりに微笑む。

    「いつか私だけの花を活けて、浅倉くんをはっとさせたい。姉のことなんか目にも入らないくらい私の花を見つめてくれたらいい。そっと盗み見たら、浅倉くんはまだ困っているみたいな横顔で籠の中の花を見ていた。」
    紗英の女の子の気持ちを思い、自分の遠い昔の記憶を探し始める。

    晴れた日に生まれたこども
    「後悔しない道を選べっていったんじゃないんだ、後悔しないように考えるから選べなくなるんだって、ほんとうに迷ったら切羽詰まったら、少しでも心地いいほうへ進め…」
    と、彦がコーに話す。母が泣いていた時に、父が母に言っていた言葉。
    晴れの日に生まれたふたりの姉弟。晴子と晴彦。お互いをコーと彦と呼んでいる。

    『え?後悔しないほうに進むでしょ?』と、彦の記憶に苦笑する。

    なつかしいひと
    僕・園田太一の前に現れた中村さん。「名前はなんていうの。その見かけない制服はどこの学校のものなの。何も聞けなかった。聞かなくても知っていた。家に帰って、おばあちゃんに古いアルバムを借りればわかること。」

    僕の母親が亡くなり、父と妹と3人で母の実家に転居する。表札には、僕の姓、園田と母親の旧姓中村の表札を母の両親が準備していた。

    親の子を思う気持ちと、子の親を懐かしむ気持ちに切なく感じると言うよりもあたたかい気持ちになった。
    この章、かなり好きかも。

    ヒロミの旦那のやさおとこ
    美波と岡村ヒロミ、三好知花は、小学校の同級生。ヒロミのあだ名はドラ。声がドラ声だからか、態度がドラ猫然としているからか、いわれは思い出せないが、気がついたときにはヒロミはドラだった。
    どんどん強くたくましくなっていくヒロミ。
    今はヒロミも結婚し、みよっちゃんも結婚し(離婚して出戻ってきているが)、独身は美波だけ。

    そんなヒロミがいなくなったと、ヒロミの旦那のやさおとこがヒロミの実家の家の前に古い白い車で探しに来る。

    ヒロミの男前な性格に感心する話ではあるが…女友達ってんな感じだよなぁと思いながら読んでいた。それでもやっぱりドロドロした恋愛の話でもなく、登場する人物もストーリーもやっぱりみんなあっさりして、ピュアな感じがした。

  • 温かい気持ちになれる短編が読みたい気分で、久しぶりに手を伸ばした宮下奈都さん。
    やはり、今の気分に寄り添ってくれる、ぴったりの作品だった。

    ◆あらすじ&感想
    『手を挙げて』
    昔、教会で、もう一度生まれたとしても今の相手と結婚しますか、という質問に、挙手で答えた母。娘の和歌子からみて、決して仲がいいようには見えなかった両親。姉の里子曰く、(母は)「本心にしたかったんだと思う。自分を騙したんじゃなくて、自分を信じたんでしょ」
    「騙す」と「信じる」は表裏一体で、自分自身のことでさえ、どっちなのかわからないことはよくあること。

    『あのひとの娘 』
    昔好きだった津川くんの娘 紗英(『手を挙げて』の里子の末の娘)に華道を教える美奈子。
    初恋の相手をずっと忘れることができない苦しみ、痛いほどわかる。ましてや、その人の娘が教え子になるなんて…。かなりしんどいだろうな…。
    外から見てると森太がいいやつに思えるのに、当人はなかなかそれに気づけない、現実でもあるあるだ。

    『まだまだ、』
    前章『あのひとの娘 』の中では、愛嬌と生花のセンスを持ち、美奈子の心を乱す存在だった紗英。本作では、紗英が華道を通して「自分らしさ」と「『型』の大切さ」に気づいてゆくお話。
    姉と祖母が、紗英に型の大切さを諭す場面がとても良かった。ラジオ体操の例えはとてもわかりやすくて、ストンと胸に落ちた。

    『晴れた日に生まれたこども』
    幼少の頃からいつも何かが欠落していて、大人になってもフラフラしている弟の彦(晴彦)とそんな弟のことが心配でつい世話を焼いてしまう姉のコー(晴子)。同じ両親のもとに生まれ、同じ母の姿を見て育っても、見た一面の違いによって正反対の性格に成長した二人。何事も長続きせず、フラフラしていた弟は、自分の知らないところで、「迷ったら心地いい方へ」という父の言葉を真に受けていたなんて…。
    「コーって、ほんっとうには迷ったりしたことないでしょ。いつも、後悔しないように生きてきたでしょ。どっちに進んでも後悔するような場面に立たされたこと、な、い、ん、で、 しょー」という彦の言葉は自分にも刺さった。私も、後悔しないように無難で堅実な道(特に人生を大きく左右するような進路や就職の局面で)を歩んできてしまった。悩んで悩み抜いて選ぶ、ではなく、正解はこっちに違いない、と初めから真っ当(に見える)方と決めつけてきた。それなのに、なぜか"心許ない"と感じる。この晴子の気持ちがよくわかる。
    一生懸命生きてきたつもりなのに、そんなふうにあっけらかんと言ってのける弟が恨めしくもあり、羨ましくもある。晴子と晴彦の関係が自分と兄の関係に少し似ていて、ついつい感情移入。この短編集の中ではいちばんお気に入り。

    『なつかしいひと』
    母を亡くした後、父と妹と共に、母の故郷である九州の小さな町に越してきた太一。ある日町の本屋で、黒いセーラー服の女の子がおすすめの本を紹介してくれた。なんだか懐かしい気持ちを抱かせてくれる彼女は、母のなのか…?

    『ヒロミの旦那のやさおとこ』
    中学の同級生の美波、ヒロミ、みよっちゃん。そして、ヒロミの旦那のやさおとこ。
    ヒロミ本人は途中まで一切出てこなくて、過去のヒロミと今のヒロミを知る3人が、ヒロミについて言いたい放題言っている(笑)
    ヒロミに対する印象も、やさおとこに対する美波とみよっちゃんの印象も、全然違うのが読んでいて面白い。
    「もうやらないな?」に対して、「わかりません」と答えるヒロミの潔さがいい。
    "比べるものじゃない。先に行くのがしあわせなのか、置いていかれるのがしあわせでないのか、少なくともヒロミやみよっちゃんを見る限り、まだわからない。"と感じる美波気持ちが、今の自分にもピタッと合っていて切ないような温かいような不思議な気持ちになった。
    ※"もおかしい"(p216)は方言?誤植?

  • 「スコーレNo.4」にとても感動してしまって続けて手にしたスピンオフ作品でした。スピンオフ、日本語にすると派生作品という感じになるようですが、作者にそのオリジナル作品を愛する気持ちがなければそもそも生まれなかったでしょうし、また読み手もそのオリジナル作品があったからこそ手に取るという部分もあるでしょう。これはもう相思相愛の賜物といったところでしょうか。読者にとっては楽しい時間を過ごせることを約束された作品と言えるかもしれません。

    この作品は6編から構成されていますが、予想外に「スコーレ」とつながりがあるのは最初の3遍のみでした。麻子の叔母、そして妹の紗英が登場します。街の情景の描き方など、「スコーレ」に近い雰囲気が出ていてとてもいい感じ。また、宮下さんの作品では、必ず何かお仕事風景が出てきますが、この3遍を繋いだのは活け花でした。

    「スコーレ」を読んだばかりということもありますが、名前が登場した瞬間に作品世界に入っていけるのがスピンオフものの醍醐味。中でも3遍目の〈まだまだ〉が気に入りました。三人姉妹の末っ子として、一番下の立場で面倒を見てあげなきゃと思われる存在の紗英、家族からは『紗英はお豆さんだからね』といつも可愛がられている存在。世の中ではいっ時『自分探しの旅』というもの、もしくは言い方をよく聞いたことがありましたが、『私のまだ見ていない私がどこかにいるのかもしれない。でも知らない私を探したくはない。ペダルを強く踏み込みながら、それだけは思う。探すより、なりたい。こんなひとになりたいと願う。その気持ちのほうが大事だ。』紗英の考え方は真逆です。なりたいと思う自分になりたいと願う紗英。習い出した活け花でも型にはまった活け方を嫌い、あくまで自己流を目指します。でもなかなかに上手くできない自分に悩む紗英。それに対して祖母は言います。『型があるから自由になれるんだ。型があんたを助けてくれるんだよ。いちばんを突き詰めていくと、これしかない、というところに行きあたる。それが型というものだと私は思ってるよ』、こんなひとになりたいと願うのであれば、それを突き詰めたものを否定してはいけない、突き詰めたものをまず知ること、それによって辿り着いた頂点から周囲を見渡せば自ずと自分が思い描く道も見えてくる。なりたい自分も見えてくる、そういったところでしょうか。「スコーレ」ではまだ幼かったこともあって、あまり印象が強くない紗英でしたが、姉の麻子、七葉ともまた違う個性を持った存在として、独特の魅力ある存在として描かれているのを見て「スコーレ」の三姉妹の日常を思い出してしまいました。やはり、スピンオフは面白い。出来上がった作品世界がすでにそこにあるから。短編であっても、一滴そこに落とすだけで、出来上がった作品世界のちょっとした変化が楽しめる、そう感じました。

    一方で、後半の3遍は全くのオリジナル作品でしたが、〈なつかしいひと〉が良かったです。とても短い作品です。なのであっという間に読み終わってしまうのに、また、途中で結末が想像できてしまうのにもかかわらず、最後のページを読むスピードがスローモーションになりました。じっくりと一文一文を味わいたくなりました。宮下さんの描くファンタジー世界。これはとても良かったです。

    後半の他の2遍が私には全く響いてこなかったのが少し残念でしたが、作品全体としてとてもふんわりと優しい短編集でした。短くてもそこかしこに宮下さんならではの愛おしくなるような言葉が散りばめられていた、そんな作品でした。

  • やはり宮下奈都だ。
    六の短編でできてる。
    普段は意識しない無意識の底にある感情、意識というのは何層もあって、学んだけどかなり、漢字変換ややこしい
    例えばアラヤシキとか。
    その奥底の何気ない気持ち。
    何と語彙の貧困さ!」
    その自分では表現できない気持ちを
    きちんと文章で表してくれる
    「そう、そうなのよ」わかってくれてありがとう〜
    やさしいー

  • 6編の短編集。
    その内、3編は「スコーレ№4」のスピンオフ集

    ・手を挙げて
    ・あのひとの娘
    ・まだまだ、
    ・晴れた日に生まれたこども
    ・なつかしいひと
    ・ヒロミの旦那のやさおとこ

    スコーレ№4は、自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思ってる麻子。
    そんな彼女が少女から女性へと変わって行く。
    そして彼女が遅まきながらやっと気づいた自分の一番大切な物…。
    ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描いた作品でした。

    麻子の父や母や伯母の若かりし頃。
    麻子が自由奔放で羨ましいって思っていた妹・七葉や末っ子のおまめさんの紗英。
    それぞれの心の葛藤や悩みや迷いが描かれていた。
    それぞれがひたむきに花と向き合っている繋がりも良かった(*´ `*)
    スコーレ№4が大好きの私は、もう読んでてとっても幸せでワクワクしてた。
    と・ところが…それは3編で終わり…突然短編集に…(´⌒`。)
    テンションが下がった~(笑)
    でも、それぞれとっても心理描写も繊細で素敵なお話でした。
    なかでも「なつかしいひと」にはウルッときました。

    誰しもが、色んな思いを胸に抱きながらも前を向いて生きている。
    少しモヤモヤを抱えた心が温かくなり癒されました。
    明日からも頑張ろうって元気を貰えました。
    宮下さんの作品はいつも優しさが溢れてて心が洗われていく気がします(*Ü*)*.¸¸♪
    「いちばんを突き詰めていくと、これしかない、というところに行きあたる」
    「後悔しないようにって考えるから選べなくなる。ほんとうに迷って切羽詰まったら、
    少しでも心地いいほうへ進め」
    とても印象に残った言葉です。

    装丁がとっても可愛くって素敵でした。

  • 『スコーレNo 4』のスピンオフと思い読んでいたので、4話目を読みながら「これって誰のはなし?」から抜けたせずに最後まで入り込めずにいた。思い込みはいけませんね。
    スピンオフは前3話のみ。
    和歌子さん、父親の元恋人、紗英の3人が主人公。
    個性的な七葉や祖母、影の薄い父親が主人公の話も読みたかったが、まさか父親の元恋人とは…。
    スコーレからの物語世界が隅々まで立ち上がってくることに驚く。
    スピンオフではないとわかった後半2話、とても良かった。

  • 『スコーレNo.4』のスピンオフが3作品含まれる6作品の短編集。
    でも『スコーレNo.4』と切り離して単独で読んでも充分楽しめる短編だと思う。

    特に好きなのは「あのひとの娘」「まだまだ、」。
    高校時代の元彼の娘・紗英を指導することになった華道教室講師の美奈子。
    色々なことがよく分からないまま大人になってしまった、と焦る美奈子は紗英をついつい元彼と比べ高校時代を振り返る…同世代の美奈子の内面の戸惑いに共感した。
    そして2作品に登場する『スコーレNo.4』の主人公姉妹の妹、末っ子のお豆さん・紗英。幼い頃から姉達に可愛がられ守られて、のほほんと育ってきた紗英は、自分のことを「まだまだ」と言い自分らしさに迷い焦る。
    けれど大丈夫。少しずつお豆さんなりに「つぼみ」も膨らんで確実に花が咲く準備ができているから。

    花が咲く前の「つぼみ」の状態の彼女達。
    年齢なんて全然関係ない。
    今は花びらが大きく開く少し前で、もがいてジタバタしているけれど、きっと素敵な花が咲くと期待できる心が晴れやかになる物語だった。

  • 器用に生きている人が無性にうらやましくなることがある。いろんなことをうまくかわしてすいすいと進んでいく人が。そういう生き方が、一番コスパのいい人生なんだろうな、と思う。
    自分のことを好きになれなかったり、そばにいる誰かの、本当は親切で言ってくれてる言葉にいちいちイラついたり、ずっと昔の言動を思い出しては何度も咀嚼して後悔しなおしたりする。そんなとき、もやもやで詰まった心をすっと透明にしてくれる、それが私にとっての宮下小説なのです。
    なにもかも全てがうまくいかなくたっていいじゃない?不器用だったとして何が悪い?あの日選んだ道が、自分にとって心地よいモノであれば、それでいいんだよ、と笑顔でささやいてくれる。
    人生を半分以上過ぎて来た人にとっては、自分の人生をまるっと肯定してくれる心のビタミンとして、これから長い人生をいくつもの選択を超えて生きていく人には、お守りとして、きっと宝物になる、そんな一冊でした。

  • 前半は「スコーレNO.4」のスピンオフ。後半は全く別の話の寄せ集め?読んでいて少し混乱しました。どうせなら全部つながっているお話を載せてくれたらよかったのに…。

    「スピンオフ作品」というのはとてもワクワクします。期待を裏切らず、この本も楽しめました。もっともっと知りたいですね。妄想が広がってしまいます。麻子さんの続編も希望!!なんならNHKの連ドラに希望!!

    美奈子さんの話に出てきた「間違いなく間違える」という表現がツボにはまりました。私も今度言いたい。

    後半の短編集は、ちょっと読みにくかったり話がつかみにくかったりしました。書かれた時期がバラバラなのかと思いきや近い時期のものもあったりして。作品によってこんなに違うのか、と思いました。

  • 『新たな一歩を踏み出そうとする人達の物語』

    6編の短編集。母を亡くした僕の不思議な体験を綴った『なつかしいひと』がお気に入り。宮下奈都さん作品の、なにか一歩前に踏みだしたいと感じさせる読後感が、大好きです。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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