つぼみ

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著者 : 宮下奈都
  • 光文社 (2017年8月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911799

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つぼみの感想・レビュー・書評

  • 器用に生きている人が無性にうらやましくなることがある。いろんなことをうまくかわしてすいすいと進んでいく人が。そういう生き方が、一番コスパのいい人生なんだろうな、と思う。
    自分のことを好きになれなかったり、そばにいる誰かの、本当は親切で言ってくれてる言葉にいちいちイラついたり、ずっと昔の言動を思い出しては何度も咀嚼して後悔しなおしたりする。そんなとき、もやもやで詰まった心をすっと透明にしてくれる、それが私にとっての宮下小説なのです。
    なにもかも全てがうまくいかなくたっていいじゃない?不器用だったとして何が悪い?あの日選んだ道が、自分にとって心地よいモノであれば、それでいいんだよ、と笑顔でささやいてくれる。
    人生を半分以上過ぎて来た人にとっては、自分の人生をまるっと肯定してくれる心のビタミンとして、これから長い人生をいくつもの選択を超えて生きていく人には、お守りとして、きっと宝物になる、そんな一冊でした。

  • 弟の彦は、高校を中退し、勤めた会社もすぐに辞めて、アルバイトをいくつか変わった後、大検を受け、やっぱり働くと宣言して、いつもふらふらひらひらずるずるしている。彼は新しい将来を思いつくと、そのたびに姉に根拠のない自信を話す。不器用な弟と振り回される姉。そんな二人には、離婚した父と母はまったく違う人物に見えていた。(「晴れた日に生まれたこども」) 『スコーレ№4』のスピンオフ。主人公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子、花を活ける女性たちそれぞれが「自分は何者でもない、何者になれるのかもわからない」と悩み葛藤する物語3編。(「まだまだ、」「手を挙げて」「あのひとの娘」) ほか、「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」を含む宮下奈都11年の軌跡。人生の心地よさを追求してきた著者の、たおやかで凛として心揺さぶる6編の作品集。

  • 凛として、肯定感を与えたてくれるが、言い訳のない文章に癒されます。

  • ゆっくりゆっくり読んだ。
    なんだろうこの温かい気持ち。
    言葉にならない。

    もう一度じっくり読み返そう。

  • スコーレNo.4から10年なんですね。読み返したくなった、あんま覚えてなくて。はじめの三編がスコーレNo.4に出てきた子につながる連作短編的な。
    わたしが読んでて泣きそうになったのは、なつかしいひと。よかった。誰かを亡くしたことがある人は涙腺崩壊に注意。どれも好きなんだけど、はじめの手を挙げても好き。些細な受け取り方の違いをこううまく描かれると、お、ってなる。そしてその些細な受け取りの違いがまた戻るとき、キュンって。

    ちいさな言葉の端々が瑞々しくて、やっぱり宮下さんの描く話、好きだわーってあたたかくなった。

  • 大人になっても根っこは変わらない。

  • 宮下奈都さんの短編集。
    正直あまり期待していなかったのですが、読んでみたらその丁寧でやさしい文章にゆるゆると涙腺がゆるみっぱなしでした。

    「手を挙げて」では、特別でもなんでもない誰かが、誰かにとっての特別であることの尊さが身に沁みた。
    騙す、信じる、錯覚する。ふりをする。分かってはいるんだ。でも分かったうえで、それでも特別なんだと言えること。
    私にはそういう人がいるだろうか?

    「あのひとの娘」はもろに私が好きな話だった。
    私にだけ良さがわかる、地味だけどどこか大人びた男の子。別れたとしても、私以上にあのひとの魅了を理解できる人なんて現れるわけがない、という自負にとらわれ続ける女性の話。
    そんな歳になってまで過去に縋る姿はすこし惨めだけど、森太の存在があって救われた。終わりよれけば。

    そんなあのひとの娘が主人公として描かれる「まだまだ、」。
    学校だけの小さな世界で私は私だ、ほかの誰でもない、と背伸びし虚勢をはる姿はかつての私にも覚えがある。大人になった今では可愛いばかりだけれど、当時はもがいてもがいて一生懸命なんだよなぁ。
    でもそこで憧れともライバルとも認められるような男の子に出会えたのは幸運だと思う。
    そのまま紗英ちゃんは大人になっても朝倉くんと素敵な関係を続けてほしい。

    気に入ったのはこの3編でした。
    スコーレNo.4という小説のスピンオフにもなっているようなので、順番は逆になってしまったがぜひそちらも読んでみたいところ。

  • 中身もいいんですが、まずは装丁をじっくり味わっていただきたい(紙の本を読んでいる方は)

    美しい行き届いた装丁にうっとりしますよ。
    装画も素敵だし。

    紙の本の良さを感じられます。

  • 著者の最新作は短編集
    2006年から2012年にかけて文芸誌などに発表された6編を収録

    『スコーレNo.4』(光文社)のスピンオフ3編は活け花がモチーフ

    『本屋さんのアンソロジー』(大崎梢リクエスト/光文社)に収録された「なつかしいひと」も味わい深い

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