明日の記憶

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著者 : 荻原浩
  • 光文社 (2004年10月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924461

明日の記憶の感想・レビュー・書評

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  • 若年性アルツハイマーがテーマ。
    もうすぐ50で、会社では部長で、まだまだこれからというのに、
    病は突然やってくる・・・
    知らなかったのですが、この病気は死に至る病気なんですね。
    ただ記憶が失われていくだけではなく、
    体の細胞も生きていく事を失っていく・・・

    哀しいのは、忘れないように努力しても、
    (そんな事をしたんだろうか?)と後で人から聞いて、
    まったくその事が記憶に無い事。

    同じ事を繰り返して話してるんじゃないかと、
    人の顔色を常に伺っていなくてはいけない。
    精神的にも追い込まれていってしまう。
    本人も辛いけど、いつか忘れられてしまう家族も辛い。

    主人公は物事を忘れないように「備忘録」というノートをつけている。
    だんだんとそれもひらがなが多くなっていくのだが。
    この辺は、先日読んだ「アルジャーノンに花束を」と重なる。

  • 50歳になる広告代理店勤務の男性が、若年性アルツハイマーと診断される。
    徐々に失われていく記憶、職場での不安、自分が自分でなくなっていく恐怖。
    その時自分は…

    映画を見ていたことを忘れて、手に取りました。
    読み始めて、すぐに思い出し、映画のキャストをそのまま当てて、読み進めました。
    職場でのシーンがつらかった。
    周りの人達に知られないように頑張り続けていたものの、不審な言動に、周りは気付いていたという事実、胸が詰まります。
    告知が必要な病気なのだとは思います。その上で、対処しないとならないことが多いでしょうし。
    でも、最終的にすべて失うのなら、知らずにいた方が幸せだということもあるのかも、なんて考えてしまいました。

    最後のシーン、妻の立場としては、本当に辛い。
    一日も早く、治療薬が開発されることを望みます。

  • 何年も前の本屋大賞で取り上げられていて以来、気になっていました。改めて確認したら、2005年本屋大賞2位だったのですね。
    感動する話と記憶していたのですが、思っていたものとはちょっと違ったようです。とてもリアルで読み応えのある1冊でした。

    タイトルから推測できるかもしれませんが、本書は記憶障害を抱えた主人公の物語です。
    働き盛りの男性が、若年性アルツハイマーと診断される。
    記憶が零れ落ちていく恐怖と、他人にバレて今の場所にいられなくなるかもしれないという焦り。
    誰でもなりうる病気なので、非常に身近で、読んでいて怖いですよね…。当事者になるのも怖いし、その家族になるのも怖い。怖いものだらけです。

    記憶だけでなく、見当識障害と呼ばれる時間や場所の認識ができなくなる部分や感情のコントロールができにくくなる部分なども忠実に書かれていて、忘れるのならメモしておけばいいというものではないことがわかります。
    記憶がないということは、体験を自分のものにできないっていうことなんですよね。自分の書いた日記が、他人の日記を読んでいるように感じる…のだとしたら、切ない。別段何か解決策などが提示されるわけでもなんでもないんですが、野性的な野焼きのシーンが好きです。
    炎のエネルギーに生きる力をもらえるような気さえしました。

    表紙は映画の1シーンみたいですが、映画も見てみたい。

  • 良かった。若年性では無いが同居の祖母もアルツハイマーなので他人事ではない。陶芸家の先生とのやり取りでは胸が痛んだ。最後は本当に切なく胸が苦しかった。何度か目頭が熱くなりました。

  • 映画を見てから読みました。
    だんだん記憶がなくなるなんて、家族や自分におきたら・・
    と、考えさせられました。

  • 芦田愛菜ちゃんの出ていたドラマ「ビューティフルレイン」を思い出しました。

    自分の大切な人がわからなくなるのはしんどいなぁ

  • ホラーでもサスペンスでもないのに、これほど怖い小説は他に読んだことない、というくらい、怖かった。
    記憶喪失がテーマの小説は数あれど、記憶喪失の患者を一人称でこれほどリアルに描いた作品は珍しいのでは。
    読み終わった後の虚無感というか、言い表せない恐怖が半端ではない。
    オススメ。
    映画化されたが、こちらもすばらしかった。

  • 50歳を前に若年性アルツハイマーにかかり日ごとに記憶力を失っていく主人公。仕事の責任者として家庭の柱としてまだ倒れるわけにはいかない。記憶をつなぎとめようと何度もメモと復唱をするが病状の進行は早く次々と失態が重なる。回復の期待が持てないことを分かりつつも懸命に明日を生きようとする姿に教わることが多い。

  • 読み進めるうちに、あまりのつらさに顔をしかめながら、それでもページをめくる手が止まりませんでした。
    最初、何気ない日常の中で「あれ?」って思うことから始まって、病院で診察を受けた後、徐々に主人公の日常が変わっていきます。
    仕事の内容を忘れる、目の前にいる人の名前を忘れる。それはもう恐怖以外何物でもないんだろうなぁって、思わせる物語の運び方はさすが。
    主人公が会社を辞めた後、坂道を転がるように病状が進む様は、ほんとに読んでてつらかったです。
    主人公もつらかったと思いますが、寄り添っていた奥さんはほんとにつらかったんじゃないかなぁ。
    自分がそうなったらどうしよう。自分の大切な人がそうなったらどうしよう。でも、それはあり得ないことじゃないんだって思うと、ほんとに怖いです。

    ただ。
    最後に大きな救いがありました。ええ、状況としては何一つ好転してないんですが、それでも。
    最後、奥さんに会ったときに主人公が言った言葉が、何か、すべての痛々しい出来事を払拭してくれた気がしました。
    まぁ、事実この後の二人はもっともっと大変になるんでしょうけれども。

    いやぁ。さすが映画化されただけありますね。いろいろ考えさせられました。

  • 若年性アルツハイマーに侵された主人公の心の葛藤と身体の葛藤。

    この人が置かれた状況を誰もが他人事とは思えないんじゃないかと思う。主人公がだんだんと病気に侵されていく過程が、すごく怖い。それは詳しく過程が説明されている訳ではなく、一見正常に見える主人公の日記や言動や行動などが辻褄があわなくなっていたりして、ひやりとする。

    仕事の仲間や血縁、更には家族まで忘れてしまい、自分という人格がなくなってしまうという事を正気で受け入れられるだろうか?と考え込まされた。いくら頑張ってもどうにもならない事って本当にやりきれないし、本当に辛い。

    これは誰にでもおこりうる物語だからハッピーエンドはない。最後は涙が止まらなかった。いろんな気持ちを考えてしまって。でもいろいろ考えるきっかけになると思うから是非たくさんの人に手にとってもらいたい本。

    今の時間は永遠ではないってこと。

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明日の記憶の作品紹介

「まずお歳を聞かせて下さい」「ここはどこですか」「次の三つの言葉を覚えて下さい。いいですか、あさがお、飛行機、いぬ」「今日は何曜日ですか」「さっきの三つの言葉を思い出して、言ってみてください」人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。最初は物忘れ程度に思っていたが、若年性アルツハイマーの初期症状と告げられた。身につまされる傑作長編小説。

明日の記憶の文庫

明日の記憶のKindle版

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