ひなた

著者 :
  • 光文社
3.24
  • (21)
  • (69)
  • (195)
  • (24)
  • (6)
本棚登録 : 535
感想 : 115
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924836

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  どこかにありそうでないような、はいっていきやすいストーリー。
    すごくよかった、だけに「この表紙はどうなの?」と思ってしまった・・・
    他の吉田作品を読んでいなかったら、この表紙でこの本は読もうと思えなかったかもしれない。
    「7月24日通り」と同じぐらい好きだ。

  • 何が幸せかは人それぞれと言うが、多くの人が無意識に抱いている「幸せの形」というものがやっぱりあるのだと思う。

    それに当て嵌まっていないと心配されたり、当て嵌まっていれば大丈夫だと思われたりしがちだけれど、形ではない「幸せかどうか」は意外と見落とされているのかもしれない。

    だから桂子さんに、お義母さんが「ちゃんと幸せ?」と聞いた時、ハッとした。

    幸せなはずなのに心が落ち着かないのは、形ではなく、本当の安心感に繋がるものを求めているからなんだろうな。

  • 家族の形はひとつひとつ違っていて同じものはない。
    不思議な家族のお話。
    春夏秋冬、こうして季節が巡り年を重ねる。
    登場人物の表と裏、、そうか、ひなたがあれば日陰があるってこと。

  • 春、夏、秋、冬で区切られ、ある家族とその周辺の人の目線から語られる物語。
    大きなできごとはないけど、ところどころ出てくる言葉がなぜか深い気がしたりする。
    家族の関わり、秘密、幸せって何?

  • 茗荷谷に住む兄とその妻、弟とその彼女。4人の日常。

    --------------------------------------

    拓殖大学の近くなんてずいぶんいいところに住んでいて、
    しかも美男美女で、素敵なお仕事もしていて、これぞ理想の生活!
    と思いきや、日なたがあれば日陰もある。

    お兄ちゃんは隠れゲイで、奥さんと好きな男の3人暮らしに甘んじてる。
    その妻は仕事はやめたのに、不倫をやめられない。
    弟は自分が腹違いの子どもであることを”知っている”ことを隠している。
    弟の彼女は元ヤンキーで、千葉の実家は少し荒れている(?)。

    陽の当たる場所があれば、影になる部分もある。みんな自信なんてない。
    女性が好きそうな展開の素敵な小説だった。共感する部分がとても多かった。

    --------------------------------------

    先日、9人組アイドルグループ「私立恵比寿中学」から3人が転校(脱退)することが発表された。
    残る6人のメンバーのなかで最初に覚悟を発表したのが柏木ひなた氏だった。

    悔いが残らないようにやることが自分たちには出来る、と言い切るブログを読んで、賢くて素晴らしい子なのだろうなと感心させられた。

    アイドルってのは光の当たる職業だけど、
    本人たちが露骨に人気がわかってしまったり、女優やモデルをやりたい子がアイドルをやっている現状を知ると、日陰の部分も大きいように感じる。

    日なたがあれば日陰もある。だからこそ、自身を持って進んで欲しいからこそ、ファンは応援を続けるんだろうな。面白い。

  • ほんわかほわほわ進んでいくのに
    なぜだかちょっと
    つーんとする。
    そんなものがたり。

  • 吉田修一著『ひなた』(光文社)
    2006.1発行

    2017.3.27読了
     仕事中に中抜けしてほっと一息つくと、また頑張れそうな気がしてくるように、人には息抜きの場所が必要なんだと思った。そういう場所は人によりけりで、他人には居心地が悪くても自分にとっては居心地が良かったりする。そういう意味で考えると、家族という強制加入の集団では、ほっと一息つきたいがために、自分の気持ちを飲み込んで我慢するということもあるんだと思う。時には危ういバランスを維持するために外で発散したくなるときもある。中にはレイの家族みたいに自由な家族もあるかもしれないが、完全な楽さは人を腐乱させる力を持つ。
     私も自信はないけれど、ここにいたいから、上品ぶらずに等身大でいこうと思った。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000008065502

  • 2006年刊行。女性誌「JJ」連載。
    有名ブランドHの広報に就職したレイ、レイの恋人で大学生の尚純、尚純の兄とその妻。4人それぞれの視点から語られる四季折々の日常。
    変わらないようで変わっていく心のうち。
    なんと形容したらいいか、独特の雰囲気あり。
    (図書館)

  • もっと読みたい!

  • 機内のひまつぶしに.

全115件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

吉田修一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
瀬尾 まいこ
瀬尾 まいこ
奥田 英朗
絲山 秋子
吉田 修一
角田 光代
綿矢 りさ
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
三崎 亜記
川上 弘美
吉田 修一
奥田 英朗
瀬尾 まいこ
西 加奈子
吉田 修一
綿矢 りさ
伊坂 幸太郎
村上 春樹
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×