シンデレラ・ティース

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925154

感想・レビュー・書評

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  • お仕事系日常の謎解き連作集、今回は歯医者さん。

    歯医者嫌いの大学生・咲子が、成り行きでおじさんの務める都内の歯医者の受付を夏休みだけ臨時で務めることになり、歯科医院の人々や患者さんと触れ合う中で成長していくひと夏の物語。
    ちょっと訳ありの患者さんのお悩みを、歯科関係者ならではの視点や知識で解決していくなかで、主人公も人との接し方、仕事との向き合い方、いろんな大切なことを学んでいきます。

    咲ちゃんがとても気持ちが良くてかわいらしいし、クリニックのみんなもサバサバしてて素敵だし、お客様も個性的でおもしろい。
    今回は、ラブ要素もあってにまにま楽しめました。

    わたしももっと丁寧に人と接していかねばな。
    二度と会わないと思ってないがしろにしたら自分が引きずるっていうの、まさにその通りだと思う。

    歯医者さんも、少しは好きになれそうかな。

  • 悪者が一切でてこなくて、読んでてほっこり心暖まる小説。
    みんな少し(どころじゃないけどw)サキちゃんに甘すぎるけど(笑)サキちゃんかわいいからしょうがないかな〜。うらやましいな〜。

    坂木司作品もっとよみたくなってきた(笑)

  • これは「ホテル・ジューシー」と姉妹作かな
    マイペースでおっとりのサキ
    夏休みのバイトする事になった先は、よりによって大嫌いな歯医者!!

    そこで出会う仲間や患者たちとの触れ合い、ほんのりの恋愛☆

    うん、いつものパターンだけど
    読んでてホっとする。
    良い人ばっか出てくるしw

  • 幼い頃の痛い思い出が原因で歯科恐怖症の大学生・サキが母親の策略で叔父が働くデンタルクリニックで受付のバイトを始め、優しい職場の人たちや、歯にまつわる様々な悩みや事情を抱えた患者さんたちと誠実に接することで、色んなことを学び、恐怖症とも向き合い、成長していく話。

    私もサキと同じで、幼い頃に歯の治療で怖い思いをして、避けてた時期があったからすごく共感した。
    今はいい先生に出会って全然怖くなくなったけど、このサキのクリニックもすごく患者さんの歯とメンタルを大切にしていて、金儲けに走るクリニックが溢れる今だから、こんなクリニックがあったら行きたいと思った。

    病院・クリニックであまりプライベートなこと・生活習慣を聞かれることを想像すると少し違和感があるけど、サキみたいな受付スタッフで、治療・予防のためと真剣に考えていてくれてるなら、それは嬉しいし、信頼感・安心感も増すなと思った。
    ホント、そんなクリニックあったらいいな。

    メインではなかったけど辻堂さんのお話が好き。
    知らないと怖いか、怖いから知りたくないか。さらっと心を突く問い。
    内容にもよるけど、私は前者かな。良いことも悪いこともちゃんと説明してくれる先生・人間を信頼する、というタイプだと自己認識した。

  • 大好きな坂木さんの本。ひょんなことから歯科医院の受付をやる羽目になった歯科恐怖症の女の子が主人公の話。とても暖かく幸せな気持ちになれる本でした。坂木さんの著作の中でもかなり好き。

  • 先に読んでた「ホテル・ジューシー」の姉妹本。3部作って思ってたらホテルよりシンデレラのが先に書かれてた(笑)歯医者が好き、て人 いないですもんねぇ。なるほど、治療の技術だけじゃなくて心のケアって大事だな…。治療を長引かせたわけ、応対がぶっきらぼうだったわけ、治療無断キャンセルする理由、必ず秘書連れな客、長期間通院してた女の子がこだわるわけ、いつも遅刻するわけ…みんな「歯」だけじゃない。そこに気づいて勉強して「脱・ただのアルバイト」の努力したサキちゃん立派。2年なんてあっという間だよ!

  • 私が手にした坂木司作品2冊目。

    歯医者嫌いの大学生サキの、夏休みのデンタルクリニックでのアルバイトのお話。

    前回読んだ『切れない糸』同様、やってくる患者さんの周りに潜む、ちょっとした謎解きもあり。
    これって、著者の作風なのでしょうか?

    クリニックのスタッフや患者さんが、とっても個性的で、基本みんないい人。
    主人公のサキが、明るく楽しく仕事している姿も、とっても好感が持てます。

    さらっと軽く読めるエンターテイメント小説。
    友達ヒロちゃんの『ホテルジューシー』も読んでみようと思います。

  • 所謂『日常の謎解き』カテゴリのお話。
    『和菓子のアン』よりもラブ要素が強いかな。
    謎解き部分に関しては解けてスッキリというか膝を打つ爽快感があるんだけど
    それ以外の部分は読み始めから予感させるものがあり
    実際その通りに話が進んで行くのである意味安心して読めた。

    この話の肝はサキちゃんの素直さ、柔軟さ(良くも悪くも)と
    可愛らしさに尽きるのではないかと思う。
    幼少時から嫌いだったものを克服するのは並大抵のことではないと個人的には思うのだが
    サキちゃんはそれを軽々と鮮やかにやってのけた。
    謎解きとともに、その過程を読み進むのが楽しかった。

  • 順番が後先になりましたが、
    さきほど読了!

    大学生のサキちゃんが 初めての
    夏休みだけのアルバイト。

    よりにもよって、恐怖で寄り付いてなかった
    歯医者の受け付け。

    けど、こんな歯医者なら
    私も行きたい!


    なんでも受け身で 与えられたものを
    疑問にも思わず生きてきたサキちゃんが
    成長していきます。

    坂木さんの作品 こんなのが
    多いかな?

    けど、いろんな世界が知れて
    嫌いじゃないです!

  • 甘めながらさわやか。そういうえばこれも悪い人が出てこない。

  • [図書館]うん♪姉妹作「ホテルジューシー」よりかはこちらの方が私は好きだ♪主人公サキちゃんこと叶咲子がおっとりしたお嬢さん・どこにでもいそうな平凡な女子大生て感じで好感が持てる。恋愛要素も含まれてるのでいいですね(笑)四谷さんとの純愛♪2人の今後も気になる所ですが…。四谷さんが「青空の卵」の鳥井とキャラがどうも被るなぁ…。今作は歯科医に来る患者さんが持ってる、ちょっとした謎解きのお話。皆いい人達ばっかりで(笑)坂木さんばかり続けて読むと、だんだんと人物設定が似てくるので少々食傷気味に。。

  • 東京創元社発行のものと同じ石川絢士さんの装丁。
    出版社は違うけれど、装丁は同じ方。
    というより、今のところ坂木さんの単行本は全て同じ装丁家の方が手がけられているのかな、素敵。

    完全に作家さんの名前で読み始めた作品であったため、ろくにあらすじもチェックしておらず。
    歯医者さん…歯科クリニックが舞台。
    歯医者さんは好きだけど治療は嫌いだったので、咲子が歯医者さんに対して抱く恐怖心も理解できました。
    歯医者独特の匂いや音で心臓のドキドキが条件反射的に激しくなっちゃう気持ち、今でもある。

    “お客様”(品川デンタルクリニック特有、患者さんをそう呼ぶ)が取る謎の行動の真相を解明していくミステリ。
    探偵役は歯科技工士の四谷。
    ちょっと風変わり、でも仕事の腕は良く、“嘘はつかない”男性。
    咲子と四谷の恋も物語を読む上で気になるところ。

    咲子の友達、ヒロちゃんが作品の途中でお客様との出会いが“一期一会”であると述べる。
    すっごく身にしみた。
    サービスを提供する側が100人の異なる“お客様”を相手にしたとしても、出会い自体はそれぞれの1回だけ。

    「二度と会わないかもしれない人に冷たく当たると、後でずうっと嫌な気分になるでしょ」
    ざっくり言うと、ほんっとにそう。
    取り返しもきかない。
    お客様の印象も信用も取り返せない。
    変なとこで、またもや共感。
    坂木さんの本はそういう“働き手”としての感情にも響くことがちらほらある。

    今回は読んでいて、“少女小説”を読んでいるような甘酸っぱさを感じる時があり、ふと思ったのは、私が今までに読んだ坂木さんの本で初の主人公=女性なんだなぁと。
    けっこう読み進んでからはたと気付いていた。

    “歯医者”というちょっと珍しい舞台設定、血が流れない(治療上は流れるが)ミステリ。
    引きこもり探偵以上にほのぼのしていて、シリアス度も比較的低めなので、読みやすい作品。
    けっこうトントン進んでいくので、個人的にはもうちょっと高低ありの山あり谷ありでも良かったかなと。

  • 舞台は歯医者。大学生咲子の夏休みの成長物語。
    歯医者は敷居が高いよねぇ。すごくよくわかる。
    でも、こんなクリニックだったら通いたくなるかも。

    和菓子のアンもかわいいなーと思いながら読んだけど
    この咲子もすごくかわいい。
    職場にこんなアルバイト来たらめちゃくちゃかわいがると思う。
    坂木司の書く女の子はいいね。

    わたしも歯医者行かなくちゃね。。。

  • 歯医者さんのイメージが、塗り替えられていくような作品でした。
    歯科検診、必ず受けよう。
    坂木作品の題材となる職業には、いつも、改めて敬意を表したくなります。

  • 「ホテルジューシー」を先に読んだから、ヒロさんをあんまり綺麗なイメージで読んでなかったことに後悔した。ヒロさんは長身で美人らしい。

    この話の主人公サキは自分で自分のことを童顔でメイクをしたら今時の美人になれるみたいなことを言ってるので、「このぶりっ子め!」って思ってしまったけど、アルバイトを終える時には強い女性になってイメージが変わった。

    坂木さんの話はどんな仕事もプロッフェショナルに取り組む女性が多くて気持ちがいい!!自分も頑張ろうって思う。

  • サクサク読めた。
    個人的には 好きな話。


    歯医者が大嫌いなサキコ。19歳。
    ひょんなことから 夏休みにデンタルクリニックの受付アルバイトをすることになり。

    歯ぎしり 口臭 入れ歯 虫歯など
    歯医者ならではの ネタだな。
    小さい頃のトラウマで 歯医者を嫌う人が多いってことと
    よく噛んで食べることをすすめた フレッチャーさんの話が
    知らなかったから なるほどなと。

    アルバイトを通して
    就職や 恋愛や 歯医者恐怖症を見つめ直していく
    成長もあったかな。

  • 再読。
    『ホテル・ジューシー』との姉妹作です。
    幼少期のトラウマが元で歯医者が大嫌いなのに、あろうことか歯科医院の受付でアルバイトをすることになってしまった主人公を描いた5編の連作短編。
    通ってくる患者さん達の不可解な言動の裏に隠された謎を解決する日常系謎解きです。
    私も学生時代に歯科医院でバイトしていたので、丁寧に取材されたんだろうなというのが伝わってきます。
    様々な患者さんとの関わり、仕事への意識も少しずつ変えながら成長していく姿がとても良いです。
    嫌味にならない程度の恋愛要素も絡み、読後は清々しい気持ちになれます。

  • ホテルジューシーの咲子さんver.
    こちらは恋愛的展開がちゃんと着地した。
    割りと最初からフラグ立ってたから、そのまま回収されてほっとした。
    ヒロさんのようにふんわりと終わり、じゃなくて良かった。

    第2のカルテはやり過ぎだと思うけど、物語の中でだからそういう設定なんだな、と思って受け入れる。
    リアルで考えたら歯科医の思惑まで分からないから、警戒心MAXになると思う。

    読む前はタイトルの意味が分からなかったが、第一話を読み終えて分かった。
    ティースって、歯のことか。謎に、チース、みたいな挨拶かと思ってた。

  • 軽めの謎解き要素もあって楽しく読みました。歯医者さん、確かに好きな人は少ないわね。

  • 2006年出版。坂木司は『和菓子のアン』シリーズしか知らなかったから、見識を広めるつもりで読んでみた。『みかんとひよどり』の解説も良かったし。

    ストーリーは、歯医者さんを舞台にした日常ミステリ。ちょっと恋もあるのでサクサク読んでしまう。キャラも立ってるし、歯医者さんに関する雑学も豊富だし、面白かった。

    よく歯科衛生士になりたい女の子がいるけど、たしかに夜勤がないってのは看護師よりもホワイトな職場なんだろうなって、妙に納得した。

    映像化してほしいし、シリーズ化してほしい!って思ってたら本編に脇役で出てくる子が主役の『ホテルジューシー』ってのがあるんすね!読まねば!

  • 歯医者がテーマの話は珍しかったので手に取った。
    小さい頃のトラウマで歯医者が大嫌いな咲子が、ひと夏の間歯医者の受付として働き、成長する話。

    私自身歯医者に行くことが多く、読んでてイメージしやすかったし、各話でミステリー要素もあって面白かった。

    登場人物もそれぞれ個性的で素敵で、読んでて心が温かくなる本だった。


  • 『ホテル・ジューシー』の咲子バージョン。誰だって歯科医院なんて嫌いだよ。母の陰謀にはまったとは言え、咲子は苦手なデンタルクリニックの受付として成長していく。嫌いなものから目を背けないで勉強していく、その咲子の姿勢が良かった。続編の『楽園ジューシー』がますます楽しみ。

  • 先に姉妹作のホテルジューシーを読んで、気になったのでこちらも読みました。

    沖縄の異国感あふれる物語とは異なり、現実的にイメージしやすい話でした。
    歯の問題を題材にして謎解きのような展開を繰り広げていて斬新でした。


    また、余計な視点ですが…
    物語だから各話で綺麗にオチがついているけれど、歯医者に限らず実際はとんでもなくモンスターな人間が来るんだろうし接客業って本当に大変だよな〜とつくづく思ってしまいました。。

  • 素敵な歯医者に出会いたい

  • お仕事小説 歯科医院版
    謎解き付きのどっかで読んだような内容だけど
    なんか好きな世界 リラックスして読めた
    自分にはない世界でちょっと悔しい気持ちもある
    歯医者さん好きだし、また行こうっと

  • 今まで読んできた坂木司の本とは種類が少し違っていて沢山の幸せに囲まれているというイメージで少し物足りなく感じました。

  • 夏休みに歯医者の受付でアルバイトする事になった見た目もよろしく、親にもかわいがられている、わりとリア充女子な話です。マイナス点はその位で、恋愛要素もかなりあり、好きな話でした。小説で鬱々したくないので、暗すぎる話よりはいいけど、少し物足りないかな。男の人は推理に長けていて、人付き合いは少し苦手という、坂木司に良くいるタイプ君でした。

  • 「咲子さんはさ、講習、どうするの?」
    サキは大学二年生。歯医者な大嫌いなのに、なぜかデンタルクリニックで受付アルバイトをすることになって……。ーーーーー



    再読。歯医者に行くたびに、思い出す本。
    本庄さんと長沼さんのエピソードが一番印象に残ります。こんなに親身に、そしてサービス業と割り切って仕事をしてくれるクリニックに出会いたい。ついでに読了時現在自分も歯医者に通っているのでとてもタイムリーに読めて楽しかった。改めて読んでみて、怖い相手嫌な相手ほど、キチンと丁寧に、笑顔笑顔、というセリフが身につまされる。サキの周りには味方がたくさんいて、きっと恵まれている環境でもあるんだろうけど、それを勝ち取って、というのは語弊がある…? 味方についてくれる人がいるのは、サキが前向きになろうとする姿勢を見せているからなんだろうなぁ。1話1話、完結していくので読みやすい。

  • 歯科恐怖症で歯科に通ってますが、こんな歯科に通いたい!と思う理想的な歯科でした。
    和菓子のアンがおもしろかったのですが、こちらも同じようにほんわかして幸せな気分になれる本です。

  • いい。
    こんな歯医者さんにかかってみたい。
    咲子と四谷さんのその後、とかまた出ないかな。
    サキの親友・ヒロちゃんのストーリーとは知らずに『ホテルジューシー』を読んでいた。
    近い内に再読したい。

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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