しずく

著者 :
  • 光文社
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感想 : 256
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925444

作品紹介・あらすじ

そうか、あなたがいたんだ。迷っても、つまずいても、泣きそうでも。人生って、そう悪くない。「女どうし」を描く六つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • もう朝が近い、夜中に完読。
    静かな時間に、心にくる最後の2話。
    「しずく」と「シャワーキャップ」この2話は
    深夜の静かな私の心の中で、余韻を残しまくる★5。

    「しずく」は、猫の自由さ、やさしさ、たくましさ。
    私たちは、人間の世界の出来事に一喜一憂して…一生懸命すぎるな〜って思う。うちの猫、見習おう。

    「シャワーキャップ」は、母親のつよさ。
    やっぱり母はすごいよ。仕事頑張っているよ!な父と違って、母の頑張りって当たり前すぎて、気がつけないんだよね。
    改めて母に感謝だよ。

    感動。心洗われた〜。

  • 小説を書く人にとって、
    物語の主人公とはどんな存在なんだろう。

    自らの分身の様なものだろうか?
    それともあくまで<架空の人物>としての一線を引いて、思い通りに動かす、
    言わば監督が操る役者の様なものなのだろうか。

    「しずく」は6編の短編集。
    眠る前に一話ずつ、大事に読んできたのだが、
    昨夜、最後の話を読み終えてふっ、と。
    (…それで、今はどうしているんだろう?)
    と、気になって気になって
    目を瞑りながらずっと考えてしまった。
    そして考えながら、
    じわりと涙…

    6つの物語に登場した人物達は
    何にも綺麗なものに包まれていない人達で、
    あまりにも人間くさく、
    心に秘めたものを吐露し続けていた。
    でも、<物語>なのだから
    <おわり>までには、意外な展開が待ち受けているのだろう。
    今の所、主人公と同じ道を歩んでいる読者の為に。

    でも、彼らの行く道を操っているのは
    西さんでは無い。
    西さんは只、彼らの弱音を聞きながら見守り、浄化しているだけ。
    作者の手を上手く逃れた6人の主人公らは、
    その世界を強く逞しくガンガンに生き延びていた。

    そんな彼らの為に、<物語>という枠を
    カチッ、と外してあげる。
    西さんと言う作家は親みたいな人だな、と思った。

  • 「ランドセル」「灰皿」「木蓮」「影」「しずく」「シャワーキャップ」
    全部良かった~♪

    その中でも、「シャワーキャップ」と「しずく」がとても好きです。

    まず「シャワーキャップ」
    のんちゃんのお母さんと、自分の母は似てないけれど、
    それでも私がお腹にいたときは私に話しかけ、
    私の誕生を心待ちにしてくれて、
    そして、私を育てながら幾度も泣いたことがあるんだろうな…と、胸が熱くなりました。

    こうして物語の感想としてなら、
    いくらでも反省して素直になれるのに。
    いざ面と向かうと…ね。

    そして「しずく」
    おそらく泣くから、猫ちゃん物はいつも一番最後に読みます。

    可愛くて、可笑しくて、楽しくて、せつなくて。
    あぁ、何て言ったらいいんでしょうか。
    今回は大丈夫かもと、クスクス笑いながら読んでいたはずが…
    気付けば、涙がつつーっと。

    うちの子達も、こんな風だったなぁって…。

    ダダダダダーー!ドドドドドー!
    追いかけっこは日常茶飯事。
    すれ違いざまに「あっ、なんか会話してる!」とか…。
    舐めあっているうちにもめ出して、いつのまにか寝ちゃったりとかね…ふふっ

    フクさんとサチさんから見た世界が、これまた愉快でね~。
    『まったく人間というのは、寝ているときが一番いいわね、
    うるさくないし、油断しているし。』(笑)

    写真に向かって問いかけた…。

    「ねえ、君達もこんな風に思ったりした?」

    「まあね、時々ね。だってママ、過保護だったし~♪」
    「すぐモフモフするし~♪」
    「でも僕らはここまでおバカちゃんじゃなかったニャ♪」
    って言ってる気がした。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      「ランドセル」で止まっています(〃∀〃)ゞ
      短編はよく止まります。
      杜のうさこさんが高評価なので続きを読...
      こんばんは(^-^)/

      「ランドセル」で止まっています(〃∀〃)ゞ
      短編はよく止まります。
      杜のうさこさんが高評価なので続きを読むのが楽しみです(^-^)/

      ランドセルは懐かしい感じのする話でした。
      また、全部読み終わったときに感想を読みにきてください( •̀∀•́ )b
      2015/09/08
    • 杜のうさこさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      短編よく止まる。ってわかります(#^^#)
      私なんかつまみ食い(?)のように読んじゃったりして~。
      ...
      けいたんさん、こんばんは~♪

      短編よく止まる。ってわかります(#^^#)
      私なんかつまみ食い(?)のように読んじゃったりして~。

      でもこれは一気に読んでしまいました。
      ビックリな表現もあって、ちょっと引いてしまったりもしたのですが。
      まあ、そこは西加奈子さんらしいというか。

      あと、「木蓮」も二人のバトルが痛快で面白かったです!
      レビュー楽しみにしていますね!

      あー日付が変わりそう。
      つい夜更かしグセが・・・
      季節の変わり目、ご自愛くださいね。

      2015/09/08
  • 北欧カフェで読了。
    それがとても似つかわしい、不安や孤独、そして優しい気持ちを思い出させてくれた短編集。
    西さん、ありがとう。

  • 西野カナは嫌いじゃけど…。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で西加奈子の『しずく』

    ランドセル
    灰皿
    木蓮

    しずく
    シャワーキャップ

    の6つの短編集それぞれ内容が明るかったり、暗かったり、私がうんこを食べるまでだったり(笑)⁡

    じゃが、それぞれに西加奈子節を感じられるサクッと読める本。

    単純に面白いし、ジワッとくるとこもある♪

    2015年34冊目

  • 短編集だけど、いろんな関係性の女性ふたりがそれぞれ出てくるのが共通している。

    子持ちの彼氏の生意気な娘と、彼氏を逃すまいと無理している30代女性のやりとりが面白かった!よい友達になれそうだった。

    ふとした時にまた読み返したくなる1冊だなあ。

  • 6編の、相互に関連性の無い短編集。著者らしい設定と心情描写、音や擬態語・擬音語が独特でリズム感が楽しい点は随所に見られる。普通に有りそうで、でも、無いよねー!と言う絶妙で楽しく不思議な設定も著者らしい。特に悪くは無いのだが、取り立ててお勧めしたいと思うほど面白いとも思えなかったかな…

  • 初めて読んだかな、この筆者さん。

    読みやすくて、わかる!わかる!

    最後の「シャワーキャップ」が良かった。
    やっぱり、娘、一人欲しかったなぁ……(笑)

  • 灰皿、木蓮の話が好きだった。
    初めて西加奈子さんの短編を読んだ。長編ものを読みたくなった。


  • 言葉で表すとしたらどんなかなという、自分の微妙な心情を、そう、そう言いたかった!と思わせる表現で見事に言い当てられる作家さん。
    表現って果てしない。文字を操り、その作家さん独自の表現で空気感を作り出し、言い当てられたコチラはビックリしてしまう。
    おとぎばしのような猫ちゃんの話も好きだったし、シャワーキャップの話も好きだった。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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