マジカル・ドロップス

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925550

感想・レビュー・書評

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  • 42才の主婦が、2時間17分だけ15才に戻れる、
    魔法のドロップを手に入れて――。
    というお話。
    平凡な主婦だった主人公が、15才だった時の夢を思い出して、
    自分の息子がいる(!)バンドのボーカルとして飛び込んでいく。

    全体的に可愛らしくて微笑ましい、
    「ビート・キッズ」を彷彿とさせる作品。

    ありがちな設定ではあるけど、
    巧みな構成と丁寧な心情描写がいい。

    潮さんの作品は、客観的に、というか
    俯瞰的に見ると思わず削ってしまいそうな
    「取るに足らない小さなこと」を、
    あくまでも一人称の主観で、細かく丁寧に描写しているから、
    自分とはまったく違う立場の主人公に、深く感情移入できる。

    一言で言ってしまうと風野潮さんはたぶん、「日常」を書く作家。
    最近の、突飛なエピソードで売る小説とは対極で、
    地味ではあるけれど心の深いところに届く。

    42才と15才の心情をうまくかき分けるのは、
    さすが潮さんならでは(笑)。

    ひとつだけ気になったのは、
    明らかに「敵」として出てくる先生の存在。
    子どもにとって、時に先生は「敵」になってしまうけれど、
    大人である親の視点からは、先生の立場や考えに、
    理解できるところを探せなかったのかなぁ。
    先生が本当に意地悪のためだけに生きているとは思えないし、
    潮さんの作品の中で際立って悪人、という印象のある彼女が、
    妙に気になってしまった。

  • 久々のレビュー更新。
    風野さんの作品やっと読めましたー!
    やっぱり素敵な作品でした。
    ドキドキしながらもスラスラ読めました。

    タイトルも表紙も内容もかわいらしい作品!
    今までにありそうでなかったお話なので楽しかったです。
    最後の最後まで驚きっぱなしでした。
    すごく素敵な結末で大満足でした!
    作品を通して勇気や夢を貰えた気がします。
    風野作品好きです!

    あたしもこのドロップ欲しい!!
    15歳に戻りたい…笑
    谷崎くんがピュアでかわいかった!
    要がナオの正体を知ってからの反応がもう少し気になるかな。

    お母さん世代にお薦めの1冊です。
    早く次の作品も読みたいです!

  • 亡くなった同級生がタイムカプセルに入れていたドロップ缶
    40粒入、1粒で2時間17分だけ15歳に戻れる!

    息子のバンドメンバーになり、叶えられなかった夢を叶えていく
    娘との関係もだんだん良くなっていく

    主人公だけでなく友人も15歳に戻れるのが良かった

  • 978-4-334-92555-0 252p 2007・6・25 初版1刷

  • 亡き親友が中学卒業記念のタイムカプセルに入れたドロップ。
    彼女の想いが込められたドロップで奇跡が起こる。
    大好きなタイムトリップ物の変型版。
    ちと最後が急ぎ足になっちゃったのだけが残念。

    【図書館・初読・4/22読了】

  • いいなぁ。大好きだ。悪い奴が出て来ないのに、ハラハラドキドキ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    タイム・カプセルにあったのは、中学時代の親友が遺した40粒の「ドロップ」。それは、見失った想い出をよみがえらせる不思議なドロップ。講談社児童文学新人賞・野間児童文芸新人賞・椋鳩十児童文学賞を受賞した著者が描く、まったく新しい、ハートフルファンタジー。

  • 大阪弁・42歳主婦が主人公・・とちょっと読む前からテンション下がり気味だったのですが、意外というかなんというか、面白かったです!
    27年前に埋めたドロップをなめると15歳に戻れる!メルモちゃん!なドロップを手に入れたナオさんが、叶えられなかった夢を叶えるために息子のバンドに参加するお話
    バンドメンバーの高校生とちょっとドキドキしたり、初恋の男性と再会してドキドキしたり、バンドでドキドキしたり、(ドキドキばっかり^^)
    音楽いいよなー
    ライブハウスとか行きたくなりました。
    あと、主婦とかおばさんってつまんなそうだなーとか他人事じゃないのにでもどこか冷めたというかなんだかなー年とりたくないなーとか思っちゃってるけど、ときめきっていいな!夢中になれるものがあるっていいな!みたいに思いました。

    これは15歳前後の年頃にもいいけど、そのお母さん世代にもいいお話なのではないでしょうか
    わたしもこのドロップほしいなーもっかい15歳になりたいな

  • 現代版メ●モちゃん的な感じがしました(笑)
    亡き親友の残したドロップを舐めると15歳に戻れ
    戻った姿でバンドをくむ(しかもメンツに息子入り)
    なんともエキサイティングで、また15歳の生活・恋に奮闘する
    主人公の姿がとてもいじらしく、かわいらしく見えました
    さくさくと読めて、面白かったです

  • 平凡な主婦が不思議なドロップを手に入れた事で始まる話。

    青臭い、いかにも青春っていう感じが、素直にうらやましくなるストーリー。
    音楽を通じて仲間との絆を深め、自分の本当の幸せに気付いていく主人公。ライブの描写は、読んでいてドキドキする。
    しかしながらタイトルといい、文中に頻繁に登場する「魔法のドロップ」という表現といい、ちょっと少女趣味のような気が。

    実際彼女達みたいなバンドがいたら、見てみたいし、聴いてみたい。
    そしてスパソニの今後が気になるところ。

    「かわりばえのしない日常の中で、ドロップが見せてくれる、有り得ないはずの夢の世界だけがリアルなのかもしれない。」

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著者プロフィール

風野潮
大阪府生まれ。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した『ビート・キッズ』でデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞と第9回椋鳩十児童文学賞を受賞する。ほかの作品に『ビート・キッズⅡ』、「氷の上のプリンセス」シリーズ(ともに講談社)、『ゲンタ!』(ほるぷ出版)、『歌う樹の星』(ポプラ社)など多数ある。日本文藝家協会、日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人。

「2023年 『ペンタとニック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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