密室キングダム

著者 :
  • 光文社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (923ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925604

感想・レビュー・書評

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  • どこからどこまで密室密室密室。まさにキングダム。バリエーションがいろいろあって、飽きません。普通こんだけ密室尽くしでやられたら、食傷気味になりそうなものですが。最後までぐいぐい引っ張られっぱなしでした。
    フェイクあり王道あり、で様々楽しめた密室三昧でしたが。第二の事件「優しい密室」にはやられたなあ。確かにこの解釈って、本来はかなり常識的なものだと思うのですが。いかんせんミステリファン、密室というだけで勘繰っちゃってそんな当たり前のことなのにまず気づきません(笑)。目からウロコでした。
    ラストの最大トリックは、それだけを端的に言っちゃうと「いや、それはいかんだろ!」ってな感じのものですが。これだけみっちりと伏線張られてこの結論だと、全然文句のつけようがないです。完全にやられました。凄いな~。凄いのは厚みだけじゃないですよ!

  • 舞台は昭和63年の札幌。天才的な奇術師・吝一郎の屋敷で行われた彼のカムバック公演まさにその最中に本人が殺される。しかも状況は何重にもめぐらされた密室状況。その後さらに事件はとどまるところを知らず、そのすべてが密室の様相を呈し…??

    見ただけでお腹いっぱいになる分厚い本の隅から隅まで密室です。よくまあここまで考えたなと。出尽くした感のある密室トリックですが、マジックのミスディレクションの考え方とあわせたりしてうまく料理されてたと思います。密室好きなら読んでて楽しいかも。(ちなみに私は厳密にはあれはアンフェアだと思うんだけれども、それを些事だと思わせるくらいのボリュームだった。)物理的な密室トリックは往々にして難しい&せせこましくなるので自力で解こうとは思わず(案の定解けるレベルじゃなかった)とりあえず犯人当てに徹してみました。当たるには当たりましたが、結構気づかなかった細かい伏線がちゃんとあってびっくり。おおー。よくできてる。
    ところで、探偵役の美希風くんがあまりに頭が切れすぎて可愛げがないと思ったのは私だけでしょうか…。よくも悪くもシリアスすぎる話だった…。

著者プロフィール

1959年、北海道生まれ。1994年に「密室の矢」が読者投稿アンソロジー『本格推理3』(光文社文庫、鮎川哲也・編)に採用され、以降も「逆密室の夕べ」と「ケンタウロスの殺人」の投稿作品が採用された。98年、長編「3000年の密室」で作家デビュー。代表作は「時を巡る肖像」「密室キングダム」。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブの各会員。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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