遠海事件

著者 :
  • 光文社
3.70
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本棚登録 : 202
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926229

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきに外連味ソースをたっぷり加えてギュッと圧縮したような。一気読みさせるパワーある。7.75

  • 屍体を残さず完全犯罪を繰り返す大量殺人犯人が唯一首を切断した屍体を残した理由とは。設定は面白く、文章も読みやすかったが、全体的に話に厚みがなく、特に終盤あっさり終焉を迎え、理由も今一つ納得いかない。設定が面白いだけに残念。

  • 86件の殺人事件の犯人、佐藤誠。
    彼の犯罪はいつも完璧で証拠も死体も残らない。
    ただ一件「遠海事件」を除いては…

    文庫版を並べていて表紙と帯にひかれて
    読んでみました。
    「86件の殺人事件を起こした佐藤誠の
    事件の中で唯一死体が発見された
    遠海事件」をノンフィクションのていで
    書いていく形ですがなかなか読みやすく
    面白かったです。「邪魔だったら殺せばいい」
    安易にそう判断してしまえることの怖さ。

    ただ、肝心の「佐藤誠はなぜ首を切断したのか」が
    弱いのが残念…そこに注目させるように
    話が進んでいるので嫌が上にも
    期待してしまうので真相を聞いて肩すかし…
    あと、事件解決が女探偵が登場して
    アッサリ進むので一瞬、これ二作目で
    事件の要所を書いた別の作品があるのかな…と
    思ったところでの巻末の広告なので
    この茶目っ気は面白いですね…

    探偵は別作品に出てくるのかな…
    少し別の作品も読んでみたいと思います。

  • 一選択肢として平均的には殺人が浮かばない様なシチュエーションでその選択ができる男、佐藤誠。
    自称八十六人殺しの多くで遺体の発見すらさせないという完璧な仕事を遂行したにも関わらず、遺体は隠さない、首を切断する、更には自らが発見者となるという異彩を放つ事件である「遠海事件」を紐解く。
    というフィクション。

    正直に感じたのは、物足りない。
    何となくパンチが無いまま、気付いたら終わってしまった。
    最後にちょっとした驚きがあるが、それにしても今までの流れから自然に入ってこない。

    恐らく登場人物の個性が薄いのと、話そのものが短いんだと思われる。

  • この「真犯人像」は非常に新鮮でありました。
    ちょっと青春ものの匂いもする……

    構成も面白いし、よく組み立てたな~と感心もいたしましたが。
    ちょいパンチ不足かなあ……
    うーむ。ですが佐藤誠の人間像は非常に面白かった。

    つまり、あの子は最後に面会できたのですね?

  • 稀代の連続殺人者、佐藤誠が遠海事件に際して、どうして死体を残し、またタイトルにある「どうして首を切らなくてはならなかったのか」という疑問を現代の考察と佐藤誠の証言で話は繋がっていく。最後にどんでん返しとちょっとした出来事が巻末にある。-犯人はすでに分かっている状態で、どうストーリーが展開していくのかと思ったが、まあすんなりと読み進めることはできた。

  • 八十六件の殺人事件を自供した稀代の殺人事件容疑者
    「佐藤誠」が起した遠野事件におけるクビの切断...を
    メインに事件そのものと佐藤誠なる人間をルポルタージュの
    形式を借りて小説風に仕上げた、小説。

    その手法からしてヒネくれてますが、展開自体も
    二転三転しつつもその真相は決して明確でないってのも
    相当ねじくれたミステリ。作者である「詠坂雄二」という
    作家が作中登場したり、今作を読む限りでは、「佐藤誠」
    が自白に至るきっかけになった探偵「月島」など
    あまりにも説明不足なのに気にせず読めます。

    随所に仕掛けた作者のトラップは最後の最後に
    ギラリと刃を向けてきますね。おフザケのような
    見開き広告も最初はダマされたw。これ読みたいのにーw。

  • 自惚れの強いお方だな。

  • ルポタージュ風の構成になっていて、それ自体がなかなかいい出来なので、読みやすいし物語に引き込まれやすいのは確か。
    ただ何と言っても、サブタイトルにまで掲げられた「佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」という謎に対する回答が、平凡の域を出なかったのが残念。
    最後の筆者の言葉(でやりたかったであろうあのオチ)も蛇足にしか感じられず、私としては本編のあのラストで終わったほうがよかった。
    面白そうな予感はいろいろあったんだけど、なんか惜しい。しかしこれから期待できる作家だとも思いました。次回作が楽しみ。

    一番面白かったのが、最後の偽広告。それっぽすぎる笑

  • 2008/07/21読了

著者プロフィール

1979年生まれ。2007年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「Kappa‐One」に選ばれ、『リロ・グラ・シスタthe little glass sister』でデビュー。クールな文体で構成される独特の世界観と、本格マインド溢れる謎解きがミステリ通の熱い支持を受けている。

「2022年 『君待秋ラは透きとおる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

詠坂雄二の作品

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