罪びと

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 37
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926250

作品紹介・あらすじ

男の嘘の原因は-「うそ」生きるのに悩む経営者-「社長の再生」同期の友の急死-「親友の娘」突然失踪した男-「罪びと」また解決役を引き受けて-「濡れ衣」初老期の寂寥感-「幸運の黒猫」働き続けてきた中年から初老に入る男たちの、かたちに出来ない心の鬱屈を、そして身近にありながら気づいていない生きるよろこびを描く作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 終活・・という言葉が浮かんだ小説だった。「罪びと」とは聖書にある最後の審判へ向かう人々なのかなと。夏目漱石気取りで猫を飼い。ぼんやりと自分の生活の整理をはじめる。前半の企業戦士としての生活とはがらっと変わって後半は寂寥感漂う初老の男になっている。仕事を離れたとき自分はどういう生き方を選ぶんだろうか、と考えさせられた小説だった。

  • なんかわかるなぁ。この空しさ。

  • 出世レースからはずれ、仕事を続けることにくたびれていても、仕事を続ける中年サラリーマンたちの屈折した心情を描いた連作短編集。

    仕事に向かう夢や希望も吹っ飛んでしまう、陰気でアンチ仕事な小説。みんな、歯を食いしばって仕事に向かっているんだと、共感することで、明日の仕事への活力とするのが正しい読み方?

    将来を期待する新社会人ではなく、日常の家族や仕事の繰り返しに疲れてきた、ベテラン社会人向け。

  • 商社の人事部長補佐はいわば出世街道の傍系だ。仕事は忠実に行うがなんだか人生の岐路に立つているような気分はぬぐえない。妻とは単なる同居人以上ではないし、娘達も父親への興味を失くしている。残業はしない主義だが、早く帰宅しても家には誰もいないことがほとんどだから、途中のスナックで気分転換をするのだ。 そんなスナックに集まる常連客たちがこの短編集の主人公たち。自分が「信じるものを信じるしかない」人生のやるせないサラリーマンたちのつぶやきを読む。

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