はむ・はたる

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926748

感想・レビュー・書評

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  • 烏金の続編
    はむ・はたるとは
    ファム・ファタルの事で、男を惑わす女の事を言う

    今回は、金貸しお吟婆さんの出番は少なく、前作で、お吟婆さんや、長谷部家の
    人たちが助けた、15人の孤児達の活躍編で
    6編の連作短編。
    一編づつ、6人が、一人称で語っていく。

    《あやめ長屋の長治》玄太12歳
    《猫神さま》三治12歳
    《百両の壺》天平11歳
    《子持稲荷》登美11歳
    《花童》伊根9歳
    《はむ・はたる》勝平13歳

    15人の孤児達の身元引き受け人である、長谷部家の次男坊・柾が、子供達の手助けをする。

    柾は、剣術の師匠・谷内重之進の仇を討つため、6年間仇の行方を追って、旅に出ていたが、仇が、江戸に舞い戻ったという噂を聞いて、戻ってきた。
    しかし、仇討免除は、持ってはいなかった。

    孤児達の過去や、ひたむきさ、人を恋る心。
    ほっこりする中に、ほろりとさせられる。
    なかなか、良かった。

  • 懸命に生きる子供たちの姿に心うたれます。

  • 6篇から成る連作短編集。深川の長屋で暮らす親のない子の活躍。西條氏らしく、義理人情に子供らの健気さや哀しさが相まってぐっときた。はむ・はたるとは、柾様の仇討ち絡みの女性の事だとわかったが、あくまで子たちが主役でサラッと流したのが良かった。

  • とにかくキャラクターが魅力的で、こーゆーのがドラマ化されたら毎週楽しみでならんだろうなー。
    一つひとつの話はシリアスなテーマでじっくり考えさせられるのに、重すぎず、人情味あふれるラストへといざなってくれる。気持ちの良い読後感に今ひたってます。西條さんの時代物、サイコー。
    あら、これ前身に「烏金」というのがあるのか。
    続編だったとは知らなんだ。うれしいまた読める!

  • 背景の説明が足りない部分があり、どうも何かの続編らしいと思ったら、やっぱり「烏金」の続編(「烏金」の粗筋を見るとスピンアウト物という気もします)との事。
    「烏金」を読んでなくても大丈夫と多くの人がレビューで書いています。しかし私はむしろこちらから読んだのが良かったような気もします。
    確かに背景は不足しています。ただそれを想像しながら読み進めて行くうちに、そうした事がどんどん明らかになって行きます。それも今回の読書の楽しみの一つでしたから。
    捨てられて無頼の生活をしていた15人の孤児たち。今は厳しく、あるいは温かく見守ってくれる大人に助けられ、まっとうな生業に就いている。彼らの周りで起きる様々な事件。頭の勝平を中心に、足らぬところは大人たちの力を借りながら解決して行く短編集。
    かつての悲惨な思い出などが随所に影を落としますが、それでも前向きで暖かな物語。これぞエンターテインメント時代小説という作品です。

  • 「ファム・ファタール」=運命の女。
    子供の耳にはこう聞こえるってタイトル。

    親に捨てられたり、かどわかされたり、
    様々な事情を抱えた孤児達が
    様々な事件を解決していく物語。

    【図書館・初読・4/17読了】

  • 江戸の下町でたくましく生きる十五人の孤児たちの強い絆で結ばれた短編小説。

  • 「金烏」の子供達の話。
    1話1話主の子供達が違って全体で1つの物語になってておもしろい。
    また金貸しのお吟さんに会えた。

  • 「烏金」の続編になる短編連作。1冊でひとつのお話なんですが、語り手の違う短編連作であることで、微妙に違った角度から登場人物を見られる楽しさがあります。懸命に生きる子どもたちの成長物語であり、ミステリーの楽しさもあって面白いです。そしてハチがいじらしい!(><。 ぜひ前作を読んでからv

  • 『烏金』に出てきた孤児たちが事件解決に奮闘する連作時代小説。こっちの方が私好みだった。風来してた柾も良いし、何より勝平。年下の子への優しさ、慕われてるのがよく分かる。そんな優しい嘘付けるんか、勝平!タイトル意味不明だし、表紙も好みじゃないから、続きだと知らなければ絶対読まなかったわ。勿体ない。
    直木賞をとった時は時代小説に興味なくて該当作も読まなかったけど、西條本集めたくなってきた。好きだわ。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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